Second Quarter GDP Leaves Hope To Achieve FOMC’s Growth Outlook.
米4-6月期国内総生産(GDP)速報値は、前期比年率の4.0%増と市場予想の3.0%増より強い結果となった。当初のエコノミスト予想に近い数字となる。大寒波の打撃から3年ぶりのマイナス成長へ沈んだ1-3月期の2.1%減(2.9%減から上方修正)を上回っただけでなく、3期ぶりの高水準を示した。
今回の結果を受け、1-6月(上半期)の成長率は1.0%増となり、6月米連邦公開市場委員会(FOMC)に公表された経済・金利見通しでの2014年末成長予想「2.1-2.3%」の達成に望みをつないだ。
内訳をみると、GDPの7割を占める消費は2.5%増と、市場予想の1.9%増より強い。前期の1.2%増(1.0%増から上方修正)も上回っている。特に自動車が押し上げ耐久財が14.0%増と大幅増加を遂げた。非耐久財も2.5%増と、前期の±0%から増加に反転。サービスのみ前期の1.3%増から0.7%増と、足元最も低い伸びにとどまった。
米新車販売動向、6月は約8年ぶり高水準でしたよね。
(出所 :Emilio Labrador)
民間投資は17.0%増と、2012年10-12月期以来のマイナスに転じた前期の6.9%減から大幅に改善した。特に企業の設備投資を表す機器投資は7.0%増と、前期の1.0%減からプラス圏を回復。構造物投資や非住宅投資も5.5%増、5.3%増とそれぞれ前期を上回っている。住宅投資も7.5%増と、前期の5.3%減を含め3期ぶりに増加に転じた。
そのほか、在庫投資も934億ドルと3期ぶりの高水準となった。政府投資も1.6%増と、前期の0.8%減を上回り3期ぶりに増加に反転。特に国防関連が1.1%増と、3期ぶりに増加し非防衛と連邦政府の減少を抑えた。
一方で、純輸出のマイナス寄与度は前期の1.66%から0.61%へ縮しつつ、引き続き成長を押し下げた。知的財産は改定値の3.5%増から、4.6%増を下回り3期ぶりの低い伸びに終わった。
GDPデフレーターは、市場予想の1.8%を上回り2.0%の上昇。前期の1.3%をゆうに超え、2012年7-9月期以来の2%乗せを示した。コアPCEデフレーターも市場予想の1.9%を抜け、2.0%の上昇に。前期の1.2%を上回り、2012年1-3月期以来初めて米連邦公開市場委員会(FOMC)のインフレ目標値「2%」を回復した。
大和キャピタル・マーケッツのマイケル・モラン米主席エコノミストは、結果に対し「在庫投資は足元の平均を大幅に上回る伸びを示しており、向こう数四半期に失速し成長を阻害する懸念がある」と指摘。また消費も、当初期待された医療保険制度改革(オバマケア)効果での大幅増加がみられない上に今回は耐久財の4割が新車販売台数が好調な自動車を占めている。従って「支出に慎重な家計の様子が見受けられ、サービス支出が前期の1.7%増に続き0.7%増だったことに現れている」とまとめた。
一方でJPモルガンは、7-9月期を中心に在庫投資の伸び縮小を見込みながら「GDPを大きく下押しするほどでもない」との見地から、7-9月期および10-12月期のGDP予想を3.0%増で据え置いた。
なお今回、経済分析局(BEA)は、GDP改定版を発表した。2011-2013年全体で従来の2.2%増から2.0%へ引き下げられている。2011年は従来の1.8%増から1.6%増、2012年も2.8%増から2.5%増とそれぞれ下方修正。2013年のみ、従来の1.9%増から2.2%増へ引き上げられた。
(カバー写真 : I-5 Design & Manufacture)
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