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ウェルズ・ファーゴQ2は減益、収入も予想以下

by • July 14, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off2580

Wells Fargo Q2 Profit Dips, Revenue Misses Estimates.

ウェルズ・ファーゴが発表した4−6月(第2四半期)決算では、純利益が前年同期比1.6%減の57億ドルだった。2期連続で減益を計上している。希薄後の1株当たり利益は1.03ドルと、アナリスト予想と一致。収入は3.2%増の212億8000万ドルと、市場予想の217億ドルを下回った。

純金利マージンは2.97%となり、1−3月期の2.95%から上昇。ただし、2014年10−12月期の3.04%および前年同期の3.15%を下回った。低金利の環境を背景に、低迷を続けている。純金利収入は4%増の112億2600万ドルとなり、1−3月期の109億8600万ドルを超えた。ただ手数料(非純金利)収入が2%減の100億4800万ドルとなり、1−3月期の102億9200万ドルからも減少。トレーディング業務が65%減の1億3300万ドルだったほか、住宅ローン業務も1%減の11億700万ドルと重しとなっている。非金利費用は2%増の124億6900万ドルとなり、給与や従業員向けインセンティブなどが押し上げた。

ローン残高平均は前年同期比5%増の8704億ドル(期末時点は7%増の8885億ドル)となり、1−3月期の8612億ドルも上回った。中核ローンは4−6月期末時点で9%増の8321億ドルとなり、1−3月期の8027億ドルを超えている。中核の貸出動向をみると企業部門は前期比5.5%増の4374億3000万ドル、消費者部門は1.7%増の3946億7000万ドルと、それぞれ増加。貸出基準の甘さが指摘されていた自動車部門は前年同期比7%増、前期比3%増の548億3100万ドルだった。自動車ローン組成額は5%増の81億ドルで、1−3月期の71億ドルからも拡大した。ウェルズ・ファーゴは3月にサブプライム層向け自動車ローンに上限を設定したと報じられたものの、引き続き自動車ローン向け融資は活発だった。

商業から住宅、自動車、クレジットカードとそろって融資を拡大。

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(出所:Wells Fargo

住宅ローン部門の利益(金利を除く)は、前年同期比1%減の17億500万ドル。ただし大寒波を受けた1−3月期の15億4700万ドルは増加した。住宅ローン組成額は32%増の620億ドルで、1−3月期の490億ドルからも27%拡大。新規が54%を占め、新規は46%となる。金利上昇を背景に、1−3月期(新規が45%、借換が55%)から逆転した。

預金残高平均は前年同期比9%増の1兆2000億ドルとなり、1−3月期からはほぼ横ばい。中核の預金残高平均は9%増の1兆792億ドルと、1−3月期の1兆632億ドルからも増加した。

部門別動向は、以下の通り。

・地銀部門
→純利益は前年同期比2%減の34億ドル、収入は前年同期比0.4%増の126億6100万ドル
・ホールセール銀行部門(大企業・機関投資家・政府向け)
→純利益は前年同期比3%増の20億ドル、収入は2.3%増の60億8300万ドル
・資産運用/仲介/引退部門
→純利益は前年同期比11%増の6億200万ドル、収入は5.3%増の37億3900万ドル

経費率は58.5%と、1−3月期の58.8%および2014年10−12月期の59.0%から低下。もっとも、前年同期の57.9%を上回った水準を保つ。引当金は9.4%減の6億5000万ドルながら、1−3月期の6億800万ドルから増加している。総資産利益率(ROA)は1.33%となり、1−3月期の1.38%および2014年10−12月期の1.36%から低下した。株主資本収益率(ROE)も12.71%と、1−3月期の13.17%および2014年10−12月期の12.84%以下にとどまる。中核的自己資本(コアTier1)比率は最新版にて10.5%となり、1−3月期の10.53%以下に。2014年10−12月期の10.44%は上回った。

ジョン・スタンプ最高経営責任者(CEO)は、決算資料にて「ファンダメンタルズをけん引役に長期的な成長へ向けた強さを反映させた」と振り返った。また「融資、貯蓄、資本、バランシートは好調を維持している」と評価。資本計画が当局に承認されたように4−6月期の配当を7%引き上げ1株当たり0.375ドルにする方針を繰り返した。

——ウェルズ・ファーゴは収入が予想以下だったほか、純金利マージンの低下を報告。費用負担も拡大し、減益につながっています。ただエネルギー関連企業のエクスポージャーが高いとされていた割に、JPモルガンのように石油・ガス関連の貸倒引当金積み上げを発表していません。金利上昇が見込まれるなか、それぞれの部門で貸出も着実に拡大させています。株価は好材料に反応、一時0.7%高をつけました。

(カバー写真:SCOTT EELLS, BLOOMBERG via Star Tribune

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