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ターゲットは春風に乗って好決算、ステープルスとロウズは予想に届かず

by • May 20, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2547

Earnings Roundup : Target, Staples, Lowe’s American Eagle Outfitters.

小売決算は、まちまちが続きます。ターゲットは、再編計画で大幅増益を果たすほか売上も改善しました。ステープルスはアマゾンとその他との競争激化が仇となり、業績改善の糸口はつかめず。ロウズは増益・増収ながら市場予想には届かなかった上、2015年度は減収を見込みます。アメリカン・イーグル・アウトフィッターズは在庫に合わせた販売戦略、ロゴ縮小などが奏功し、好決算を迎えました。

▽ターゲット

ディスカウント百貨店が発表した2−4月(第1四半期)決算では、純利益が前年同期比51.6%増の6億3500万ドルだった。再編費用など特殊項目を除く1株当たり利益は1.10ドルとし、市場予想の1.03ドルより強い。売上高は2.8%増の171億1900万ドルで、市場予想の170億8000万ドルを上回った。ファッション・スタイルを重視した戦略で女性顧客のハートをつかみ、既存店売上高は2.3%増と市場予想と一致。オンライン売上高は37.8%増を遂げ、既存店売上高のうち0.8%ポイント寄与した。粗利益率は30.4%と、前年同期の29.5%を上回った。

同社は20億ドルの節減計画に着手しており、4月には1700人の人員削減に加え1400件の職を終了させる方針を打ち出した。1月に明らかにしたように、カナダでの店舗へ閉鎖を勧め4月は133店が対象に。同時に、4月から最低賃金を9ドルへ引き上げたという。

2015年度(2016年1月末終了)の1株当たり利益は4.50〜4.65ドルとし、従来の4.45〜4.65ドルから下限を上方修正。5−7月期の1株当たり利益は1.04〜1.14ドルを見込み、レンジ中央値は市場予想の1.12ドルに届かなかった。決算は改善を示しつつ見通しが足を引っ張り、株価は一時0.6%の上昇にとどまった。

▽ステープルス

オフィス関連小売が発表した2−4月(第1四半期)決算では、純利益が前年同期比38.5%減の5900万ドルだった。オフィス・デポの買収費用および再編費用など特殊項目を除く1株当たり利益は0.17ドルと、市場予想と一致。売上高は6.9%減の53億6200万ドルで、市場予想の55億ドルを下回った。

北米での売上高は10.0%減の23億7200万ドル。既存店売上高は為替変動を除くベースで5%減となり、12期連続で減少している。客足が2%減となったほか、平均支出額も3%減だった。オンライン売上高は為替変動を除くベースで3%増だったものの、既存店売上高の減少を打ち消すに至らず。海外での売上高は18.9%減の7億8200万ドル。欧州での既存店売上高は7%減と響いている。

同社は2月、競合のオフィス・デポを買収することで合意。買収額は63億ドルで、規制当局の承認待ちの状況だ。

5−7月期の買収関連費用を除く1株当たり利益は0.11〜0.13ドルを見込み、レンジ下限が市場予想に並ぶ程度。売上高は減少見通しを示し、アナリストの予想平均は2.6%減の51億ドルとなる。決算を嫌気し、株価は一時1.5%沈んだ。

業績改善、キャッチフレーズのごとく「That was easy!」とはいきません。
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(出所:coloribus)

▽ロウズ

リフォーム関連小売が発表した2−4月(第1四半期)決算では、純利益が前年同期比7.8%増の6億7300万ドルだった。希薄後の1株当たり利益は0.70ドルで、市場予想の0.74ドルより弱い。売上高は5.4%増の141億2900万ドルとなり、市場予想の142億8000万ドルを下回った。住宅市場の改善を確認しながらも、業界1位のホーム・デポに水を開けられた格好だ。既存店売上高が5.2%増と、市場予想の6.1%増に届かず。そのうち、米国は5.3%増だった。粗利益率は35.47%となり、前年同期の35.50%から若干低下。販売・一般管理費は2.8%増の34億1500万ドルだった。

2015年度(2016年1月末終了)の見通しは据え置き。売上高は4〜5%増、既存店売上高は4〜4.5%増を見込む。希薄後の1株当たり利益は3.29ドルとし、市場予想の3.32ドルに届かなかった。株価は一時3.8%下落した。

▽アメリカン・イーグル・アウトフィッターズ

カジュアル服飾ブランドが発表した2−4月(第1四半期)決算では、純利益が前年同期比6倍増の2910万ドルだった。希薄後の1株当たり利益は0.15ドルで、市場予想の0.12ドルより強い。粗利益率は37.5%となり、前年同期の34.9%から改善。ディスカウント幅を抑えたことが奏功したほかデザインにロゴを減らした結果、増益につながった。売上高は8.3%増の6億9950万ドルとなり、市場予想の6億9230万ドルを上回った。既存店売上高が7%増で、市場予想の5.4%増を超えている。前年同期の10%減からは、目覚ましい改善を遂げた。”アメリカン・イーグル”で7%増だったほか、下着などを扱うその他は12%増とそれぞれ寄与した。翌日に決算発表を予定する競合ギャップの2−4月期決算・速報値が期待外れだったことと、対照的だ。

2015年度(2016年1月末終了)の特殊項目を除く1株当たり利益は0.11〜0.14ドルを見込み、レンジ下限が市場予想に並んだ。株価は一時3.6%上昇した。

(カバー写真:You Search)

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