February Retail Sales Fall For Third Straight Month, Due To Bad Weather.
米2月小売売上高は前月比0.6%減となり、市場予想0.3%増のところサプライズの減少を示した。記録的な寒波と積雪により、消費は冷え込みをみせている。ガソリン価格の下落で購買力が高まるとの期待をよそに、2014年で2番目に大きな落ち込みをみせた同年12月の0.9%、1月の0.8%減と合わせ、3ヵ月連続で減少した。
内訳をみると、13カテゴリー中4項目で増加。前月の7項目から減少した。自動車を除いた場合も0.1%減となり、市場予想の0.5%増より格段に弱い。前月の1.1%減(0.9%減から下方修正)を含め、3ヵ月連続でマイナスに沈んだ。
(主なプラス項目)
・スポーツ衣料→2.3%増、前月の3.5%減から転じ4ヵ月ぶりに増加
・オンラインを含む非店舗→2.2%増、前月の0.3%増を含め過去6ヵ月間で4回目の増加
・ガソリンスタンド→1.5%増、前月の9.8%減から転じ8ヵ月ぶりに増加
・食品・飲料→0.3%増、6ヵ月ぶりに減少した前月の0.2%減から増加に反転
・服飾→±0%、前月の0.6%減から改善し減少を2ヵ月でストップ
(主なマイナス項目)
・自動車→2.5%減、前月の0.5%増から転じ過去6ヵ月間で3回目の減少
・建築材→2.3%減、前月の0.7%増から転じ過去6ヵ月で3回目の減少
・電気製品→1.2%減、前月の0.3%増から転じ過去6ヵ月で4回目の減少
・一般小売→1.2%減、前月の0.1%増から転じ過去6ヵ月で4回目の減少(*百貨店は1.4%減、過去6ヵ月で5回目の減少)
・雑貨類→1.2%減、前月の1.0%増から転じ3ヵ月ぶりに減少、過去6ヵ月間で3回目の減少
・健康→0.7%減、前月の0.3%減を含め、過去6ヵ月間で2回目の減少
・外食→0.6%減、前月の0.2%減を含め、過去6ヵ月間で2回目の減少
・家具→0.1%減、前月の0.2%減を含め、過去6ヵ月で3回目の減少
小売売上高、2月は自動車と一般小売が足を引っ張りました。
バークレイズのジェシー・ヒューウィッツ米エコノミストは、2月に増加した項目のうちオンラインを含む非店舗の売上高が顕著だった点に注目し「大寒波と積雪で全体が押し下げられたのだろう」と分析。2月のコア小売売上高(ガソリン、建築材、自動車を除く)が0.03%増と予想値0.5%増を大幅に下回り、1月分も速報値0.1%増から0.1%減に下方修正されたことから、米1−3月期国内総生産(GDP)予想を「従来の1.8%増から1.5%増」に下方修正した。ただ2014年12月分のコア小売売上高は0.3%減から0.2%減へ上方修正されたため、米10−12月期GDP確報値の予想を「従来の2.3%増から2.4%増」へ引き上げた。
50%オフの文字が踊るも、人影はまばら。
(出所:My Big Apple NY)
そのほか、ゴールドマン・サックスは米1−3月期GDP予想を2.5%から2.2%に下方修正した。
——米2月小売売上高が米国の成績表でいう「D+」にとどまった理由は、ズバリ悪天候に他ならないでしょう。増加項目でオンラインが大幅増加しただけでなく、米2月新車販売台数でメーカ—別動向が軒並み予想以下だったように自動車は不振に終わり、一般小売も落ち込み、建築材も下振れし、外食も2ヵ月連続で減少しています。春の到来とともに3月は改善を期待したいところですが、原油安一服を背景にガソリン価格が持ち直しており、消費にブレーキを掛ける懸念も残ります。また先日発表された2014年10−12月期サービス動向調査が改定値で上方修正されたほか、12月のコア小売売上高の上方修正もあり、ガソリン価格下落の恩恵が出尽くした感も否めません。
(カバー写真:Pidedot)
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