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米9月新車販売台数、レーバーデーが奏功し年率で05年7月以来の快挙

by • October 4, 2015 • Finance, Latest NewsComments Off3396

Labor Day Holiday Pushed New Car Sales In September.

米9月新車販売台数は、ビッグ3のうちゼネラル・モーターズ(GM)とフォードが市場予想を上回った。日系メーカーも日産をはじめ好調。日米そろって夏の終わりを告げるレーバー・デーのセールが奏功し、カレンダー要因で減少した8月から増加に転じている。引き続きトラックをはじめ、スポーツ多目的車(SUV)が売上に寄与。ガソリン価格が8月の2.510〜2.769ドルから、9月に一時2.322ドルと約7ヵ月ぶりの水準へ下落し需要を刺激した格好だ。

オートデータが発表した米9月新車販売台数は、上述のようにレーバー・デーに押し上げられ前年同月比15.8%増の144万2,460台だった。年率では1817万台と、市場予想の1,760万台および前月の1,772万台をあっさり抜き去り、2005年7月以来の快挙を果たした。

ケリー・ブルー・ブックによると、9月の平均販売価格は前年同月比2.0%上昇の3万3,730ドル(約405万円)だった。前月比では、0.5%の上昇。前月の0.2%の低下から転じた。

メーカー別の9月平均価格、前月比では排ガス規制問題に揺れるVWのみ下落。
kbb
(出所:Kelley Blue Book)

前年比で価格が上昇した一因として、引き続きSUVやトラックや輸入車など高価格帯の好調な売れ行きが挙げられる。エドマンズ・ドットコムの調査では、特に2014年までの10年間でトラックの値上がりが著しく41%を遂げ、SUVの9%を大幅に上回っていた。

気になる自動車ローン期間は、エクスペリアン・オートモーティブによると4ー6月期で組まれたもので平均67ヵ月(約5年半)となり、1ー3月期と変わらず。標準とされる36ヵ月(3年)から大きくかけ離れた水準を保った。特に新車で73カ月~84カ月に及ぶローン期間は前年同期比15%増となり、全体で16%に及ぶ。中古車は20%増、全体で29%に至り大型車や輸入車の販売増加の陰で明らかにローン期間が延びてきた。

4-6月期の新車平均ローン支払額は、前年同期比3.4%増の483ドル(約57,960円)。NY連銀が発表した同期の自動車ローン組成額は1,190億ドルと、2005年7-9月期以来で最高に達していた。自動車ローン規模も1兆100億ドルと17期連続で増加しており、あらためて自動車ローンへの健全性に疑問を投げかけている。

年間ではガソリン価格の下落とペントアップ・ディマンドを受け絶好調だった2014年に続き、2015年も快進撃を維持するとの見方が優勢。2015年の新車販売台数につき、自動車ディーラー最大手オートネーションのほか自動車価格情報サイトのトゥルーカーも「1700万台」を予想する。8年ぶりの高水準に並んだ2014年の販売台数を超える見通しだ。 以下、ビッグ3をはじめメーカー別動向。

GMは前年同月比12.5%増の25万1,310台となり、市場予想の9.3%増を軽々と超えた。2カ月連続で増加している。4大ブランド別では、すべて増加。8月の2ブランドを上回った。トラックやSUVを抱えるGMCが23.8%増の4万7,386台となり、ピックアップ・トラックが寄与。シボレーは10.9%増の17万675台と、8月から増加に転じた。クロスオーバーが20%増と10ヵ月連続で増加しており、小型車「マリブ」が38%増と過去10年間で最高のパフォーマンスを遂げたほか、SUVの「エキノックス」も42%増と単月で過去最高を記録。高級ブランドのキャデラックは5.0%増の1万4,908台と5ヵ月ぶりに増加したおかげで、「エスカレード」や「エスカレードSV」は大型SUVの消費者向け市場シェアにつき31%を占める。高級車ビュイックは5.0%増の1万8,341台で、SUVの「アンコール」が46%増と支えた。

フォードは23.0%増の22万1,559台となり、市場予想の19%増を上回った。結果、消費者向け販売台数は2004年以来で最高に達している。2大ブランド別では、そろって増加。フォードが19.6%増の22万2,919台と、4ヵ月連続で増加した。アルミ製ボディの新型トラック「Fシリーズ」が16.4%増の6万9,651台と3ヵ月連続でプラスをたどる。消費者向けは28%増で、9年間で最高を記録した。SUVの「エクスプローラー」も、38.0%増の1万9,005台と前月に続き3桁増で寄与。小型車「フュージョン」も15.0%増の2万4942台で、主力の車種で好調な数字を叩き出している。「マスタング」にいたっては199.4%増の9,456台となり、2007年以来の高水準を示した。リンカーンは19.6%増の8,680台となり、6ヵ月連続で増加。8年ぶりの高水準を打ち立てた。

フィアット・クライスラー・オートモビルは14.0%増の19 万3,019台となり、市場予想と一致した。前年比プラスは66ヵ月連続で、単月ベースでは2000年以来で最高を達成している。5大ブランド別では、4ブランドが増加。前月までは、7ヵ月連続で3ブランドが前年比プラスを示していた。ジープが40%増の7万7,201台と7ヵ月連続で単月ベースにて史上最高を更新しただけでなく、史上3番目の台数に、ラムは4%増の3万9,946台となり、単月では1996年以来で最高を達成した。ドッジは3%増の4万5,170台で、8ヵ月ぶりに増加している。フィアットは1%増の3,398台と、2ヵ月連続で増加した。一方でクライスラーのみ5%減の2万7,250台となり、2カ月連続で減少した。

日本車では、トヨタが16.2%増の19万4,399台で市場予想である16%増とほぼ変わらず。ブランド別では、トヨタが16.3%増の16万9,105台。SUVの「RAV4」が19.3%増、「ハイランダー」が16.8%増の1万2,310台とそれぞれ支えたほか、足元で失速していたセダンの「カローラ」が29.7%増、「カムリ」も21.0%増と回復している。レクサスは15.8%増の2万5,294台となり、増加トレンドを維持した。

ホンダは13.1%増の13万3,750台となり、市場予想の13%増とほぼ一致した。ブランド別では、ホンダが14%増の11万9,046台となり、単月で過去最高を達成している。トラックが31.9%増の5万5,474台と、こちらも単月で最高をマーク。ブランド別では「CR-V」が26.1%増の2万9,925台、「オデッセイ」も13.2%増の9,929台と牽引している。またセダンの「アコード」は2.1%増の3万3,641台だったほか、「シビック」も27.0%増の2万8,278台と支えた。アキュラは6.3%増の1万4,704台で、5ヵ月ぶりに減少した8月から回復した。

日産は18.3%増の12万1,782台となり、市場予想の13%増から加速した。ブランド別では日産が17.3%増の11万1,562台で、前月から増加に反転。トラック、SUV、クロスオーバーがそろって強く22%増となり単月で最高を示現した。SUV・トラック部門の「ローグ」が8月に続き単月で最高だったほか、セダンの「アルティマ」も11.8%増の2万4,224台と増加している。インフィニティは30.4%増の1万220台で、引き続き2桁増を達成した。

その他の海外メーカーでは排ガス問題で揺れるVWが0.6%増の2万6,141台と、前月から小幅な増加にとどまった。販売台数ランキングも8月の10位から12位に後退している。ヒュンダイ・キアは17..8%増の11万3855台となる。

高級車部門別ランキングは、以下の通り(%は全て前年比)。今回はレクサスが7月に続きトップに君臨したほか、キャデラックがアキュラを抜き去り7位から6位へ浮上した。

1位 メルセデス・ベンツ 6.1%増の3万1,337台、1—2月、4—5月を経て9月に首位に返り咲いた。3月、6月、7月、8月は2位。1−9月期では7.6%増の27万164台で王座を死守している。2013年は1位だったが、2014年ではBMWに1位を明け渡していた。
2位 BMW 4.0%増の2万6,608台、3月、6月にトップを奪取した後で7月と8月は3位と後塵を拝し、今回はようやく2位に浮上した。1−9月期では5.6%増の24万9,956台となり、メルセデス・ベンツを追撃する状況は変わらず。2014年では1位、2013年は2位だった。
3位 レクサス 15.8%増の2万5,294台、7−8月にランキングを制覇したが今回は3位に甘んじた。1−9月期では12.1%増24万7,445台。2011年まで11年間連続で首位を飾っていた。

4位 ビュイック(GM) 5.0%増の1万8,341台、7−8月に続きアウディの上に立つ。1−9月期では1.8%減の16万7,727台。
5位 アウディ(VW) 16.2%増の1万7,340台、VWショックに揺れながら3ヵ月連続で変わらず。1−9月期では12.5%増の14万7,403台。
6位 キャデラック 7.8%増の1万4,908台、8月に続きアキュラを交わし6位へキープ。1−9月期では1.7%減の12万5,699台。

7位 アキュラ 6.3%増の1万4,704台、前月と変わらず。1−9月期では10.2%増の13万2,019台。
8位 インフィニティ 30.4%増の1万220台、3ヵ月連続で8位。1−9月期で12.6%増の9万5,568台。

9月版:自動車メーカー別のシェアの1位はGMで2位はフォード、3位にトヨタで変わらず。

USA auto brand market share chart September 2015
(出所:Good Car Bad Car)

9月版:新車販売台数、ブランド別ランキング(%は前年同月比)

1位 カムリ(トヨタ)21.0%増の3万4,487台、前月は2位
2位 アコード(ホンダ)2.1%増の3万3,641台、前月は1位
3位 シビック(ホンダ)27.0%増の2万8,278台、前月は4位
4位 カローラ(トヨタ)29.7%増の2万6,636台、前月は5位
5位 フュージョン(フォード)15.0%増の2万4,942台、前月は6位

6位 アルティマ(日産)11.8%増の2万4,224台、前月は3位
7位 エラントラ(ヒュンダイ)10.0%増の2万724台、前月も7位
8位 ベルサ(日産)49.5%増の1万8,053台、前月は13位
9位 シボレー・マリブ(シボレー・GM)12.4%増の1万7,066台、前月も9位
10位 ソナタ(ヒュンダイ)8.1%増の1万6,124台、前月は8位

9月SUV版:新車販売台数、ブランド別ランキング(%は前月比)

1位 CR−V(ホンダ)26.1%増の2万9,925台、前月も1位
2位 エスケープ(フォード)31.1%増の2万8,473台、前月は3位
3位 Rav 4(トヨタ)19.3%増の2万7,104台、前月は2位
4位 ローグ(日産)45.5%増の2万5,064台、前月も4位
5位 エクィノックス(シボレー)24.7%増の2万1,537台、前月も5位

6位 エクスプローラー(フォード)31.1%増の2万715台、前月も6位
7位 ジープ・チェロキー(フィアット・クライスラー)38.2%増の2万224台、前月も7位
8位 ジープ・ラングラー(フィアット・クライスラー)22.6%増の1万7,583台、前月も8位
9位 ジープ・グランドチェロキー(フィアット・クライスラー)22.6%増の1万5,758台、前月は10位
10位 フォレスター(スバル)22.1%増の1万5,364台、前月は9位

(カバー写真:GM)

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