Jobless Claims Hit Second Highest Since July.
米新規失業保険申請件数と、米12月輸入物価を振り返ります。
米新規失業保険申請件数は1月9日週に28.4万件と、市場予想の27.5万件を上回った。前週の27.7万件を超え、2015年7月4日週以来で2番目の高水準。1973年11月24日以来の低水準に並んだ10月24日週の25.6万件を視野に入れた水準からは、後退を続けている。米労働省は今回、特殊要因を挙げていない。4週平均は27万8750件と、2015年7月18日週以来の水準へ上振れした。1973年12月以来の低水準に至った3週前の25万9250件を上回った水準を保つ。
1月2日週までの継続受給者数は226.3万件となり、前週の223.4万人を超えた。2015年8月29日週以来の水準へ膨れ上がっている。2000年11月以来の低水準を記録した2015年10月24日週の214.6万件(修正値)を超える水準を継続した。被保険者に占める失業者の割合は前週まで3週連続で1.6%と1971年以来の最低だったが、今回は1.7%へ上昇した。
足元、28万人台に乗せる頻度が増えてきました。
(作成:My Big Apple NY、単位は千人)
州別で増加が目立ったのはNY州で1万5090人、ジョージア州で1万2139人、前週に減少が著しかったペンシルベニア州で1万1216人、アラバマ州で3272人、ウィスコンシン州で3266人だった。最も減少した州はイリノイ州で3633人、前週に続きカリフォルニア州で2191人、プエルトリコで1718人、オハイオ州で1428人、メリーランド州で1061人だった。
▽米12月輸入物価、5ヵ月連続で低下も予想ほど悪化せず
米12月輸入物価指数は前月比1.2%低下し、市場予想の1.3%より下げ幅を狭めた。前月のマイナス0.5%(0.4%から下方修正)と合わせ、7ヵ月連続で低下している。前年比は8.2%低下したとはいえ、11月の9.5%と合わせ2009年9月から2番目の下げ幅を示した9月の11.3%ほど下振れしていない。
前月比での内訳をみると、原油先物の下落再燃を背景にエネルギーが10.0%低下し、前月の3.6%から下げ幅を広げた。石油を除いた場合はドル高もあって0.3%低下し、マイナス基調を維持している。ドル高の余波から産業財が4.6%低下し、6ヵ月連続で落ち込んだ。自動車・部品は前月に続き0.1%低下し、5ヵ月連続でマイナス。資本財も0.3%低下し、17ヵ月連続のマイナスをたどる。食品・飲料は0.1%低下し、前月の0.1%と合わせ4ヵ月連続で弱い。消費財も前月に続き0.1%となり、2ヵ月連続絵マイナスだった。
――米12月チャレンジャー人員削減予定数、米12月雇用統計、米11月雇用動態調査と労働指標は好調な数字が勢ぞろいするなか、米新規失業保険申請件数は足元で増加の兆しをみせました。百貨店大手メイシーズや英BPのほか、ウェラブル端末ゴープロがリストラを発表。15日には小売最大手ウォルマートが不採算部門の269店舗(うち米国は154店)の閉鎖を決定しており、ホリデー商戦明けに雇用が減速する兆しが現れています。
輸入物価指数は、ドル高や原油安を背景に引き続き低調。米消費者物価指数をはじめベース効果の剥落で上昇が期待されていたものの、一時的にとどまる可能性を示唆しています。
(カバー写真:COD Newsroom/Flickr)
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