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米2月個人消費は堅調も、Q1GDP予想の下方修正促す

by • March 29, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off2050

Personal Spending Suggests Loss Of Momentum.

米2月個人消費支出は前月比0.1%増と、市場予想と一致した。前月の0.1%増(0.5%増から下方修正)と変わらず。小幅ながら、13ヵ月連続で増加している。前年比は3.8%増と、1年ぶりの高水準だった前月の3.9%増に届いていない。消費の内訳は、前月比で以下の通り。

・耐久財 0.07%増、前月の0.68%減から増加に反転
・非耐久財 1.06%減、前月の0.49%減と合わせ3ヵ月連続で減少
・サービス 0.45%増、前月の0.39%増を含めプラス基調を維持

耐久財は新車販売台数が堅調で増加に転じたものの、勢いに乏しい。非耐久財はガソリン価格の下落を一因に、減少をたどる。サービスは寒気の戻りを受け公益が底堅かったこともあり、増加トレンドを維持した。

米2月個人所得は前月比0.5%増となり、市場予想の0.4%増を上回った。前月の0.3%増を超え、2015年6月以来の高水準。11ヵ月連続で増加している。可処分所得も0.2%増と、前月の0.4%増を下回りつつ増加をたどった。所得が支出の伸びを超えたため貯蓄率は5.4%と、ブッシュ減税終了目前で賞与などが大幅増となった2012年12月以来の高水準に及ぶ。

個人消費はさえないものの、個人所得は順調で貯蓄率が上昇。
personal-spending
(作成:My Big Apple NY)

所得の内訳は、以下の通り。

・賃金/所得 0.1%減、前月の0.6%増から転じ5ヵ月ぶりに減少(民間が0.2%減と前月の0.6%増を下回り5ヵ月ぶりに減少、サービスが0.2%減だったほか、財生産業も0.3%減と弱く製造業が0.3%減と押し下げた)。
・不動産収入 ±0%、前月までは0.3%増と2ヵ月連続で増加(農場が3.7%増と2ヵ月連続で増加した一方、非農場が0.1%減と6ヵ月ぶりに減少)
・家賃収入 1.0%増、前月の0.9%増に続き24ヵ月連続で増加
・資産収入 0.3%増と2ヵ月連続で増加、前月は0.4%増(配当が±0%、金利収入が0.6%増と2ヵ月連続で増加)
・社会福祉 0.5%増、前月の0.4%増と合わせ増加基調を維持(メディケイド=低所得者層向け医療保険が0.4%増と10ヵ月連続で増加、メディケア=高所得者向け医療保険は0.7%増と4ヵ月連続で増加)
・社会補助 0.1%増、前月の0.3%増を下回りつつ少なくとも15ヵ月連続で増

米2月個人消費支出(PCE)デフレーターは前月比0.1%低下し、市場予想に並んだ。前月の0.1%の上昇から転じている。前年比は1.0%上昇し、こちらも市場予想通り。2014年10月以来の高水準を遂げた前月の1.3%の上昇からは、鈍化した。コアPCEデフレーターは前月比0.1%上昇し、市場予想の0.2%並びに前月の0.3%を下回った。前年比は市場予想の1.8%に届かなかったものの、1月に続き1.7%上昇し2014年8月以来の高水準に並んだ。コアPCEは米連邦公開市場委員会(FOMC)の目標値「2%」を視野に入れつつ、PCEと含め、「2%」割れはそろって2012年5月以来となる。

バークレイズのマイケル・ゲイピン米エコノミストは、結果を受け「2月の実質個人消費支出は0.2%増だったものの、1月分が0.4%増から±0%へ下方修正された」と指摘。さらに、米2月貿易収支(前渡し商品別)で輸入が増加し赤字額が628.64億ドルと市場予想の622億ドルを超えたこともあり、米1-3月期国内総生産(GDP)の予想を「1.4%増から0.9%増」へ引き下げた。

アトランタ地区連銀も、GDP予想値を下方修正した。従来の1.4%増から0.6%増とし、試算を開始直後に示した1.1%増以下に切り下げている。

――米1-3月期GDP予想が下方修正され、インフレも上昇の芽吹きは感じられません。セントルイス連銀のブラード総裁は風見鶏を彷彿とさせる早業で2月の据え置き支持派から4月利上げ派に転じたものの、Fedが早々に追加利上げに踏み切るかは疑問が残ります。

(カバー写真:elysiumcore/Flickr)

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