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ペプシコQ2、米国部門が支え市場予想超え

by • July 9, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off1870

PepsiCo Q2 Results Top Street, Raises Profit Outlook.

飲料メーカー大手が発表した4−6月(第2四半期)決算では、純利益が前年同期比0.1%増の1億9800万ドルだった。特殊項目を除く1株当たり利益は1.32ドルで、市場予想の1.24ドルより強い。売上高は5.7%減の159億2300万ドルながら、市場予想の158億1000万ドルを上回った。ベネズエラの通貨ボリバル切り下げのほか対ドルでのユーロ安、ルーブル安、メキシコ・ペソ安が響いたため、10%ポイント押し下げられたという。為替変動を除く場合は値上げ効果もあって、5.1%増に転じる。粗利益率は55%となり、前年同期から1.15%ポイント上昇。コスト削減と生産性引き上げが奏功し、12期連続で上向いた。

売上の部門別動向は以下の通り。フリートレイ北米部門、ペプシコ米国部門が支えた。欧州とアジア太平洋は、ドル高局面を迎え減収。ただアジアは為替変動を除けば、数量ベースも合わせ拡大していた。

売上高の総計 6%減 為替変動を除くと5%増、数量ベース 菓子が1%増、飲料が±0%
>フリートレイ・北米
売上 2%増、為替変動を除く売上 3%増、数量ベース ±0%
>クエーカー・フーズ・北米
売上 3%減、為替変動を除く売上 1.5%減、数量ベース 1%減
>南米・食品
売上 6%減、為替変動を除く売上 23%増、数量ベース 3%増
>ペプシコ・米国
売上 1%増、為替変動を除く売上 3%増、数量ベース 1%増
>欧州
売上 24%減、為替変動を除く売上 0.5%増、数量ベース 菓子が±0%、飲料が6%減
>アジア・中東・アフリカ
売上 4%減、為替変動を除く売上 5%増、数量ベース 菓子が4%増、飲料が1%増

インドラ・ヌーイ最高経営責任者(CEO)は、決算資料にて「為替変動を除いた売上高は5%増を達成し1株当たり利益も2桁増を達成した」と振り返り、見通し上方修正につなげたとの考えを表明。ヒュー・ジョンソン最高財務責任者(CFO)は、賃金インフレに対応するため南米をはじめ中東、アフリカで製造過程の自動化を推進したと言及していた。こうした努力が、利益率の改善につながったとみられる。

2015年は為替変動など一時的な項目を除く1株当たり利益の伸び率を8%増とし、従来の7%増から引き上げた。ドル高による押し下げ効果を11%ポイントで維持しながら、上方修正させている。株価は寄り付き早々に1.8%上昇したものの下落に転じ、一時1.3%沈んだ。ギリシャ債務危機や中国株安、それに伴うドル高の影響を意識された可能性がある。

ペプシコ、高く寄り付いた後で下落に反転。
pep
(出所:Stockcharts)

▽ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス

ドラッグストア大手が発表した3−5月(第3四半期)決算では、純利益が前年同期比82.4%増の13億200万ドルだった。一時的項目を除く調整済み1株当たり利益は1.02ドルと、市場予想の0.87ドルより強い。売上高はアライアンス・ブーツの買収効果を背景に48.4%増の287億9500万ドルとなり、市場予想の297億ドルを下回った。米国のドラッグストア既存店売上高は6.3%増だった。

2015年度(2015年8月末終了)の1株当たり利益は3.70〜3.80ドルとし、従来の3.45〜3.65ドルから引き上げた。同社はコスト削減に努めており、2017年度末までに全米8000店舗のうち200店を閉鎖する計画。これまでに9店舗を店じまいさせ、今期に70〜80店舗を目指す。2017年度末までに、15億ドル相当を節減していく構えだ。一方で、米化粧品訪問販売のエイボンから英国スキンケア・ブランドのリズ・アールを2億1500万ドルで買収すると発表した。

同社はまた、買収前からアライアンス・ブーツを率いていたイタリア人のステファノ・ペッシーナ氏を最高経営責任者(CEO)に正式に任命した。同氏は73歳で、4月末時点でウォルグリーン・ブーツ・アライアンス株を1億4000株近く保有するなど個人として最大の株主。買収後は、暫定CEOを務めてきた。株価は、決算その他発表を受けて一時4.9%も急伸した。

(カバー写真:Mike Mozart/Flickr)

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