September Job Cuts Surge, Third Highest In The Year.
米9月チャレンジャー人員削減予定数は、前年同月比2.9%増の5万8877人と4ヵ月連続で増加した。8月の4万1186万人からは、43.0%増加。2011年9月以来の水準へ膨らんだ7月の10万5696人には届かなかったとはいえ、年初来で3番目の規模となる。単月でみたエネルギー産業の人員削減は全体の1.8%と、8月の5.0%や7月の8.6%からあらためて低下。6月(0.6%)や5月(2.5%)の水準へ回復している。なお4月は34%、3月は35%、2月は38%、1月は40%。チャレンジャー人員削減予定数は、7−9月期末で前期比40%増の18万1213人。年初来では35.8%増の49万3431人だった。
4大地域別では、前月と変わらず2地域で増加。今回はIT関連企業が集まる西部が最も著しく前月比4倍増の3万5484人と、前月から大幅増加に転じた。中西部は6.5%増の1万3100人と、2ヵ月連続で増加。一方で、エネルギー産業が集中する南部は14.2%減の6173人で3ヵ月ぶりに減少している。北東部も77.6%減の4120人だった。
発表元であるチャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスのジョン・チャレンジャー最高経営責任者(CEO)は、結果を受けて「すでに2014年の人員削減予定数を上回り、2009年以来で最大にのぼる」と指摘。これまでの削減はエネルギー関連に集中していたものの、足元は政府セクターのほかコンピューター産業で増加してきたという。
1−9月に人員削減が多かったセクター、ランキングは以下の通りで%は前年同期比を示す。今回、コンピューターがランクアップし、産業財が5位に後退した。
1位 エネルギー 608%増の7万2708人
2位 政府 284%増の6万8871人
3位 小売 87%増の5万9830人
4位 コンピューター 20%増の5万8874人
5位 産業財 128%減の2万6374人
9月人員削減予定件数のセクター別をみると、1位はコンピューターで3250人となりヒューレット・パッカードの分社化に伴う3万人のリストラが響いた。2位は自動車で3180人、3位は航空・宇宙で2495人だった。
これまでの人員削減、首位はやはりHP。
(出所:Challenger Grey And Christmas)
リストラ実施の理由、9月のランキングは以下の通り。トップは再編で文句なしの4万2312人、2位は前月5位だった原油安で5444人、3位は前月と変わらず閉鎖で4140人だった。5位は初めて、政府の規制が入っている。
1位 再編 4万2312人 年初来 15万7067人
2位 原油安 5444人 年初来 8万7712人
3位 閉鎖 4140人 年初来 7万2949人
4位 コスト削減 2403人 年初来 9万1953人
5位 政府の規制 1415人 年初来 1570人
採用予定人数は49万2306人と、8月の1万1778人から急増した。ホリデー商戦を控え関連セクターが大幅に増加させており1位は小売で33万5160人、2位は輸送で15万人に及ぶ。3位は自動車で、3267人だった。
ホリデー商戦を控え、小売セクターはご覧の人員増加を計画。
(出所:Challenger Grey And Christmas)
——米9月チャレンジャー人員削減予定件数は、米9月ADP全国雇用者数と裏腹に大きく増加してきました。ただし、例えば米7月チャレンジャー人員削減予定数は2011年9月以来で最悪だったものの、米7月雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)は悪化するどころか上方修正されたものです。ソーシャルメディア勃興の恩恵で新たな雇用が増えるなど、心強い要因も。質はともかく失業保険を申請するより割の良い仕事が見つかる状況であれば、直近で大きく崩れる気配は感じられません。
(カバー写真:ilscorp)
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