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米12月LMCI、米雇用統計に並び好調を維持

by • January 12, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off2969

December LMCI Reflects Strong Labor Market.

米連邦準備制度理事会(FRB)が発表した米12月労働市場情勢指数(LMCI)は、2.9ポイント上昇した。11月の2.7ポイント(0.5ポイントから上方修正)を超え、8ヵ月連続で上昇している。10月分も2.2ポイントから1月以来の高水準となる2.9ポイントへ引き上げられ、過去2ヵ月分の上方修正は2.9ポイントとなる。米12月雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)が29.2万人増とリデー商戦向け臨時雇用に押し上げられ2014年12月以来の高水準を迎えた10月の30.7万件に続く高水準だったように、労働市場は力強さを示した。

景気後退に陥った2007年12月から2009年6月まで約370ポイント低下した後、回復サイクルに入ってから336ポイント取り戻した。景気が改善していく過程での平均上昇幅は約4ポイントであることを踏まえれば、向こう8.5ヵ月で低下幅を相殺する見通し。ただ米12月雇用統計で平均時給の伸びが鈍化したように、項目別で足を引っ張る場合もありうる。

バークレイズのジェシー・ヒューウィッツ米エコノミストは、結果を受けて「2015年10-12月期のLMCI平均値は2.8で、同年7-9月期の1.4から改善しただけでなく2014年末以来の高水準」と評価する。その上で「労働資源の余剰は減退し続けると考えられ、足元の経済指標の鈍化は一時的となる見通しで米1-3月期国内総生産(GDP)を2.5%増見込む」と結んだ。

LMCI、リセッション後の低下幅を打ち消す動きに
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(出所:FRBよりMy Big Apple NY作成)

――米12月雇用統計を受けて、米株こそ3月利上げ観測が強まり下落。8日時点のFF先物動向は40.5%へ上昇し直前から若干上昇しました。翻って、2015年の投票メンバーだったアトランタ連銀のロックハート総裁がインフレをめぐり、3月利上げに十分なデータを提供しない可能性を点灯させた11日には、38.6%へ低下。さらに小幅高ながら、ダウとS&P500は4営業日ぶりの反発を遂げました。中国情勢や原油安をにらみつつ、足元の米株安の一因が今後の利上げ動向への懸念であることが伺えます。利上げ票を投じたアトランタ連銀総裁は講演にて、個人消費が堅調で米株安が米経済に悪影響を与えるリスクは低いとの判断も示しています。1月26-27日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)声明文でインフレ停滞に警戒する文言のほか、改めて金融市場のボラティリティへのリスクを盛り込むか、注視されます。

なお今年の地区連銀総裁、FOMC投票メンバーは以下の通り。

・セントルイス連銀のブラード総裁(タカ派寄り)
・カンザスシティ連銀のジョージ総裁(タカ派)
・クリーブランド連銀のメスタ―総裁(タカ派寄り)
・ボストン連銀のローゼングレン総裁(ハト派寄り)

2016年版:タカハト表はこちら。JPモルガンを参考に作成しています。
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(作成:My Big Apple NY)

2015年(シカゴ連銀のエバンス総裁、アトランタ連銀のロックハート総裁、サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁、リッチモンド連銀のラッカー総裁)と比較して、タカ派寄りの名前がそろいます。ただセントルイス連銀のブラード総裁はウォールストリートの著名エコノミストが「風見鶏」と呼ぶように、状況に合わせ見方を変える柔軟性をお持ちである点に注目。同総裁は2010年、「危機が持つ7つの顔」と題し、日本型デフレに突入するリスクに警鐘を鳴らした人物でもある。

(カバー写真:Justin Lynham/Flickr)

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