Existing Home Sales Post Second Highest Since February 2007.
全米リアルター協会(NAR)が発表した米9月中古住宅販売件数は年率555万件と、市場予想の539万件から加速した。前月の530万件(531万件から下方修正)を超え、住宅ブーム花盛りの2007年2月以来の高水準を記録した7月の558万件に次ぐ水準となる。前年比では8.8%増と、12ヵ月連続でプラス圏を維持した。
内訳をみると、一戸建てが前月比5.3%増の493万件とヘッドラインと合わせ7月に次ぐ高水準を達成した。福邦合住宅は横ばいの62万件と増加基調を2ヵ月で止めた。
4大地域別では、全て増加。8月は北東部が横ばいで他はそろって減少した。今回は、北東部が8.6%増の76万件と最も力強い伸びを示す。住宅ブームに沸く西部は6.7%増の127万件、テキサス州など石油生産地が多い南部も3.8%増の221万件、中西部も2.3%増の131万件とそれぞれ増加に転じた。
在庫件数は、前月比2.6%減の221万件と7ヵ月ぶりに減少した。在庫が減少した半面、販売件数が増加したため在庫相当は4.8ヵ月と、前月の5.1ヵ月から短縮している。中央価格は前年比で6.1%上昇の22.19万ドル。前月比では2.9%下落し3ヵ月連続で下向いた。売り出し平均期間は49日。8月の47日を超え直近で最も長期化した。
買い手の内訳は、以下の通り。
・差し押さえ物件 6%>前月は5%、前年同月は7%
・ショートセール(担保残債価額よりも安い価額で販売する住宅) 1%<前月は2%、全年同月は3%
・差し押さえとショートセールを合わせた不良債権物件 7%=前月は7%、前年同月は10%
・新規購入者 29%<前月32%、前年同月は29%
・現金での購入者 24%>前月は22%、前年同月は24%
・住居用ではなく投資向け 13%>前月は12%、前年同月は14%
米9月中古住宅販売件数、新規の需要は盛り上がリを見せず前年比変わらず。
(出所:NAR)
発表元のNARのローレンス・ユン米エコノミストは、結果を受け「住宅価格の上昇率が鈍化したほか30年物住宅ローン金利が低下したため購入を促した」と指摘。住宅価格にいては「前年比で6%を超え賃金上昇率の2倍ながら、今年の春頃からは若干値ごろ感が戻っている」と説明した。
バークレイズのブレリナ・ウルシ米エコノミストは、内容に対し「米7−9月期国内総生産(GDP)の住宅投資のうち、仲介業者のコミッションと住宅投資の拡大が見込まれる」と予想した。もっとも、貿易や在庫投資の圧迫を背景に米7-9月期国内総生産(GDP)見通しを「1.5%増」とし、従来の2.5%増から下方修正した。
BNPパリバも、米7-9月期GDP予想を従来の2.3%増から1.7%増へ引き下げた。アトランタ連銀の試算では、20日時点において0.9%増。同連銀の予想は米1ー3月期GDP速報値を的中させ、米4-6月期GDP速報値に近い水準を叩き出した経緯がある。
——米9月中古住宅販売件数は前月の減少を相殺しており、夏季休暇の反動が現れたと考えられます。今後は、住宅ローン申請に関わる規制変更への影響に注意。米MBA住宅ローン申請件数指数も非常に変動が激しくなっており、販売件数にも波及しかねません。
(カバー写真:Jessica Merz/Flickr)
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