May Pending Home Sales Hit 9-Year High Again.
米5月中古住宅販売成約件数指数は前月比0.9％上昇の112.6となり、市場予想の0.6％を上回った。前月の2.7％（3.4％から下方修正）を超え、5ヵ月連続で上昇。前月に続き、2006年5月以来の高水準を達成している。前年比では8.3％上昇しており4月の12.6％から鈍化しつつ、9ヵ月連続でプラスを示した。
年初から、上昇トレンドを継続。
（出所：CNBC）
4大地域別では、2地域で上昇。前月は全て上昇していた。今回は北東部が6.3％と2ヵ月連続で上昇したほか、西部は2.2％上昇し前月から反発。一方で中西部は0.7％、南部も1.0％とそれぞれ前月から低下に転じた。
発表元である全米リアルター協会（NAR）のローレンス・ユン主席エコノミストは、結果を受けて「1年以上も労働市場が堅調に伸び住宅市場を押し上げた」と振り返った。前年比では全ての地域で上昇するなど、「住宅市場全体で回復を確認していることは心強い」とも評価。ただし「住宅価格の上昇ペースは賃金の伸びを上回り、住宅の値ごろ感は失われつつある」とも注意を促し、在庫が増加しなければ住宅需要が低下するリスクを挙げた。
JPモルガンのダニエル・シルバー米エコノミストは、結果を受けて「中古住宅販売件数が力強い結果を示した5月に続き好調な水準を保つ可能性を示す」とまとめた。
なお中古住宅販売成約件数指数は、中古の一戸建ておよびコンドミニアムにおける契約が仮契約から最終契約にいたった件数を指数化したもので、中古住宅販売件数は引き渡しの件数を示す。従って、保留件数の約80％が1－2カ月後に中古住宅販売件数として組み込まれる。
——中古住宅販売成約件数指数は、新緑の季節に住宅需要の芽吹きをみせつけました。米5月住宅着工件数、米5月新築住宅販売件数、米5月中古住宅販売件数と合わせ、住宅市場は米4−6月国内総生産（GDP）に寄与する公算。問題はNARのユン氏が指摘するように在庫事情で、住宅価格の上昇が潜在購入者を遠ざける点には注意したいところです。
（カバー写真：TONY DEJAK/ASSOCIATED PRESS）
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