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米2月NY連銀製造業景況指数は予想以下も、見通しは改善

by • February 17, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off2020

NY Fed Manufacturing Index Rises Less Than Expected, But Outlook Picks Up.

米2月NY連銀製造業景況指数(エンパイア)はマイナス16.64となり、市場予想のマイナス10から下げ幅を広げた。金融危機の衝撃が冷めやらぬ2009年4月以来の低水準だった前月のマイナス19.37からは、改善している。分岐点割れは、7ヵ月連続。項目別では、新規受注や出荷、雇用など主要事項が下げ幅縮小を牽引している。ただ仕入れ価格は原油安を背景に大幅低下し、販売価格はマイナス圏へ戻した。フィラデルフィア連銀のハーカー総裁が2回目の利上げに慎重たるべきと発言したように、低インフレ懸念がくすぶる。詳細は、以下の通り。

・新規受注 マイナス11.64、9ヵ月連続で分岐点割れ>前月はマイナス23.54、2009年3月以来の低水準
・出荷 マイナス14.39、2ヵ月連続で分岐点割れ>前月はマイナス14.39、分岐点割れし2009年3月以来の低水準
・在庫 0、9ヵ月ぶりに分岐点を回復>前月はマイナス6.00、7ヵ月連続で分岐点割れしたなかで低下幅最少
・雇用 マイナス0.99、6ヵ月連続の分岐点割れ>マイナス13.00
・平均労働時間 マイナス5.94、7ヵ月連続の分岐点割れ>前月はマイナス6.00、6ヵ月連続の分岐点割れ

・仕入れ価格 2.97、2009年6月以来の分岐点乗せを維持<前月は16.00、2015年4月以来で最高
・販売価格 マイナス4.95、分岐点割れへ回帰<前月は4.00、5ヵ月ぶりに分岐点乗せ

・入荷時間 マイナス13.00、6ヵ月連続の分岐点割れし2014年12月以来で最低<前月はマイナス8.08
・受注残 マイナス6.93、分岐点割れ継続>マイナス11.00

現況指数(ブルー)は分岐点割れを維持、見通し指数(グレー)は改善。
Nyfed
(出所:Federal Reserve Bank Of New York)

6ヵ月先見通し指数は14.48となり、2009年2月以来の低水準だった前月の9.58から改善した。もっとも年内最高だった2015年12月の38.51を下回る水準を維持したように、全体ではまちまちとなっている。内訳をみると、現況指数と同じく出荷(23.82<前月は16.97)、新規受注(22.15>前月は12.18)が改善を牽引。雇用(16.83>前月は4.00)も、大きく上昇し元の高水準を回復した。一方で設備投資(12.87<前月は15.00)、平均労働時間(0.00<前月は11.00)が低下。仕入れ価格(14.85<前月は31.00)、販売価格(3.96<前月は12.00)、在庫(0.99<前月は1.00)から前月値を下回った。

BNPパリバのデレク・リンゼー米エコノミストは、結果を受けて「ISM製造業景況指数ベースでは前月から4.4改善し47.4だったものの分岐点割れを保つ」と振り返った。

――各連銀が発表する景況指数のスタートは、引き続き2桁の分岐点割れを示しました。下げ幅の縮小は心強いながら、連続低下は2008年5月~2009年4月の9ヵ月間以来で最長です。貿易加重平均でドルが約3週間で2%下落しドル高の重石は外れつつあるものの、原油安や中国を始めとする景気減速懸念が引き続き足枷となっているもよう。また、NYなど北東部での積雪もセンチメントに影響した可能性も捨てきれません。ただ天候要因が大きかったのであれば春が近づくとともに、ヘッドラインはさらに下げ幅を縮小させる余地が残ります。見通し指数が以前の水準へ戻したことも、心強いです。

(カバー写真:cortto/Flickr)

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