Millionaires In The U.S. Surpasses 10 Million Mark In 2014.
ナスダックが2000年の最高値を達成してから15周年を迎えた10日に米株は総崩れを迎えましたが、着実にアメリカ人の富裕層は増加中です。
スペクトレム・グループが発表した”2014年版：富裕層マーケット・インサイト”によると、住居を除く純資産が100万ドル以上のミリオネア世帯数は、1010万世帯にのぼりました。2013年の963万世帯から、約50万世帯（4.9％）の増加を遂げています。2007年の920万世帯も軽く超え、1997年にスペクトレム・グループが統計を開始してから最高を達成しました。米国勢局の数字によると2013年時点でアメリカの世帯数は1億1560万世帯ですから、実に8.7％がミリオネアに相当します。投資資産が100万ドル（約1億2000万円）というミリオネアの数はもちろん、純資産が10億ドル（約1200億円）以上のビリオネアの数で世界一を突っ走るだけに、順当な結果というところでしょうか。
全米でのミリオネア世帯（黄緑）など、リセッション前の記録を超え過去最高に。
（出所：Spectrem Group）
10万〜100万ドルの純資産を保有する世帯も2950万に達し、2013年から53万世帯（約1.8％）増でした。前年比の伸びはイマイチでしたが、リセッションの最中に記録した2520万世帯から430万世帯（約17％）も増加するにいたります。
100万〜500万ドルの純資産を保有する世帯は879万世帯を数え、2013年から40万世帯（約4.8％）増と遂げています。2年連続で過去最高を更新してきました。
大富豪に属する500万〜2500万ドルの純資産を保有する世帯は116万8000世帯となり、2013年から6万世帯（約5.4％）増加。2500万ドル以上も14万2000世帯におよび、2013年から1万世帯（約7.6％）増を記録し前年比で最も強い伸びを謳歌していました。
スペクトレム・グループのジョージ・H・ウォルパー・ジュニア会長は、結果に対し「アメリカで富裕層の数は2008〜09年から増加を続け、過去最高を記録した」とご満悦です。特に100万以上の純資産を有する投資家は、「統計開始以来で初めて1000万の分岐点を突破した」と評価。スーパーリッチなアメリカ人が増えた理由として、「新高値を遂げて来た米株相場のほか、リセッションの打撃から完全に立ち直った不動産投資」を挙げていました。
資産増加のけん引してきた車輪のひとつは、米株相場に違いありません。では、今年はどうなるのか。思い起こせば”2015年米株・金融市場見通し”にて、投資資産だけで100万ドルを有する富裕層は成長にも米株相場にも至極楽観的でした。ところが足元、Fedによる第1弾の利上げを視野に、マーケットのボラティリティは急上昇中。2015年のミリオネア世帯数は、右肩上がりから変化を示すリスクが点灯しています。
（カバー写真：Thinkstock）
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