May Retail Sales And April Business Inventories Bring Optimism For Q2 Growth.
米5月小売売上高は前月比1.2%増となり、市場予想の1.3%増をわずかに下回った。ただし前月の0.2%増(±0%から上方修正)を超え、3月の1.5%増(1.2%増から上方修正)に次ぐ高水準を遂げている。スポーツ多目的車(SUV)やトラックが支え米5月新車販売台数が約10年ぶりの水準へ加速したように、自動車がけん引。自動車を除いた場合も1.0%増と、市場予想の0.8%増および前月の0.1%増も超え3月の水準に並んだ。国内総生産(GDP)に反映されるコア小売売上高(自動車、燃料、建築材を除く)も、0.7%増と力強い。
内訳をみると、主要13カテゴリー中11項目で増加。前月の6項目(速報値ベース)を上回る。
(プラス項目)
・ガソリンスタンド→3.7%増、前月の0.6%減から転じ過去6ヵ月間で3回目の増加
・建築材→2.1%増、前月の0.4%減から転じ過去6ヵ月で3回目の増加
・自動車→2.0%増、前月の0.7%減から転じ過去6ヵ月間で4回目の増加
・服飾→1.5%増、前月の±0%に続き過去6ヵ月間で3回目の増加
・オンラインを含む非店舗→1.4%増、前月の0.8%増に続き過去6ヵ月間で4回目の増加
・一般小売→0.8%増、前月の0.7%減から転じ過去6ヵ月で3回目の増加(*百貨店は0.8%増、過去6ヵ月で2回目の増加)
・家具→0.8%増、前月の1.3%増に続き過去6ヵ月で4回目の増加
・スポーツ衣料/書籍→0.8%増、前月の0.9%増に続き過去6ヵ月間で4回目の増加
・食品・飲料→0.2%増、前月の0.2%減から転じ過去6ヵ月間で3回目の増加
・外食→0.1%増、前月の1.1%増を含め過去6ヵ月間で5回目の増加
・電気製品→0.1%増、前月の0.2%減から転じ少なくとも直近で久々に増加
・雑貨類→±0%、前月の1.7%増から転じ過去6ヵ月間で増加は4回目
(マイナス項目)
・健康→0.3%減、前月の0.8%減から転じ過去6ヵ月間で2回目の減少
小売売上高、約1年ぶり高水準だった3月に並ぶ大幅増加。
米5月小売売上高とは別に、米4月企業在庫は前月比0.4%増となり市場予想の0.2%増を上回った。前月の0.1%増に続き、3ヵ月連続で増加。2014年5月以来の高水準を示す。GDPに占める4−6月期在庫投資の寄与度が高まった。一方で、売上高は0.6%増となり前月に続き2014年7月以来の高い伸びを達成。2ヵ月連続で増加している。売上の伸びが在庫を上回ったため背景に在庫相当は前月に続き1.36ヵ月となり、2009年7月以来で最大を示した2月の1.37ヵ月から短縮した。
JPモルガンは、米1−3月期GDP確報値の予想を0.2%減とし改定値の0.7%減からの改善を見込む。米4−6月期GDPは2.0%増で維持した。ゴールドマン・サックスは、米4月小売売上高を経て米4−6月期GDP予想を2.8%増から3.0%増へ引き上げた。
——米5月小売売上高だけでなく米4月企業在庫も高い伸びを遂げ、あらためて米4−6月期成長率に楽観的な見方が流れつつあります。アトランタ連銀の試算は、今回取り越し苦労に終わる公算が大きくなってきました。国際通貨基金(IMF)が利上げ開始時期に注文をつけようと、9月利上げへ向け6月16〜17日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で布石が打たれることでしょう。
(カバー写真:My Big Apple NY)
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