May Chicago PMI Backs Down, Michigan Consumer Confidence Dips From April.
米1−3月期国内総生産(GDP)改定値は予想より下げ幅を縮小したものの、製造業と消費者のセンチメントは予想外に躓いてしまいました。
米5月シカゴ購買部協会景気指数(PMI)は46.2となり、市場予想の53.1を下回った。前月の52.3にも届かず、4月の46.3へ揺り戻し。2009年7月以来の水準へ沈んだ2月の45.8を視野に入れた。主な項目の内訳は以下の通り。
新規受注 47.5<前月は55.1
製造業 45.8<前月は52.4
雇用 48.0、2013年4月以来の低水準<前月は54.0
仕入れ価格 51.2>前月は43.1
直近の弱含みは、2009年以来で初。
(出所:MNI Indicators)
発表元のMNIインディケーターズのフィリップ・ウグロウ主席エコノミストは、結果に対し「4月の回復は大寒波や西海岸の港湾労働者ストライキといった一時的要因からの正常化ではなく、4−6月も軟調な地合いを受け継いだことを示す」とまとめた。
BNPパリバのデレク・リンゼー米エコノミストは、「ISM換算では前月の53.6から48.8へ落ち込んだ」と試算。米5月マークイット製造業PMI速報値も下振れしており、「米5月ISM製造業景況指数にダウンサイド・リスクが浮上しつつある」と結んだ。
米5月ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値は90.7となり、市場予想の90.3を上回った。速報値の88.6からも上方修正。ただし、4月の95.9を下回り、7ヵ月ぶりの水準へ落ち込んだ。原油先物の買い戻しに伴うガソリン価格の上昇がセンチメントを腰折れさせたとみられる。ガソリン価格は1月26日週に2.066ドルと約5年ぶり低水準を記録してから、5月25日週には2.774ドルと34.3%も上昇していた。インフレ見通しは逆に、1年先を2.9%から2.8%へ下方修正。5−10年先は2.8%で据え置いた。
ミシガン大学のエコノミスト、リチャード・カーティン氏は結果を受け「センチメントの低下は年齢、所得問わず広い範囲に及んだ」と振り返った。もっとも「年初来の平均値は94.6で、2004年(95.2)以来の高水準」とも指摘。4月から減速したものの、依然として良好なペースを保っており「2015年の個人消費は3%」と予想した。
JPモルガンのダニエル・シルバー米エコノミストは、カーティン氏より慎重なスタンスで「ガソリン価格が影響したほか、所得見通しも鈍化していた」点に注目。その上で「消費見通しに、好ましくないサインが現れた」との考えを示した。
——米5月シカゴPMIは原油先物の買い戻しやドル高一服でも分岐点を再び割り込んでおり、製造業活動に疑問を投げかけています。さらに米5月ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値は高水準をキープしつつ、購入見通しも家電(確報値150<速報値は152)や自動車(確報値は138<速報値は141)も小幅ながら低下していました。米4−6月期国内総生産(GDP)をめぐって高まる楽観姿勢に、水を差した格好です。
(カバー写真:Sergey Gabdurakhmanov/Flickr)
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