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米新規失業保険申請件数は15年ぶり低水準を維持、生産者物価指数は下振れ

by • May 14, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off1480

Jobless claims Remain At 15-Year Low, Producer Price Index Falls Again.

米新規失業保険申請件数は、5月9日週に26.4万件と市場予想の27.6万件を下回った。前週の26.5万件から減少し、2000年4月以来の低水準に近い水準を確保している。米労働省は今回、特殊要因を挙げていない。4週平均は27万1750件と、前週の27万9500件(修正値)から減少。2000年4月以来の低水準を記録している。2012年5月以来で最悪だった米4月チャレンジャー人員削減予定数とのかい離が、著しく広がった。

米新規失業保険申請件数、4週平均は15ぶり低水準を記録。

initial claims
(出所:DOL)

5月2日週までの継続受給者数は222.9万人となり、修正された前週分に続きリセッション後で最低を更新した。被保険者に占める失業者の割合は7週連続で、1.7%。景気回復サイクルで最低を保つ。州別での新規失業保険申請動向をみると、増加が目立つ州はニューヨーク州で810人増、オレゴン州で633人増、ニューハンプシャーで515人増、ペンシルベニア州で333人増、バージニア州で311人増だった。オレゴン州を除き、東海岸寄りの州が優勢となっている。減少が目立つ州は前週に増加が著しかったマサチューセッツ州で4191人減、ロードアイランド州で2281人減、ジョージア州で1801人減、カリフォルニア州で1753人減、コネチカット州で1114人減だった。

JPモルガンのダニエル・シルバー米エコノミストは、結果を受け「4週平均は2000年4月以来、継続受給者数も景気回復サイクルで最低を記録しており、レイオフで労働市場が悪化していないことを表す」との考えを示した。

米3月生産者物価指数(PPI)は前月比0.4%低下し、市場予想の0.2%の上昇に反しマイナスに落ち込んだ。前月の0.2%の上昇から転じ、過去6ヵ月間で5回目の低下を示す。コアPPIも市場予想の0.1%の上昇に対し、前月比0.2%の低下。こちらも、前月の0.2%の上昇からマイナス圏へ戻した。PPIは前年同月比では1.3%低下し、前月の0.8%の低下から下げ幅を拡大。コアPPIも0.8%の上昇にとどまり、前月の0.9%に届かなかった。

内訳をみると、モノが0.7%低下しておりエネルギーと食品が全体を押し下げた。エネルギーは2.9%低下し、前月の0.5%の上昇を相殺。食品は0.9%と5ヵ月連続で低下しており、発表元の労働統計局は「(ドル安に伴う)輸入物価の低下が波及した」と説明している。サービスも0.1%低下し、3ヵ月ぶりに反発した前月からマイナス圏へ戻した。サービスのうち3割を占める貿易・サービスが0.8%低下したほか、1割弱を占める輸送・倉庫も0.1%沈んだ。サービスのうち6割を占めるその他サービスは0.2%上昇したものの、変動の大きな貿易・サービス、輸送・倉庫の低下を補いきれなかった。

——米新規失業保険申請件数は約15年ぶり低水準をキープした半面、米4月生産者物価指数はインフレ・リスクを減退させる結果となりました。米金利は低下で反応しドル売りを促し、おかげさまで米株は大幅高。米4月雇用統計と同じく、ゴルディロックスを彷彿とさせる数字を歓迎したのでしょう。

(カバー写真:Jeremy Wilburn/Flickr)

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