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米1月NAHB住宅市場指数は予想以下、原油安の余波か南部が軟調

by • January 20, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2281

NAHB Sentiment Edges Down, The South Dropped To The Lowest In 5 Months.

米1月NAHB住宅市場指数は57となり、市場予想および前月値の58(57から上方修正)以下にとどまった。3ヵ月ぶりの低水準。2005年11月以来の高水準だった2014年9月の59から、減速を続けている。

内訳をみると、一戸建て現況指数が62と3ヵ月連続で変わらず。2014年9月の63を小幅ながら下回った水準を保った。一戸建て見通し指数は60と、前月の64を下回り7ヵ月ぶりの水準に低下している。見込み客指数も44と、3ヵ月ぶりの水準へ後退した。

4大地域別での住宅市場指数は、前月に続き1地域のみ上昇。今回は中西部のみ60となり、4ヵ月ぶりに大台に乗せている。一方で前月に上向いた西部は65と、前月の上昇分をほぼ打ち消した。他に住宅市場の規模が最も大きい南部は55と2ヵ月連続で低下し、5ヵ月ぶりの低水準。北東部も43と2ヵ月連続で低下し、3ヵ月ぶりの水準に落ち込んだ。

発表元である全米ホームビルダー協会(NAHB)のケビン・ケリー会長は、結果に対し「7ヵ月連続で分岐点の50を上回っており、センチメントは全米での緩やかな改善を反映している」と楽観スタンスを崩していない。デビッド・クロウ主席エコノミストも「1月の結果は、我々の予想と整合的」と指摘。「安定的な成長、消費者信頼感の上昇、労働市場の強まりなどが住宅市場を2015年も支援するだろう」と引き続き前向きな見解に終始した。

——以上のように発表元のNAHBは、見通しをはじめとした今回の低下には頓着していません。ただし、こちらで指摘させて頂いたように南部の足元の減速をみると、原油安の余波が及んだ可能性は否定できず。最近では、油田サービスのシュルンベルジェが9000人もの人員計画を発表していましたよね。1月10日週の米新規失業保険申請件数が約4ヵ月ぶりに30万件台へ増加した背景にホリデー商戦明けのレイオフが考えられる一方で、前週には原油安の打撃が著しいテキサス州で増加(5422人)した事実もあります。住宅建設大手KBホームレナーの見通しにも楽観度後退の兆しをみせており、金利低下局面でも市場の不透明感は払拭しきれません。

(カバー写真:ARBRE ÉVOLUTION/Flickr)

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