All I Want For Christmas Is An Agreement On The Fiscal Cliff!
「財政の崖」で右往左往するマーケット概況を書くのが、飽き気味な私。本日は、特にひどかった。2010年にオバマ米大統領が設立した財政責任・改革国家委員会で共同議長を務め、次期財務長官の最右翼とも言われるアースキン・ボウルズ氏の発言として、「財政の崖」は年末までに合意しない可能性があると報じられたんです。米10月新築住宅販売件数が予想以下だった上に前月分が下方修正されたことも重なり、ダウ平均が100ドル安へ沈んだかと思ったら・・・。
ボウルズ氏、2011年9月とIPO前にフェイスブックの取締役に就任した経歴も。
今度はWSJ紙オンライン(リンクはアップデート版なので時間が異なります)が同じくボウルズ氏の発言として、「ホワイトハウスが富裕層向け税率で柔軟化へ、共和党に歩み寄りをみせる公算」と報じ、あれよあれよという間にプラス圏を回復。米下院のベイナー議長が「税制改革を通じた増収策」で譲歩アリと打ち出しお決まり文句を広げ、協議の合意に楽観的とのリップサービスも忘れず株価を押し上げました。
オバマ米大統領も好機を捉え、口先介入!とは言い過ぎかもしれませんが・・・「クリスマスまでに合意できると信じる」と期限を設定しました。結局ダウ平均は100ドル以上の大幅高で引け~。富裕層には引き続き増税措置を講じる構えをみせつつ、強く妥協を迫ったかたちといえるでしょう。
共和党から援軍が現れたのも、オバマさんが時間軸を突きつける一押しとなったと思われます。米下院のトム・コール議員が、中間層のブッシュ減税延長と年収25万ドル(2050万円)以上の富裕層に対する増税に賛成を表明。
オバマ米大統領は翌29日に米大統領選を闘ったロムニー元マサチューセッツ州知事と「プライベート」でランチを囲む予定ですが、その前の本日はゴールドマン・サックスやデロイト、ヤフー、コムキャストなど大手企業のトップと顔を合わせました。
会合後、GSのブランクファイン最高経営責任者(CEO)は、CNBCやCNNなどとのインタビューで「合意が可能」と発言。限界税率、つまり富裕者層向け最高税率も引き上げないに越したことはないと述べつつ、「我々が無責任で政府が機能せず、財政赤字が膨らみ続ければ米経済の足かせとなる」とし、必要ならば引き上げるべきとコメントしてました。デロイトのエチェバリアCEOも、他の出席者は富裕者層の増税に賛意を表明したと発言。さらに「オバマ米大統領は米世帯所得のトップ2%にあたる富裕層の最高税率引き上げから増収する術を引き出しており、我々は公正な分け前を支払うべきと理解する」とまとめていましたね。
ブランクファインCEOも、Fair Share(公正な分け前)を提供する用意アリ?
オバマ米大統領、再選を果たしただけでなく米上下院改選で民主党が2議席伸ばしたこともあって、ことあるごとに25万ドル以上の所得を有する世帯へのブッシュ減税終了 につき「国民の信託を受けた」と強調してました。実際に世論調査でも、オバマ支持がみてとれます。ABC/ワシントン・ポスト紙が28日に発表した結果では、賛成派が60%を占めました。反対派は32%に過ぎません。こうした世論動向をみてもCEOが最高税率引き上げに反対するわけにもいかず、共和党も強情を張れば中間選挙で敗北するリスクもあり、やっぱり妥結できそうな・・・気がします。
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