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米2月NAHB住宅市場指数は低下、積雪で需要冷え込む

by • February 17, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off3020

February Builder Confidence Dips Due To Harsh Weather Conditions.

米2月NAHB住宅市場指数は55となり、市場予想の58および前月値の57以下にとどまった。4ヵ月ぶりの低水準。2005年11月以来の高水準だった2014年9月の59から、減速を続けている。

内訳をみると、一戸建て現況指数が61と4ヵ月ぶりの水準へ落ち込んだ。ピークをつけた2014年9月の63から減速している。一戸建て見通し指数は前月に続き60となり、8ヵ月ぶりの水準。見込み客指数にいたっては39と、前月から5ポイントも下げ足元で最低となった。

4大地域別での住宅市場指数は、3ヵ月連続で1地域のみ上昇。今回は北東部の48と、3ヵ月ぶり高水準だった。一方で中西部は前月から10ポイントも急低下し49となり、足元で最低となっている。南部は56で変わらず、6ヵ月ぶりの低水準を維持した。西部は64と、3ヵ月ぶり低水準だった。

発表元である全米ホームビルダー協会(NAHB)のトム・ウッズ会長は、結果に対し「全体的にセンチメントは底堅く、今回の低下は記録的な積雪が原因」と説明した。デビッド・クロウ主席エコノミストも「過去8ヵ月間の信頼感は50台の半ばから後半で推移しており、緩やかな住宅市場の回復と整合的」と指摘。その上で「安定的な雇用の伸び、手頃な住宅価格、歴史的な低水準にある住宅ローン金利がペントアップ・ディマンドを押し上げ、住宅市場を支えていくだろう」と引き続き前向きな見解を示した。

——以上のように発表元のNAHBは、センチメント低下を天候要因と片付け見通しをはじめとした今回の低下には前回に続き頓着していません。テキサス州をはじめエネルギー関連でのリストラが懸念されるなか、南部も低下を免れています。

そうはいいながら、住宅市場は1月末から突如襲ってきた大寒波のおかげで冷え込むこと必至。2月14日のバレンタイン・デー明けには米国の飛行機が2600便近くも欠航となり、ニューヨーク市では過去最低の華氏5度(摂氏マイナス15度)を観測するに至りました。ワシントンD.C.でも華氏6度まで低下し、おかげで17日に米連邦政府は閉鎖を余儀なくされています。マサチューセッツ州ボストンでは積雪と氷塊でストリートを覆う状況にも関わらず、さらに16インチ(約40.6cm)降り積もりました。

ブライアント・パークの噴水、氷のアートに変身。
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(出所:Twitter/CNN)

ワシントンD.C.、見るだけなら幻想的な風景。
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(出所:James Jos/WJLA)

北東部だけでは、ありません。南部のアーカンソー州の一部では学校が閉鎖され、テネシー州やケンタッキー州でも雪による被害が相次いでおります。

製造業景況指数の第1弾まで、弱い数字をマーケットに運んでおります。

米2月NY連銀製造業景況指数は7.78となり、市場予想の9.50を下回りました。前月の9.95にも届かなかったものの、2014年12月に示現した分岐点割れ(マイナス1.23)は免れています。内訳をみると、新規受注が1.22となり、前月の6.09から低下。雇用も10.11と、前月の13.68から鈍化しています。仕入れ価格にいたっては3.37と、3ヵ月連続で分岐点を維持するなかで最低でした。半面、出荷は14.12と5ヵ月ぶりの高水準。在庫や受注残、入荷時間のマイナス幅も縮めました。

6ヵ月先見通し指数は25.58と、前月の48.35を下回り足元で最低を示現。仕入れ価格をはじめ新規受注、出荷がそろって10ポイント以上も急落しています。雇用も前月から約7ポイント落ち込んだほか、平均労働時間も大幅に低下しました。

JPモルガンのダニエル・シルバー米エコノミストは、結果を受け「足元でNY連銀製造業景況指数は振れが大きい」と指摘。ただ「足元の低下は、ドル高が製造業の打撃になったシグナルを点灯させている」とまとめています。

1−3月期は製造業、住宅市場そろってドル高と悪天候に見舞われ、成長の足を引っ張ることとなりそうです。その分、消費と同じく春に期待が膨らみますね。

(カバー写真:Perry Carsley/WJLA)

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