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米12月住宅着工件数は減少も、建設許可など回復余地示す

by • January 21, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off1430

Building Permits Trade Make Up For Soft Housing Starts Number.

米12月住宅着工件数は年率114.9万件となり、市場予想の120.0万件より弱い結果となった。前月の117.9万件(117.3万件から上方修正)を2.5%下回ったが、10月の107.1件ほどの悪化は回避。10月分は、大寒波で急減した3月以来の低水準である。

内訳をみると、一戸建てが前月比3.3%減の76.8万件と、減少に反転した。複合住宅も1.0%減の38.1万件となりヘッドラインを押し下げている。前年比での住宅着工件数は5.6%増となり2ヵ月連続で増加しつつ、前月の21.6%増から上げ幅を縮めた。一戸建てが5.0%増と前月の21.6%増から鈍化しつつ、9ヵ月連続で増加。複合住宅も前月の14.7%増から8.8%増へ上げ幅を狭めた。

4大地域別では、1地域のみ増加。前月の2地域から減少した。今回は北東部が24.4%増の16.3万件と、前月の3.7%減から2桁増を達成した。一方で、中西部は12.4%減の14.8万件と、2ヵ月連続で減少。南部は3.3%減の58.3万件と、減少に反転している。西部は7.6%減の25.5万件で、こちらも前月から減少に転じた。

米12月建設許可件数は123.2万件となり、市場予想の120.0万件を超えた。5ヵ月ぶりの高水準を達成した前月の128.2万件(128.9万件から下方修正)からは、3.9%減少している。

内訳をみると、一戸建てが1.8%増の74.0万件で、3ヵ月連続で増加した。複合住宅は11.4%減の49.2万件で、3ヵ月ぶりに減少している。建設許可件数の前年比は14.4%増と、前月の19.5%増(速報値)から伸びを鈍化しつつ13ヵ月続けてプラスを示す。一戸建てが8.0%増だったほか、複合住宅は25.5%増と2桁増を維持した。

米12月建設中件数は前月比1.7%増の98.1万件となった。増加トレンドを維持するなか、件数ベースでは少なくとも2009年以来の高水準を達成。一戸建てが1.7%増の42.3万件と10ヵ月連続で増加したほか、賃貸需要を背景に複合住宅も1.6%増の55.8万件と16ヵ月連続で増えた。

建設許可件数、足元で安定的にリセッション前の水準超え。

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(作成:My Big Apple NY)

BNPパリバのデレク・リンゼー米エコノミストは、結果を受けて「住宅着工件数が減少したとはいえ、建設許可件数は足元のトレンド(筆者注:住宅市場の回復著しい2014ー15年の平均値は109.5万件)を超えている」と指摘。何より、工事に着手していない「住宅着工承認件数は(前月比で4.9%増を示し、4ヵ月連続で増加するなど)好調をたどり、住宅着工件数自体は増加へ反転する公算が大きい」と評価した。

パイプラインとしては増加の兆しを見せるものの、ゴールドマン・サックスは米10-12月期国内総生産(GDP)予想を従来の1.1%増から1.0%増へ下方修正した。それでも、アトランタ連銀の0.7%増(20日に0.6%増から上方修正)やBNPパリバの0%を上回る。

——米12月住宅着工件数・一戸建てのうち75%が販売目的とされるため、57.6万件が住宅市場に流れ込む見通しです。米11月新築住宅販売件数を踏まえれば在庫に余裕が出てくる可能性が横たわるものの、引き続き値ごろ感から需要を引き出す可能性もくすぶります。米1月NAHB住宅市場指数が軟化したとはいえ高水準を維持しており、世界同時株安局面ながら金利低下は好材料。住宅市場動向は、米消費者の底力を試しつつあります。

(カバー写真:Derik DeLong/Flickr)

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