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ホワイトハウスがアンロック嘆願に対応、携帯電話事業の競争激化の予感

by • March 5, 2013 • Latest NewsComments (0)951

White House Supports Unlocking Cell Phones.

1月26日、「アンロック」つまりSIMロックの解除を通じた他携帯会社の乗り換えを違法とする法律が制定されました。消費者が自らのお金で購入したデバイスの使用が制限されるなんて、こんな不条理なことはない――というわけで、ご存知ホワイトハウスの嘆願書コーナーには、アンロックの違法化に反対する陳情が提出されたんです

1月24日から3月4日までに、11万4322人の署名が集まりました!

petition

なぜ、これだけの人が集まったのでしょう?

アメリカの携帯購入制度は、以下のようなカラクリだからです。

たとえばアップル・ストアでiPhoneを購入するとします。色に始まり容量を選んでから、どの携帯ネットワーク会社と契約するかをチョイスするんです。

写真のように、携帯会社とセットならiPhone 5が199ドル(1万8510円)で購入できます。

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アンロック=SIMロックによって携帯会社に固定されていないiPhoneの場合は・・・649ドル(6万1290円)也!

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消費者がiPhoneを購入する場合、ベライゾンをはじめAT&T、スプリントなどの携帯ネットワーク会社にて割安でお買い上げできる半面、携帯会社がアップルに差額を支払うかたちとなります。携帯ネットワーク会社はボランティアで事業を展開しているわけではないので、アップルへの報酬金を取り返すため利用者に2年間の固定契約を求める必要が出てきます。例えば、私が使うベライゾンでのiPhone 4S月額料金は108ドル(1万40円)ですから、差額はざっくり4ヵ月で吸い上げることが可能になるわけです。

SIMロックは携帯ネットワーク会社にとって乗り換えを阻むカギである上、アップルにとってどの携帯ネットワークのサービスを利用しているかを判別する道具になっており、双方にとって必要な潤滑剤でした。

通信料金を通じて収益を得るというモデルなだけに、ネットワーク会社が何をするか?以前に申し上げたように、データ使用料金をかさ上げすれば、スンナリ元が取れます。こうした背景から、アメリカ人の間では大手携帯ネットワーク会社からメトロPCSをはじめヴァージン・モバイルなど、50ドルなど定額で「データ・通話使いたい放題」を提供する新規携帯ネットワーク会社へ移行する動きが活発化したんです。

逆に言えば、ベライゾンやAT&Tなど既存の携帯事業会社にとっては、安く売った携帯端末の元を取りっぱぐれてしまいます。

そこへ降って沸いたのが、冒頭で申し上げたアンロック禁止法。違反者は最悪で50万ドル(4650円)あるいは懲役5年といいますから消費者が怒りのこぶしを挙げたのも、むべなるかな。給料は上がらず賞与・残業手当もないのに地下鉄料金は値上がりし、保険料は引き上げられ、給与税増税に加えガソリン価格も上昇する始末。消費者が数百ドルものバカ高い携帯料金に嫌気が差し携帯ネットワーク会社乗り換えを検討するのも、時間の問題だったんです。

そして3月4日、消費者の切なる願いはホワイトハウスに聞き入れられました。

petition1

ホワイトハウス、「アンロックを合法化する時が来た」との見解を表明したんです。

すでにAT&T、スプリントは契約を終了した上でのアンロックを承認していたものの、iPhone3のみと限定されていたり煩雑で消費者には厄介だったんですよね。ホワイトハウスが今回、受け入れの意思を明らかにしたことで、米議会も動き出す期待が高まります。時間が掛かる可能性があるとはいえ、中間選挙を控えていますし、大衆主義に走る可能性は捨て切れません。

アンロックが合法化されれば、データ料金の設定で悪名高いベライゾンとAT&Tにとって特に大打撃となる予感がします。携帯ネットワーク会社としても、通信料金を通じた利益計上モデルが崩壊すれば、アップルへの上納金を支払ってまでiPhoneを購入する利点もなくなり・・・。あれ、ということはアップルへの余波も避けられない?

ベライゾンのシャモ最高財務責任者(CFO)は、ドイツ銀行主催のインターネット・テレコム・カンファレンスにて4日、iPhoneの2012年10-12月期のスマートフォン台数980万台のうち6割に当たる620万台が2年間の契約不要のiPhone 4だったと説明。廉価版となったiPhone 4に対し、販売奨励策を与える計画にはないと明言したんです。iPhoneの発売を開始した2011年でベライゾンのiPhone販売台数は最高となったものの、内情がこれではアップルの株価が下落したのもいたし方ないですね。

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