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サンディ通過後、初出勤の風景

by • November 1, 2012 • Latest News, NY TipsComments (0)1424

First Day Back To Work, After Sandy.

スーパーストーム「サンディ」は筆舌しがたい被害を与えただけでなく、ニューヨークに冬の空気を持ち込みました。ストリートを吹き抜ける風はコートからはみ出た素肌にひんやりと浸透し、背骨へ伝わって身体を震わせます。

冷気がはびこるストリートを闊歩したくなくても、ニューヨーカーの選択肢は限られていました。「サンディ」上陸に備えて10月28日に午後7時に全面運行停止を決定したニューヨーク州都市交通局(MTA)。運行再開を決定するのに、11月2日まで待たねばならなかったんです。

もちろん、「一部」のみの再開です。39丁目以下、南端部のロウアーマンハッタンまでは電力会社コンソリデーティッド・エディソンの発電所が爆発した事情もあって停電が続いているため、地下鉄は走行できず。マンハッタンを走る地下鉄は42丁目まで、という異例の事態を迎えています。

地下鉄マップをご覧あれ。ウォールストリートは言わずもがなマンハッタンの半分がアウト。

車内はといえば、ラッシュアワーの山手線も見まごうばかり!!駅には人が溢れ返り、地下鉄内には身動きできないほどの人で埋まっておりました。日本の方からするとまだ失笑モノかもしれませんが、こんな風景はなかなかNY市内では見られません。しかもニューヨーカーは混雑した車内に慣れておらず、奥に入ってくれないので出入り口に固まった人を掻き分けるのでひと苦労します。

59丁目駅の帰宅ラッシュ、ホームいっぱいにひしめく人々。

悪いことばかりではありません。

地下鉄は復旧作業中、無料で乗り放題!市民の足に直接の被害をもたらしただけに、やってくれます♪ただし皮肉屋が多いニューヨーカーは、「年明けに大幅値上げが待ってるぞ」と囁き合っておりました・・。

改札口には赤いテープが貼られ、緊急扉が代わりに利用客の出入口に。

 

地下鉄がダメなら、タクシー!と思ったあなた。考えることは、皆同じなんです。マンハッタン内ならまだ何とかなったでしょう。しかしイーストリバーの向こう側はロングアイランド・シティに住む私には縁のない話。リムジンを呼んで出勤しようにも、異例の交通ルール「W/3」が施行されていたんです。すなわち、クィーンズとマンハッタンを結ぶエド・コッチ橋を渡るには、「With 3 or more=最低3人の乗員を乗せていなければならない」というルール。(追記:報道ベースでは2日の朝に規制が解除されたとありますが、なぜか今朝の段階では継続してました。)

TVでも話題になった、W/3ルール。

目的地を変えN線クィーンズボロ駅までへ向かう道すがら、5人の警察官が厳格に橋の入口でチェックしており、不覚にもワタクシ厳格に遵守されているのを目撃しました。そうそう、ご想像どおり足元を見て、一部のリムジン会社は通常から2倍の料金をふっかけてきています。交通網がズタズタなので人手だけでなく、ガソリンを始めとした燃料も限られてるからです。

車が必須なニュージャージー州では、ガソリンを入手するためこんな行列が出来上がっていました。

マンハッタンへの手段に、もう一つの奥の手があります。それは、イーストリバー・フェリー。今年からサービスを開始しており、34丁目から始まりロングアイランド・シティやウィリアムズパーク、ブルックリン南東部ダンボなど、その名との通りイーストリバー沿いをめぐって、ウォールストリートに通じるんです。こちらも2日からサービスを再開するというので、期待していたら・・朝6時半に電話してもオペレーターはなかなか通じず、通じたと思ったもつかの間「運航しているか分からない」という返事を受け取る始末です。しばらくして運行が再開されたと判明したものの、スケジュールは30分に1度・・・。交通網がマヒするなか職員も限られ、かつ目一杯人を詰め込みたいのは分かりますが、あまりにも間隔が長い。

イーストリバーという名の通り、クィーンズの東端部をめぐってマンハッタンとつなぎます。

挙句の果てに34丁目発の最終便は午後6時!!ウィリアムズバーグに住む友人いわく、34丁目6thアベニューから駆け足で午後5時15分に到着した頃にはすでに長蛇の列がうねっていたそう。しかも午後6時過ぎには警察官から「600人までしか乗り込めないので、ここから先の方々は速やかに帰宅して下さい」と申した渡されてしまったんです・・。覚えておいていただきたいのが、停電状況。午後6時ともなればとっくり陽が暮れているどころか、すっぽり真っ暗闇に包まれているので女性には心細いこと限りなしです。

バスも一部運行してますが・・どこもかしこも行列づくし!!完全に復旧するメドも立っておらず、ニューヨーカーには厳しい冬が訪れる前に辛い試練が訪れています。それでも米北東部で少なくとも90名、NY市内38名の死亡者ならびに遺族の方々、家を失くした人々、北東部で停電に見舞われる480万人の皆さまを考えると、いま目の前にある幸運を噛みしめるべきでしょう。

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