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フェイスブック、好決算でも「いいね!」ならず株価下落のワケ

by • January 28, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off3813

Why Didn’t Investors Like Facebook’s Strong Q4 Earnings?

フェイスブックは28日引け後、10−12月(第4四半期)決算を発表しています。

増収・増益、アクティブユーザー数の増加を確認したにも関わらず、7−9月期と同じく時間外取引では一時3%近くも下落しました。

純利益は前年同期比34%増の7億100万ドル。調整済み1株当たり利益は0.54ドルと市場予想の0.49ドルを上回っています。売上高も48.6%増の385億1000万ドルと、市場予想の377億ドルを超えました。以下は詳細で、%は全て前年比です。

・広告収入:53%増の35億9000万ドル、7−9月期は64%増の29億6000万ドル
・携帯広告収入:69%の24億8000万ドル、7−9月期の66%および4−6月期の62%から上昇
・月ベースのアクティブ利用者数:13%増の13億9300万人、7−9月期は14%増の13億5000万人
・月ベースの携帯アクティブ利用者数:26%増の11億9000万人、7−9月期は29%増の11億2000万人
・1日当たりのアクティブ利用者数:18%増の平均8億9000万人、7−9月期は19%増の平均8億6400万人
・1日当たりの携帯アクティブ利用者数:34%増の7億4500万人、7−9月期は39%増の7億300万人
・利用者1人当たりの収入:2.81ドル、7−9月期は2.40ドル、前年同期は1.94ドル
・利用者1人当たりの収入、北米:9.00ドル、7−9月期の7.39ドル、前年同期は5.34ドル
・非GAAPベースの営業利益率:58%、7−9月期は57%で前年同期は58%
・決済その他の収入:7%増の2億5700万ドル、7−9月期は13%増の2億4600万ドル

こうしてみると、広告収入の伸びをはじめ7−9月期からの鈍化が著しいことが分かります。おかげで売上高の伸び率は48.6%増とはいえ、2013年1−3月期以来で最低にとどまりました。

右肩上がりの利用者数、アジア太平洋、その他がけん引。

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国別の広告収入は、米国依存が目立つ現状。

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コスト増加も、懸念材料。10−12月期の費用・経費はGAAPベースで87%増の 27億2000万ドルに及びました。7−9月期の41%増の18億1000万ドルからも大幅増となっており、買収が主因です。2015年早々に音声認識テクノロジー会社Wit.aiを、2014年9月にメッセージ・アプリのワッツアップを19億ドルで、204年3月に仮想現実を体験できるヘッドセットを製造するOkulusを20億ドルで買収してきました。買収に沿って従業員数が増加すれば、費用が負担になるのは当然の成り行きです。2014年末での従業員数は9200人で、前年比45%も増加していました。

カンファレンス・コールでデビッド・ウェイナー最高財務責任者(CFO)は、7−9月に続き買収や人材確保を通じ「2015年の費用・経費はGAAPベースで前年比55—70%増、非GAAPベースで50−55%増加する」と警告していました。少なくとも10−12月期は2015年のレンジを大きく上回り、予想以上に費用が膨らむリスクをはらみます。データセンターを含め設備投資も、27億—32億ドルを見込んでいましたし、支出はどんどん増えていくこと間違いなしです。

今期決算で話題のドル高について、ウェイナーCFOはご多分に漏れず2015年に「逆風が強まる」と警鐘を鳴らしました。さらに「売上を約5%押し下げる」とも注意を促しています。米国での伸び余地が限られる以上、アジア太平洋をはじめエマージング国への利用者獲得を目指す必要性もあって、天下のフェイスブックもドル高の魔の手から逃れられそうにありません。

(文中写真:Facebook、カバー写真 : Charis Tsevis/Flickr)

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