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米11月個人消費、ホリデー商戦開幕に合わせ3ヵ月ぶり高水準

by • December 23, 2014 • Finance, Latest NewsComments Off2053

Consumer Spending Scores 3-Month High, Holiday Cheer Lifts Sentiments.

米11月個人消費支出は前月比0.6%増となり、市場予想の0.5%増を超えた。ホリデー商戦の幕開けを飾るなか、前月の0.3%増(0.2%増から上方修正)を上回り8月の水準に並ぶ。消費の内訳は、以下の通り。

・耐久財 1.64%増>前月の0.33%増と合わせ2ヵ月連続で増加
・非耐久財 0.03%増>前月の0.25%減を上回り4ヵ月ぶりに増加
・サービス 0.56%増>前月の0.42%増を含み増加基調を維持

耐久財は米11月新車販売台数が2003年以来の高水準へ加速したほか、非耐久財はガソリン価格の下落を燃料や医薬品関連の需要が相殺したとみられる。サービスは感謝祭に全米を覆った北極気団の影響で、暖房需要が強まり増加につながった。

米11月個人所得は前月比0.4%増となり、市場予想と一致した。11ヵ月連続での増加となる。可処分所得は0.3%増と、前月と変わらず。貯蓄率は所得の増加に合わせ4.4%と、11ヵ月ぶりの低水準だった。

所得の内訳は、以下の通り。

・賃金・所得 0.5%増>前月の0.3%増を上回り6ヵ月連続で増加
(民間が0.6%増と前月の0.4%増を超え、財生産業が0.6%増と前月並みに加速。サービスは0.6%増と前月の0.4%増を超え、政府は3ヵ月連続で0.1%増)
・不動産収入 0.5%増<前月の1.4%増を下回りつつ2ヵ月連続で増加
(農場が5.8%増と2ヵ月連続で増加し、非農場も0.3%増と3ヵ月連続プラス)
・家賃収入 0.1%増=前月の0.1%増を合わせ21ヵ月連続で増加
・資産収入 0.3%増>前月の0.2%増を含め2ヵ月連続で増加
(配当は0.9%増と10ヵ月連続で増加したものの、金利収入は低金利を受け0.2%減と5ヵ月連続で減少)
・社会福祉 0.3%増>前月の±0%から増加に反転
(メディケイド=低所得者層向け医療保険は0.5%減と2ヵ月連続で減少、メディケア=高所得者向け医療保険は0.2%減とそれぞれ2ヵ月連続で減少)
・社会補助 0.3%増>前月は0.2%増と少なくとも12ヵ月連続で増加

米11月個人消費支出(PCE)デフレーターは前月比0.2%の低下となり、市場予想と一致した。前月の±0%を下回り、リーマン・ショックの衝撃が冷めやらぬ2008年12月以来で最低を示現している。前年比は10月まで3ヵ月連続で1.4%だったものの、今回は市場予想通り1.2%にとどまった。コアPCEデフレーターは市場予想の0.1%および10月の0.2%に反し、前月比±0%。前年比も市場予想の1.5%および10月の1.6%を下回り、1.4%へ減速した。PCEデフレーターとコアPCEともに、米連邦公開市場委員会(FOMC)の目標値「2%」からかい離した水準を維持。目標値割れは、そろって2012年5月以来となる。

バークレイズのマイケル・ギャピン米エコノミストは、「インフレ調整後の実質個人消費の伸びは前月比0.7%増、3ヵ月前期年率で4.1%増と2013年同期の3.2%増を超えた」と指摘。エネルギー価格が前月比5.4%低下した恩恵が「明らかに消費を促進させた」と説明する。その上で10−12月期個人消費をめぐり「当方の予想3.0%増を上回る可能性が出てきた」と付け加えた。

——個人消費は11月にサンクスギビング・デーやブラック・フライデーのセール前倒しもあって大幅増を遂げました。所得も着実なの増加を示しており、ガソリン価格が約5年ぶりの水準まで下落するなかで12月も支出が成長をけん引する期待が高まります。

期待を煽るように、米12月ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値も93.6と速報値の93.8を下回りつつ2007年1月以来の水準へ上昇していました。見通し指数が86.4と前月の79.9から急伸しただけでなく、現況指数も104.8と前月を3ポイント上回り、消費者センチメントは2014年をバラ色トーンで締めくくっていたのです。

その陰で、貯蓄率には低下の兆しが現れています。ホリデー商戦明けには臨時雇用はく落効果も意識され、冬場に再び財布の紐が固くなるリスクは見捨てておけません。

(カバー写真:Rialto cafe)

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