Existing Home Sales Fell From 5-Year High.
全米リアルター協会（NAR）が発表した米10月中古住宅販売件数は年率536万件と、市場予想の540万件を下回った。2007年以来で2番目の高水準だった前月の555万件に届かず。前年比では3.9％増と、前月の8.8％増（速報値ベース）に及ばなかったとはいえ13ヵ月連続でプラス圏を維持した。
内訳をみると、一戸建てが前月比3.7％減の475万件と2007年以来で2番目の高水準だった前月から鈍化した。複合住宅は1.6％減の61万件と、前月の横ばいから減少に転じている。
4大地域別では、1地域を除き全て減少。前月は全地域で増加していた。今回は北東部が横ばいの76万件。そのほか西部は8.7％減の116万件、南部は3.2％減の214万件、中西部も0.8％減の130万件とそろって減少に転じた。
在庫件数は、前月比2.3％減の224万件と3ヵ月連続で減少した。在庫が減少した半面、販売件数が増加したため在庫相当は4.8ヵ月と、前月の4.7ヵ月から延びている。中央価格は前年比で5.8％下落の21.96万ドル。前月比では1.0％下落し4ヵ月連続で下向いた。売り出し平均期間は57日。9月の49日を超え直近で最も長期化した。
買い手の内訳は、以下の通り。
・差し押さえ物件 5％＜前月は6％、前年同月は7％
・ショートセール（担保残債価額よりも安い価額で販売する住宅） 1％＝前月は1％、前年同月は2％
・差し押さえとショートセールを合わせた不良債権物件 6％＜前月は7％、前年同月は9％
・新規購入者 31％、8月に次ぐ高水準＞前月29％、前年同月は29％
・現金での購入者 24％＝前月は24％、前年同月は27％
・住居用ではなく投資向け 13％＝前月は13％、前年同月は15％
米10月中古住宅販売件数、在庫ひっ迫も伸び悩みの一因。
（出所：My Big Apple NY）
発表元のNARのローレンス・ユン米エコノミストは、結果を受け「中古住宅と新築住宅はそろって在庫不足で、買い手の選択肢を狭めている」ため、減少につながったと説明した。ただ「経済見通しと金融市場のボラティリティの高まりがわずかながら需要を押し上げた」とも付け加えている。
——米10月中古住宅販売件数は減少したとはいえ、新規購入者の割合が上昇したのは好材料でした。12月の利上げが視野に入るなか、駆け込み需要が期待されます。
（カバー写真：derecshuler/Flickr）
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