ISM Non-Manufacturing Index Picks Up Slightly, Markit PMI Stays 5-Month Low.
米6月ISM非製造業景況指数は56.0となり、市場予想と一致した。2014年4月以来の低水準だった前月の55.7から回復しつつ、4月の57.8には届かず。小幅な改善にとどまる。内訳をみるとビジネス活動をはじめ新規受注、仕入れ価格が前月を上回った半面、新規輸出受注や雇用などが下振れしていた。詳細は、以下の通り。
ビジネス活動 61.5>前月は59.5
新規受注 58.3>前月は57.9
在庫センチメント 65.0、直近で最高>前月は59.0
雇用 52.7、5ヵ月ぶり低水準<前月は55.3
新規輸出受注 52.0<前月は55.0
仕入れ価格 53.0<前月は55.9、直近で最高
BNPパリバのローラ・ロスナー米エコノミストは、結果を受け「18業種別では前月と変わらず、15業種が拡大を報告した」と指摘した。もっとも「縮小を示した3業種は前月に続き(原油安の打撃を受ける)鋼業に加え、その他サービスと建設が入った」ほか、「鳥インフルエンザの影響を農業・木材・漁業、芸術・娯楽、宿泊・食品サービスの3業種が挙げた」という。「雇用が下押ししたように全体的にまちまち」とのコメントも寄せており、見通しに不透明要因を残す。
米6月マークイット・サービス業PMI確報値は54.8となり、速報値と一致した。ただ市場予想の55.1だけでなく5月の確報値56.2に届かず、5ヵ月ぶりの水準に落ち込んだ。内訳をみると、雇用が2014年6月以来の高水準を達成した前月から低下し3ヵ月ぶり低水準。生産も鈍化した。ただし新規受注は上昇し、仕入れ価格は2013年10月以来の高水準だった。総合PMIは54.6と、こちらも速報値と変わらず。前月の56.0から低下し、5ヵ月ぶり水準へ減速した。
サービス業PMI、せっかくの回復をほぼ打ち消し。
発表元であるマークイットのクリス・ウィリアムソン主席エコノミストは、結果を受け「米成長率は約3%に達する見通しだが、製造業とサービス業は大寒波の反動で上昇した4月以降、6月にかけそろって鈍化した点を認識すべき」と振り返った。その上で「成長率は7−9月期に減速し、雇用の伸びも鈍る可能性がある」と指摘。Fedは年後半の利上げを準備するものの、賃金やインフレ動向が芳しくないなか「利上げ前に健全な成長モメンタムを維持できるか確証を見届ける姿勢を示すのではないか」とまとめた。
——大寒波や西海岸港湾労働者ストライキなどといった余波が剥落した4月に反し、5〜6月はさえません。特にISMとマークイット製造業PMIそろって、雇用が鈍化していました。米6月雇用統計・非農業部門就労者数は巡航速度を維持したものの、今後は緩む気配が漂います。
(カバー写真:My Big Apple NY)
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