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米4月個人消費は横ばい、Q2はスタートは力不足

by • June 1, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off1969

Personal Spending Flatlines In April, Slow Start For Q2.

米4月個人消費支出は前月比±0%となり、市場予想の0.2%増を下回った。前月の0.5%増(0.4%増から上方修正)以下にとどまり、増加を2ヵ月で止めている。消費の内訳は、以下の通り。

・耐久財 0.696%減、減少に反転<前月は1.868増
・非耐久財 0.455%減、3ヵ月ぶりに減少<前月は0.0.864%増
・サービス 0.229%増、増加基調を維持>前月は0.228%増

耐久財は新車販売台数が押し下げたほか、非耐久財もガソリン価格の上昇スピードが鈍化したため3ヵ月ぶりに減少した。サービスは春の到来を受け、服飾などが支えたとみられる。

米4月新車販売台数は、GMとフォード以外で減速目立つ。
jeep
(出所:Fiat Chrysler)

米4月個人所得は前月比0.4%増となり、市場予想の0.3%増を上回った。可処分所得も0.4%増となり前月の±0%を超え、2月の水準に並ぶ。貯蓄率は支出が横ばいだった一方で所得が増えたため5.6%を示し、2012年12月以来の高水準を遂げた2月の5.7%に接近した。

所得の内訳は、以下の通り。

・賃金・所得 0.2%増、10ヵ月連続で増加>前月は0.1%増
(民間が0.2%増と前月の0.1%増から加速、サービスが0.3%増と前月の0.1%増を上回った。一方で、財生産業は0.1%増と前月の0.2%増から鈍化。製造業は0.1%増と、前月の±0%から改善している。政府は0.2%増と、前月の0.1%増を超えた。)
・不動産収入 0.2%増、6ヵ月ぶりに増加>前月の±0%
(農場が7.1%増と4ヵ月ぶりに増加、非農場は±0%と前月の0.6%増から減速)
・家賃収入 0.6%増、26ヵ月連続で増加>前月は0.5%増
・資産収入 1.2%増>前月は1.4%減
(配当が1.2%増と増加に反転、金利収入は金利上昇を背景に1.2%増、10ヵ月ぶりに増加)
・社会福祉 0.3%増、2ヵ月連続で増加<前月は0.7%増
(メディケイド=低所得者層向け医療保険は1.1%増と前月の0.3%減から反転、メディケア=高所得者向け医療保険は0.5%減と、前月の1.3%増を下回り5ヵ月ぶりに減少)
・社会補助 0.2%増、5ヵ月連続で増加<前月は0.8%増

米4月個人消費支出(PCE)デフレーターは前月比±0%となり、市場予想の0.1%を下回った。前月の0.2%以下となり、上昇にブレーキを掛けている。前年比は0.1%の上昇となり、市場予想の0.2%に届かず。2009年10月以来の低水準を示現した。3月のコアPCEデフレーターは3ヵ月連続で前月比0.1%の上昇となり、市場予想の0.2%以下に。前年比は3月まで4ヵ月連続で1.3%を経て、今回は1.2%へ減速した。PCEデフレーターとコアPCEともに、米連邦公開市場委員会(FOMC)の目標値「2%」からかい離した水準を維持。目標値割れは、そろって2012年5月以来となる。

BNPパリバは、結果を受け「個人消費支出は可処分所得が増えたにも関わらず横ばいにとどまり、モノの量ベースでは0.4%減だった」と指摘。一因として「所得の増加は金利・配当といった資産収入に押し上げられており、賃金は0.2%増に過ぎない」と説明する。所得の増加に合わせ貯蓄率も上昇しており、「消費者は支出より貯蓄に回す傾向を確認した」かたちだ。ただ支出は「所得増加に支えられ、いずれ上向きに転じる」と予想した。インフレ動向に対しては「予想外に下振れしたものの、コアPCEの3ヵ月平均値は前月比で0.126%と、1月時点の0.035%から上昇している」といい、回復基調にあるとの考えを示した。

——米4月個人消費の伸びは、引き続き市場予想以下にとどまりました。米4月小売売上高と整合的な内容です。米4月雇用統計が表すように、賃金が引き続き伸び悩み支出を拡大できないのでしょう。ガソリン価格が4月に前月比でほぼ変わらずながら、2.4ドル台から下落しなかった点もセンチメントの重しとなった可能性は捨てきれない。5月に入り北風と太陽よろしく、ニューヨーク市で気温が摂氏30度近くまで上昇するなか、夏物衣料をはじめ支出を喚起できたのか注目です。

(カバー写真:My Big Apple NY)

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