GS Posts Stronger Results, Bond Trading Soars.
ゴールドマン・サックス・グループが16日寄り前に発表した7-9月(第3四半期)決算では、純利益は前年同期比49.6%増の21億4000万ドルだった。優先配当金支払いを反映した1株当たり利益は4.57ドルと、市場予想の3.21ドルより強い。収入は25%増の83億9000万ドルと、アナリスト予想平均の78億5000万ドルを上回った。報酬費用は17.6%増の28億ドルだったが、4−6月期の39億2000万ドル以下に。収入に対する割合は1−9月時点で40%と前年同期の41%および1−6月期の43%も下回った。コスト削減をねらい、上半期に合わせる慣行を終了させたかたちだ。
投資銀行業務の収入は前年同期比26%増の14億6000万ドルで、4−6月期の17億8100万ドルを下回った。合併・買収(M&A)など助言業務は40%増の5億9400万ドルとなり、4−6月期の5億600万ドルからも増加している。引き受け業務は17%増の8億7000万ドルだった半面、4−6月期の12億7500万ドルを下回っていた。そのうち株式が54%増の4億2600万ドルだった一方、4−6月期の5億4500万ドルからは減少。債券は4.9%減の4億4400万ドルとなり、4−6月期の7億3000万ドルにも届かなかった。
機関投資家サービス部門は、前年同期比32%増の37億7200万ドルとなり4−6月期の38億3000万ドルを下回った。債券・通貨・商品(FICC)トレーディング収入は、74%増の21億7000万ドル。前期比ベースでは2.3%減でバンク・オブ・アメリカの11%増には届かなかったが、シティの6.2%増、JPモルガンの2.1%増は上回った。会計上の調整を除いた場合は53%増の19億8000万ドルだった。信用商品での減収を為替、商品、金利商品が、住宅ローン証券などが補ったという。特に今回は、12億2000万ドル相当の早期債務償還をめぐり1億5700万ドル押し上げられた。株式トレーディング収入は0.9%減の16億200万ドルとなり、4−6月期の16億700万ドルからも小幅に減少した。
規制強化を受けトレーディング収入と株式の依存度は、低下トレンドをたどります。
(出所:Bloomberg)
投資・貸出部門の収入は前年同期比15%増の16億9200万ドルだった。ただし、4−6月期の20億7200万ドルには届かなかった。投資運用部門の収入は、20%増の14億5900万ドルで4−6月期とはほぼ変わらず。運用資産は過去最大の1兆1500億ドルに達しており、新規の資金流入が200億ドルに及んだ。
中核的自己資本(コアTier1)比率は11.8%と、6月末時点の11.4%から上昇した。株主資本収益率(ROE)は1−9月期に11.2%となり、1−6月期末で10.9%を上回っている。配当は、60セントの引き上げを発表した。
——以上、債券をはじめFICC部門が74%増と驚異的な伸びを達成したほか、コスト削減もあって好調な決算となりました。ただし株価は、下落。トレーディング部門が好調を維持できるか不透明であるほか、引き受け業務は7−9月期に前期比で減少しています。世界景気の鈍化の影響や量的緩和(QE)終了を前に、決算内容が好調でも買い向かえなかったのでしょう。
(カバー写真:Postgradproblems)
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