NFIB Small Business Optimism Slips From 8-Year High In January.
米1月NFIB中小企業楽観度指数は97.9となり、市場予想の101を下回った。2006年10月以来の高水準であり、リセッション前の平均値100を回復した前月の100.4から鈍化。3ヵ月ぶり低水準となる。なお同指数は、米連邦準備制度理事会(FRB)が公表する労働市場情勢指数(LMCI)に含まれる。
発表元である全米独立企業盟(NFIB)のウィリアム・ダンケルベルグ主席エコノミストは、結果を受け「2014年11−12月は中間選挙後の効果もあって力強い伸びを示したものの、中小企業のオーナーはビジネス環境への楽観度が後退し支出や雇用に慎重になっている」と指摘。その上で「インフレ・リスク、借入、費用負担への懸念は後回しになっている半面、規制や税制が憂慮されている」との見解を寄せた。
楽観度指数、リセッション前の平均値を回復した後に上昇一服。
(出所:NFIB)
内訳をみると、12項目中プラス圏にのせた項目は9項目。2014年11−12月の10項目からひとつ減った。今回は、「経済がより良くなる」が12%からゼロへ急低下した。そのほか「雇用を増加させる」、「賃上げ見通し」「売上の拡大を予想」、「設備投資を拡大する」、「事業拡大に良いタイミング」などがそろって伸びを鈍化するなど楽観度が後退した。以下は、項目ごとの変化。
「設備投資を拡大する」26%→前月の29%から低下、6ヵ月平均は26%
「求人件数」26%→ 前月の25%から上昇、6ヵ月平均は24%
「売上の拡大を予想」16%→ 前月の20%から低下、6ヵ月平均は12%
「賃上げ見通し」12%→前月の17%から低下、6ヵ月平均は15%
「事業拡大に良いタイミング」13%→ 前月の16%から低下、6ヵ月平均は12%
「雇用を増加させる」14%→ 前月の15%から低下、6ヵ月平均は12%
「販売価格の上昇」3%→前月まで2ヵ月連続で4%、6ヵ月平均は5%
「在庫を増加させる」2%→ 前月の5%から低下、6ヵ月平均は3%
「経済がより良くなる」0%→ 前月の12%から低下、6ヵ月平均は3%
「在庫満足度」−1%→ 前月まで3ヵ月連続で−3%、6ヵ月平均は−2%
「信用状況が緩和する」‐5%→ 前月と変わらず、6ヵ月平均は-6%
「黒字トレンドにある」‐19%→ 前月の‐15%から改善、6ヵ月平均は−18%
——米1月雇用統計が予想外に堅調だった半面、雇用や賃金は2014年12月から鈍化していました。エネルギー関連企業のほか大手企業の業績が原油安・ドル高で圧迫され、かつ西海岸の港湾労働者ストライキをめぐるサプライチェーンの混乱もあって不透明性が増してきており、以前ほど楽観的でいられなくなったのでしょう。リセッション前までの水準を戻した後、ここからが正念場と言えそうです。
(カバー写真:Department for Business, Innovation and Skills)
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