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キプロス救済合意でも、S&P500は高値更新手前で足踏みしたワケ

by • March 25, 2013 • Latest NewsComments (0)1627

S&P500 Stays Just Shy of Closing High, Here’s Why.

ダウ平均はザラ場で最高値更新しましたね。はい、キプロス救済合意に小躍りしたんです。

S&P500も終値ベースでの最高値達成まであと数ポイントに迫り、例のごとくブルームバーグなど金融情報メディアは高値接近のヘッドラインを怒涛のごとく流したものです。ところが・・あえなく失速。ダウ平均とは裏腹に、ここ2週間で5回も5ポイント内に迫りながら足踏みしてるんですよね。

以下は本日の米株概況でございます。

「ダウ平均は反落。キプロス救済合意を受けユーロ離脱・無秩序な債務不履行リスクが消えリスク先行度が上昇し、寄り付きこそ買いが先行した。ダウ平均は一時51.72ドル高の14563.75ドルまで値を上げ、ザラ場での最高値を更新。しかし、ユーログループのダイセルブルーム議長がキプロス国内第2位の銀行整理を含む同国の銀行再編が今後のユーロ圏危機解決のモデルとなると発言し、急速に売りへ舵を切った。

格付け会社ムーディーズがイタリアを格下げするとの噂、キプロス議員がユーロ圏脱退の可能性に言及したほか、独五賢人委員会が独2013年成長率見通しを0.5%ポイント引き下げ0.3%増としたことも、売り材料となった。前営業日安値を抜け、中盤には一時117.03ドル安の14395.00ドルまで下落。ニューヨーク連銀のダドリー総裁が緩和策を継続すべきとの発言で下値を支えられつつ、引けまで14450ドルでのもみ合いに終始した。S&P500は一時1564.91pと終値ベースでの最高値1565.15pに接近後、ユーログループ議長の発言を受けあえなくマイナス圏へ転じた」。

はい。1月後半にユーログループ議長に就任したばかりのダイセルブルーム蘭財務相の発言が下落の引き金を引いたんです。

どことなく、ラーメン大好き小池さんを連想させる・・。スネ夫にも似てますかね。
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また上記のようにキプロス関連以外から飛び出した欧州の悪材料も響いたかたちです。本日は米重要指標を予定していなかったこともあり、相場には緩衝材が不足していたといえます。

ダウ平均自体は直近安値をつけた19日、そして本日と14400ドル割れで拾われているので、下落してほしくない方々がいらっしゃる気がしますね。月末、期末のドレッシング買いが出ていたのかもしれません。

ただし、米株には下落してほしい人も存在してそうです。

マーケットウォッチは同サイト内のブログ「The Tell」は引け後、「バーナンキ・プット」ならぬ「Fed プット」が消滅する結果、S&P500 が年末に1400pを割り込む--という、ウェルズ・ファーゴ・セキュリティーズのインスティチューショナル・エクィティ・ストラテジストであるジーナ・マーティン・アダムス氏の予想を紹介していました。

アダムス氏は米労働市場の改善で失業率が2月に7.7%と1年前の8.3%から急低下した点を踏まえ、2014年にはFedの数値目標「6.5%」に接近する可能性が高いと指摘しています。従ってFedは現状の資産買取の継続を正当化できないと判断した上で、米株の過去の動きを踏まえ下半期に下落するというシナリオを描いているんです。

では米株市場は緩和解除に過去、どのように反応してきたのでしょう?ヒストリカルを紐解くと、緩和会場の約半年前から下落を開始し、平均で8%落ち込んだといいます。

今回の緩和解除では資産買取+時間差の利上げというWインパクトで、下げ幅が広がる恐れも?

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出所:Marketwatch

ちなみに2012年のアダムス氏によるS&P予想はというと、1350p。S&P500の2012年末からの誤差は約5%であり、大手金融機関のアナリスト/ストラテジストでS&P500を正確に予想した方は、わずか3人だったそうです。


CNBCも、今回ばかりはあまりブルに走っていないんですよね。

その名もズバリ「Why the S&P 500 Just Can’t Break its Record High」という記事では、S&P500が高値更新できない理由に

・これまでリスク選好度の高まりに合わせ株式ロングを積み増してきた投資家の多くが、キプロス問題もあってリスク回避に転換中。

・さらなる上昇を目指すための調整を求めている。

などの点をクライアント・ファースト・ストラテジーのミッチェル・ゴールドバーグ社長、そしてS&P キャピタルIQのサム・スタボール主席株式ストラテジストのコメントを元に挙げておりました。特に後者については期待が高いようで、バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのマイケル・ハートネット主席投資ストラテジストの言葉で結んでおります。

「株式相場が2013年にわたって上値追いできるかというと、我々のアセット・アロケーションを通じた答えはイエス。ただし上昇への可能性と耐久性は、健全な調整によってもたらされるとの考えを維持する」

とまぁ、こういうわけで強気派のCNBCですら、いったん調整してほしいみたいです。個人的には調整入りはS&P500が最高値を更新してからと予想していますが、米重要指標が並ぶ今週が勝負となりそうですね~。

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