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米3月雇用統計は予想以上の弱含みでも、米株下落は限定的の怪

by • April 5, 2013 • Latest NewsComments (0)370

Weak March Jobs Report Was Good For Stock Market.

米3月雇用統計、文句なしに雇用改善の遅れに警鐘を鳴らす結果となりました。

米3月雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)は前月比8.8万人増となり、市場予想の19.0万人増より弱くなりました。前月の26.8万人増(23.6万人増から上方修正)を大幅に下回り、増加幅は9ヵ月ぶりに2桁割れ。バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が失業率が低下する増加ペースの「15万人増」にも届かなかったんです。

今回のポイントは5つ。

1)NFPのセクター別をみると、貿易・輸送の2.7万人減のうち特に小売が2.4万人減と大部分を占める

2)政府は0.7万人減、強制歳出削減始動の影響で米連邦政府の職員が1.4万人減の下押し

米雇用統計・NFPと失業率の推移、青の棒グラフ一番右が今回の数字・・伸びが小さいでしょ?

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出所:ワシントン・ポスト紙

3)時間当たり平均の労働賃金は、前年比で1.8%の上昇と5ヵ月ぶり低水準。過去最低の伸びとなった2012年10月の1.6%に近づく

4)時間当たり賃金の伸び鈍化の陰で、平均労働時間は34.6時間と2012年2月以来の高水準

5)失業率は7.6%と2008年12月以来の水準へ改善。失業者が29.0万人減と2ヵ月連続で減少だっただけでなく、労働参加率が今回63.3%と1979年以来の最低を示現し失業率低下を促す

労働参加率を示す右のチャートは、労働市場の再参入をあきらめた人の軌跡でもあります。jobsreport5

出所:WSJ紙

こんなニュースが飛び込んだために、ダウ平均は寄り付きまもなく一時171.68ドル安の14434.43ドルと1週間半ぶりの水準へまで大幅に下落!ところが、同水準から上げ幅を縮小する展開に突入。引けまで緩やかに買い戻しが入り、わずか40.86ドル安の14565.25ドルで引けました。

なぜか??

まず本日の安値近くは25日移動平均線近くに当たり、同水準を割り込んですぐに下げ渋りました。また米3月雇用統計の発表前に講演原稿として出回った、ボストン連銀総裁の見解も意識されたことでしょう。ハト派で知られ今年のFOMC投票メンバーである同総裁の原稿には、「弱い雇用は積極的な政策対応を正当化する」といった内容が盛り込まれていたんです。

株式相場が下げ幅を縮小したカギは、Easy-EならぬEasingのEワードだったんですね。

今回の結果を受け、 BNPパリバのジュリア・コロナド米国担当主席エコノミストはNFPが1-2月の過去分が3.2万人増の上方修正となったものの、今回の伸び鈍化により「3ヵ月平均のNFPは2月の21.1万人増から16.8万人増、6ヵ月平均も19.7万人増から18.8万人増へ引き下げられる」とし雇用市場の伸び減速を示しています。

ただし、同エコノミストは3月のNFPの伸び減速が、1)ハリケーン「サンディ」の復興需要のはく落、2)季節調整のゆがみ――だった可能性を挙げ、米経済が二番底に陥る兆候とは判断せず。米連邦公開市場委員会(FOMC)に政策については、「毎月850億ドルの資産買取ペースを年内維持する」との見方を据え置きました。

またCNBCでも、こんな記事を掲載してます。「雇用ブルースは恒久的な緩和をお膳立て(Forever Fed: Jobs Blues Sets Up Eternal Easing)」。

同記事に掲載されたRBCキャピタル・マーケッツのトム・プロセリ主席エコノミストのコメントは、

「資産買取の規模を早期に縮小するという協議まで、時間がかかるだろう」

でした。

いわば雨降って地固まる――米雇用統計が弱かった分、緩和政策が継続し相場の下支え要因となる公算が大きいため、雇用統計は強くなるよりも弱くなった方がマーケットにはありがたかったんです。

トレーダーも、結果を受けご覧のガッツポーズ!をとったのではないかと妄想。
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1-3月期国内総生産(GDP)が米3月貿易収支の結果も含め強含みとなる可能性が高い半面、4-6月期GDPが再び減速するとの見方も流動性相場継続への期待をあおりそうな点も、留意しておきましょ。

バークレイズ・キャピタルのディーン・マキ米主席エコノミストは、消費、在庫、輸出のマイナス寄与縮小を通じ1-3月期GDPこそ「従来予想の3.7%増から4.0%増」へ上方修正しました。しかし、4-6月期は「1.5%増」で据え置いています。

1-3月期の発射台が高い分、4-6月期に対する失望感が大きくなることもあり、米株が調整局面を迎えても小幅にとどまる予感・・・。個人的には以前に申し上げたように決算シーズンに14000ドルまで調整が入ってもおかしくないと予想していましたが、持ちこたえるリスクが出てきたといえます。

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