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米3月ダラス連銀製造業景況指数、最悪期からの脱却を示唆

by • March 29, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off2470

Dallas Manufacturing Index Indicates The Worst Is Over.

米3月ダラス連銀製造業景況指数はマイナス13.6となり、市場予想のマイナス25.8より下げ幅を縮めた。原油先物が40ドル台を回復するなか、前月のマイナス31.8から改善。1月には2009年4月以来で最低となる前月のマイナス34.6 まで沈んだが、最悪期は脱したようだ。もっとも、テキサス州など石油生産地を含むダラス連銀の製造業マインドは15ヵ月連続で分岐点割れを示す。項目別では生産や出荷が分岐点を回復したほか、新規受注や受注伸び率、仕入れ価格などが下げ幅を縮小した。詳細は、以下の通り。

・生産 3.3、分岐点を回復>前月はマイナス8.5、6ヵ月平均は0.9
・出荷 0.3、3ヵ月ぶりに分岐点を回復>前月はマイナス1.1、6ヵ月平均は1.1
・稼働率 3.3、3ヵ月ぶりに分岐点を回復>前月はマイナス8.2、6ヵ月平均は1.9

・新規受注 マイナス4.8、4ヵ月連続で分岐点割れ>前月はマイナス17.6、6ヵ月平均はマイナス7.4
・受注伸び率 マイナス11.7、分岐点割れを継続>マイナス17.4、6ヵ月平均はマイナス12.3
・設備投資 マイナス0.9、2ヵ月連続で分岐点割れ>前月はマイナス1.6、6ヵ月平均はマイナス0.8
・在庫 マイナス7.2、8ヵ月連続で分岐点割れ>前月はマイナス12.9、6ヵ月平均はマイナス7.5

・雇用 マイナス10.3、3ヵ月連続で分岐点割れ>前月はマイナス11.1、6ヵ月平均はマイナス1.0
・平均労働時間 マイナス5.6、3ヵ月連続で分岐点割れ>前月はマイナス9.8、6ヵ月平均はマイナス1.0
・賃金 14.7 >前月は12.3、2013年9月以来で最低、6ヵ月平均は16.2

・仕入れ価格 マイナス0.2、分岐点割れを継続>前月はマイナス12.0で2009年5月以来で最低、6ヵ月平均はマイナス6.2
・販売価格 マイナス8.2、16ヵ月連続で分岐点割れ>前月はマイナス9.8、6ヵ月平均はマイナス11.0

6ヵ月見通しは6.1と前月のマイナス2.1を上回り、4ヵ月ぶりに分岐点への回復を果たした。2009年2月以来で最低となるマイナス24.0を記録した1月で、底打ちを示唆している。ただ、項目別では芳しくない。仕入れ価格や販売価格が急伸したほか在庫や賃金が若干上昇した程度で、生産をはじめ新規受注、出荷、稼働率、在庫、稼働率、雇用、設備投資など主要項目は軒並み低下した。

――さて、各連銀の製造業景況指数が出揃ったところで、星取表を確認していきましょう。

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(作成:My Big Apple NY)

NY連銀製造業景況指数
0.62、8ヵ月ぶりに分岐点を回復>前月はマイナス16.54

フィラデルフィア連銀製造業景況指数
12.4、7ヵ月ぶりに分岐点を回復>マイナス2.8

カンザスシティ連銀製造業景況指数
マイナス6、13ヵ月連続で分岐点割れ>前月はマイナス12

リッチモンド連銀製造業景況指数
22、2010年4月以来の高水準>前月はマイナス4、3ヵ月ぶりの分岐点割れ

カンザスシティ連銀とダラス連銀を除き見事に分岐点を果たし、もちろん前月からも大幅に改善しています。ドル高や原油安の一服により、景況感がここまで変わるのかと驚いてしまうほど。おかげで、前月比では5戦全勝を果たしました。

米3月ISM製造業景況指数でも、V字回復を示すのか。少なくとも、ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想平均では50.5と、5ヵ月ぶりの分岐点回復が予想されています。

(カバー写真:Ken Lund/Flickr)

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