Morgan Stanley Profit Jumps, Trading Revenue Climbs.
モルガン・スタンレーが17日寄り前に発表した7−9月(第3四半期)決算では、前年同期比83%増の17億1000万ドルだった。1株当たり利益は84セントで、そのうち12セントは税制上の利点で押し上げられている。減税分と会計上の調整を除いた場合は65セントとなり市場予想の54セントより強い。収入は12%増の89億700万ドル、会計上の調整済みベースでは7%増の86億9200万ドルで市場予想の81億7000万ドルを上回った。
トレーディング収入は、前年同期比13%増の26億9700万ドル。債券・商品・為替(FICC)は19%増の9億9700万ドルだった。為替、証券化商品が商品や信用商品での弱さを補った。株式は4.3%増の17億8000万ドルとなり、ゴールドマン・サックス(GS)が示した0.6%増の16億700万ドルを上回った。
投資銀行部門は、前年同期比33.7%増の15億5100万ドルだった。こちらも、GSが計上した40%増の14億6000万ドルを超え米国では首位に立った。4−6月期からは、5.4%減少している。助言業務は42.5%増の3億9200万ドル。世界全体での新規株式公開(IPO)ランキングでもトップを獲得し、世界全体の合併・買収(M&A)ランキングでも2位となる。株式引き受け業務は96.6%増の4億6400万ドル、債券引き受け業務はほぼ横ばいの4億8400万ドルだった。
決算後、株価は大きく窓を開けて急伸し足元の下落を相殺。
資産運用部門の収入は前年同期比8.7%増の37億8500万ドルで、4−6月期からも1.9%増加した。税引き前の利益率は22%と、同行の2015年末までの目標レンジ22−25%の下限にとどまった。運用資産は2.0兆ドルで、GSの1兆1500億ドルを超えている。
株主資本利益率(ROE)は1−9月で8%と、ジェームズ・ゴーマン最高経営責任者(CEO)が目標として掲げる10%以下にとどまる。非金利費用は1.1%増の66億6000万ドルで、特に賃金が6.3%増と収入の伸びに従い全体を押し上げた。大手米金融機関で、最も高いボーナスが支払われる公算となる。従業員数は、前期比横ばいの5万5977人。経費率は77%となり、年末までの目標値79%を下回った。中核的自己資本(コアTier1)比率は14.3%と、前年同期の16.1%から低下した。
ゴーマンCEOは、決算資料で「顧客のためサービスを尽くし続けた結果、あらためて力強いパフォーマンスをみせた」との見解を表明。また「特に米経済が強まり続けるなか、株主還元策を提供する上で優位な立場にある」と強調した。
——以上、全般的に好調な内容で株価が3%超えて上昇。トレーディング収入では株式もしっかり前年比で2桁増を示しただけでなく、助言業務も好調で投資銀行部門のパフォーマンスが光ります。ゴーマンCEOが7月に「大手銀行は、さらに大きくなる」と宣言したはずですね。
(カバー写真:Picpicx)
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