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引け後の決算:アメックスとeベイ、大幅リストラを断行へ

by • January 21, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off5617

After Hours : A Common Thing In Amex And eBay? Cutting Workforce.

本日の引け後は、アメリカン・エクスプレスとeベイが決算を発表しています。時間外取引で株価はまちまち。アメックスは一時2%を超える落ち込みをみせ、eベイは逆に一時2.5%上昇していました。株価の反応こそバラバラなものの、共通点がひとつあります。それは、大規模リストラ。米百貨店大手メイシーズや油田サービスのシュルンベルジェなどに続き、数千人単位で断行する計画です。

▽アメリカン・エクスプレス

取引終了後に発表した10−12月(第4四半期)決算で、純利益は前年同期比10.6%増の14億4700万ドルだった。普通株主に帰属する1株当たり利益は1.39ドルとなり、市場予想の1.38ドルを小幅に超えている。収入は6.6%増の91 億700万ドルと、市場予想の85億3000万ドルを大きく上回った。コンカー・テクノローズの売却額が7億1900万ドルに及び、収入を押し上げたという。

カード会員数の支出額も6%増、為替変動ベースを除いた場合では8%増に達し、収入に寄与。カード決済高は、2014年通期で史上初の1兆ドル台に達した。

ただし10−12月期で、カード・サービス部門は振るわず。米国カード・サービス部門の純利益は、前年同期比23%減の6億6500万ドルだった。収入はカード利用者の支出額増加と金利収入の上昇を背景に、5%増の46億ドル。ただ引当金が25%増の3億9900万ドルとなり、減益につながった。費用も13%増の31億ドルと、利益を圧迫した。

海外カード・サービス部門の純利益は、前年同期比68%減の3300万ドルだった。収入も5%減(為替変動を除くベースで3%減)の14億ドル。ドル高の打撃に加え引当金も14%増の9500万ドル、費用も4%増の13億ドルとなり業績に響いた。

決算発表とは別に、ブルームバーグはクレジット・カード大手が年内に大規模な人員削減計画に踏み切ると報道。CNBCが広報担当に問い合わせたところ、その数は「4000人超」だという。米国や海外でのカード・サービス部門がさえず、リストラの報道もあって時間外取引で株価は一時2%以上も下落した。

▽eベイ

取引終了後に発表した10−12月(第4四半期)決算で、純利益は前年同期比10.1%増の9億3600万ドルだった。一時項目を除く1株当たり利益は90セントとなり、市場予想の89セントを上回る。売上高は8.6%増の49億2000万ドルと、市場予想の49億3000万ドルに届いていない。1−3月期は売上高を43億5000万—44億5000万ドル、2015年通期は186億—191億ドルを見込む。市場予想の47億ドル、199億7000万ドルをそれぞれ下回った。1−3月期の調整済み1株当たり利益は68−71セント、2015年通年は3.05−3.15ドルとなる見通し。市場予想の76セント、3.26ドルにそろって届かなかった。

映画”40歳の童貞男”のヒロイン、職業がeベイのパクリで笑いを誘いました。
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(出所:The Digital Muse)

決算とは別に、同社の最大株主で物言う投資家カール・アイカーン氏の要求をのみアイカーン・キャピタルの取締役、ジョナサン・クリストドロ氏の受け入れを発表した。ペイパルを独立した公開企業とする事情から、アイカーン氏とコーポレート・ガバナンス条項の変更でも合意。ポイズンピル条項の制限などが含まれるなど、株主の影響力を強める内容になるという。eベイは2014年9月、アイカーン氏の要請通りに決済部門のペイパルをスピンオフ(分離・独立)させる計画を明らかにしていた。

その他、全従業員の7%に相当する2400人の人員削減計画も盛り込んだ。テクノロジー部門のeベイ・エンタープライズをめぐり、売却をはじめとした選択肢を検討していくとも発表。一連の発表に反応し、株価は時間外で一時2.5%上昇した。

——またまた決算とともに、リストラのニュースが飛び出しました。本日は両社以外にBHPビリトンが原油先物が2014年6月から50%以上も下落するなかで、シェールガス採掘を削減させる計画を明らかにしています。米国でのリグ数を6月末までに現在の26基から 16基、35.5%減少させる方針だといいます。これに合わせ、人員削減計画が出てくるか戦々恐々としてしまいますね。

仏石油大手トタルのパ トリック・プヤンヌ最高経営責 任者(CEO)も、原油安を背景に北海の油田・ガス田のほか米国のシェール関連生産への投資を削減すると発言していました。せめてもの救いは、原油先物70ドルで採 算が取れていたシェール分野が効率化の推進で採算ラインを50ドル付近に下げられると言及したこと。逆境を跳ね返す余力を確保するため、原油関連企業は今後も再編を進めていきそうです。

(カバー写真:Images Money/Flickr)

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