Office Politics: A Rise to the Top

米12月チャレンジャー人員削減予定数、15年ぶり低水準の快挙

by • January 8, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off2044

Job Cuts Post Fewest Since 2000 In December.

米12月雇用統計を直前に控え、米12月チャレンジャー人員削減予定数と米新規失業保険申請件数をおさらいしていきます。

米12月チャレンジャー人員削減予定数は、前年同月比13.9%減の2万3,622人と3ヵ月連続で減少した。11月の3万953万人からは、23.7%も減少。2000年6月以来で最低を更新し、単月としては1993年以来で最少を記録している。エネルギー産業の人員削減を確認しつつ、全体での比率は7.1%と11月(8.6%)に続き、10月の34.3%から低下した。

2015年のチャレンジャー人員削減予定数は前年比23.9%増の59万8,510人で、2011年以来で最大となる。

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(作成:My Big Apple NY)

4大地域別では、2地域で減少。前月の1地域を上回った。今回はIT関連企業が集まる西部が74.0%減の2万3,644人と、2ヵ月連続で減少した。中西部が前月比48.2%減の6,981人となる。北東部のみ29.2%増の8,315人と、前月に続き2桁増に。エネルギー産業が集中する南部も36.5%増の9,460人となり、2ヵ月連続で増加した。

発表元であるチャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスのジョン・チャレンジャー最高経営責任者(CEO)は、結果を受け「企業はこれまで年末の(業績の帳尻を合わせる上で)人員削減を躊躇しなかったものの、金融危機後に傾向が変わった」と指摘する。事実、2009年以降の12月人員削減予定数・平均値は3万4,046人で、統計開始以来の平均値5万3,835人を36.8%下回った。

州別では、原油安を背景に石油生産地を抱えるテキサス州がトップに立った。次いでIT産業が盛んなカリフォルニア州、政府関連職であふれるワシントンDC、金融の中心地があるニューヨーク州、シカゴを擁するイリノイ州が並ぶ。

1位 テキサス州 10万7,711人
2位 カリフォルニア州 7万6,388人
3位 ワシントンDC 5万8,325人
4位 ニューヨーク州 3万5,151人
5位 イリノイ州 3万3,796人

2015年に人員削減が多かったセクター、ランキングは以下の通りで%は前年同期比を示す。前月から、ランキングに変更はない。

1位 エネルギー 562%増の9万4,409人
2位 政府 211%増の7万29人
3位 小売 562%増の6万5,858人
4位 コンピューター 45%増の6万2,191人
5位 産業財 104%増の5万7,625人

12月人員削減予定件数のセクター別をみると、1位は金融が5,177人となる。シティグループが2000人規模の人員を発表し、数字を膨らませた格好だ。シティグループが影響し、2位は前月に続きドル高と海外需要の低下に喘ぐ産業財で2,780人だった。3位は食品がランクインし、2,761人を示す。

リストラ実施の理由、12月のランキングは以下の通り。トップは前月に続き再編が入り、2位もコスト削減が堅持した。3位は4位から需要低下が顔をのぞかせ、4位は合併・買収(M&A)で変わらず。原油安は5位に落ち込んだ。

1位 再編 6万4,492人 年初来 19万1,174人(全体の31.9%)
2位 コスト削減 2,683人 年初来 10万4,514人(全体の17.0%)
3位 需要低下 2,131人 年初来 2万7,134人(全体の4.5%)
4位 M&A 2,005人 年初来 2万6,754人(全体の4.5%)
5位 原油安 1,776人 年初来 10万4,514人(全体の17.5%)

採用予定人数は1万1,465人となり、ホリデー商戦の恩恵を受けるセクターを中心に増加した。1位は輸送で4,270人、2位はコンピューターで1,624人、3位は前月に2位だったヘルスケアで1,348人だった。

▽米新規失業保険申請件数、前週から増加も27万人割れ維持

米新規失業保険申請件数は1月2日週に27.7万件と、市場予想の27.5万件を上回った。2015年7月4日週以来の高水準だった前週の28.7万件からは減少。1973年11月24日以来の低水準に並んだ10月24日週の25.6万件を視野に入れた水準からは、後退した。米労働省は今回、特殊要因を挙げていない。4週平均は27万5750件と、2015年7月18日週以来の水準へ上振れした前週から減少。とはいえ、1973年12月以来の低水準に至った3週前の25万9250件を上回った水準を保つ。

2015年12月26日週までの継続受給者数は223.0万件となり、前週の220.5万人を超えた、2000年11月以来の低水準を記録した10月24日週の214.6万件(修正値)を超える水準を継続している。被保険者に占める失業者の割合は3週連続で1.6%となり、1971年以来の最低に並ぶ。

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(作成:My Big Apple NY、単位は千人)

州別で増加が目立ったのはニュージャージー州で6,935人、ミシガン州で6,348人、ケンタッキー州で5,497人、ペンシルベニア州で5,350人、オハイオ州で3,901人となった。一方で減少した州はカリフォルニア州で9,900人、テキサス州で5,083人減、ロードアイランドで207人減だった。

——米12月チャレンジャー人員削減予定件数が約15年半ぶりの水準へ減少し、米12月ADP全国雇用者数も堅調で米12月雇用統計が強含む期待が膨らんできました。中国歩調を合わせ大きく改善しました。米新規失業保険申請件数も現状は良好で中国証券監督管理委員会がサーキット・ブレーカーの休止を発表するなど。中国株の取引停止リスクは以前よりは後退。米12月雇用統計が健全な数字であれば、米株が買い戻しの糸口を掴む余地が出てきました。もっとも、1月以降は2015年12月にリストラを発表したシティグループ、1月には百貨店大手メイシーズの人員削減発表もあり、気は抜けません。

(カバー写真:Alex Proimos/Flickr)

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