Michigan Consumer Sentiment Trims Decline As Stock Market Recovers.
米2月ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値は91.7と、市場予想の91.0を上回った。速報値の90.7から上方修正されたが、前月の92.0には届かず。3ヵ月ぶり低水準だった。内訳をみると、見通し指数が81.9と前月の82.7を下回り5ヵ月ぶりの水準へ下振れしたとはいえ、速報値の81.0から引き上げられた。現況指数は106.8と速報値の105.8から上方修正され、前月の106.8も超えていった。ダウやS&P500など米株が調整入り相場から回復を一因に、センチメントが改善したとみられる。
原油先物が30ドル割れを中心に推移するなか、インフレ見通しは1年先につき2.5%で前月と変わらず。ただし、5−10年先は過去最低をつけた速報値の2.4%から2.5%へ上方修正された。
ミシガン大学のエコノミスト、リチャード・カーティン氏は、今回の結果を受け「速報値の低下分をほぼ取戻し、2月分は前月を0.3ポイント低下したに過ぎない」と振り返る。また「直近で最高を遂げた2015年1月から6.5%下回ったとはいえ、2007年1月にピークをつけた96.9から、2008年2月に20.7%低下し70.8に落ち込んだ当時ほど悪化していない」と指摘。景気後退への懸念が囁かれる一方、消費者は足元でわずかな雇用鈍化を予想するにとどまっているため「個人消費は2015年の3.1%増から2016年に2.7%増」への鈍化を見込み、ゆるやかな成長軌道を予想している。
速報値の低下を乗り越え、ヘッドラインをはじめそろって上方修正。
・1年先の家計見通し指数 128、直近で最高>速報値は126、前月は124
向上する 37、直近で最高>速報値は35、前月は36で3ヵ月ぶり高水準
変わらず 50<速報値は52、前月は49
悪化する 9=速報値は9、前月は12
・所得と物価の伸び率に対する1−2年先の家計指数 81>速報値は79、前月は82
所得の伸びが物価を上回る 23>速報値は22で3ヵ月ぶり低水準、前月は23
所得の伸び率と物価が同じ 34、4ヵ月ぶり低水準=速報値は34、前月は35
所得の伸びが物価を下回る 42<速報値は43で3ヵ月ぶり高水準、前月は41
・所得が1年先に拡大するとの回答
今回 48.9%<速報値50.7%、前月は47.4%
・1年先のビジネス見通し指数 104>速報値は102と3ヵ月ぶり低水準、前月は104
向上する 23>速報値は20で3ヵ月ぶり低水準、前月は24と6ヵ月ぶり高水準
変わらず 55<速報値は58、前月は51と直近で最低
悪化する 19>速報値は18、前月は20と3ヵ月ぶり高水準
・1年先の失業率見通し指数 93=速報値は93、前月は89と直近で最低
低下する 19=速報値は19、前月は18と直近で最低
変わらず 54<速報値は53、前月は52と3ヵ月ぶり低水準
上昇する 26=速報値は26、前月は29と直近で最高
・1年先の金利見通し指数 53>速報値は52、前月は39(低下を見込む場合に指数は上昇)
低下する 8<速報値は9と少なくとも8ヵ月ぶり高水準、前月は7
変わらず 36、直近で最高>速報値は33、前月は24と直近で最低
上昇する 55、直近で最低<速報値は57、前月は68
・1年先のガソリン価格指数 20.1>速報値は18.8、前月は15.6(上昇を見込む場合に指数は上昇)
下落する 11=速報値は11、前月は14と4ヵ月ぶり高水準
変わらず 39<速報値は41、前月は41
上昇する 50>速報値は48、前月は45
・自動車購入指数 148<速報値は149、前月は152
買い時 71<速報値は72、前月は73と直近で最高
分からない 6<速報値は5、前月は6
買い時ではない 23=速報値は23、前月は21と直近で最低
・住宅購入指数 155<速報値は158、前月は158
買い時 77<速報値は79、前月は78
分からない 1>速報値は0、前月は2
買い時ではない 22、直近で最高>速報値は21、前月は20
——米2月ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値は、以下の興味深い点が浮き彫りとなりました。
1)家計見通しは楽観度が上昇、インフレより所得の伸びが上回る期待値を示す
2)ビジネス環境見通しは楽観度が回復、株安一服が背景も慎重な回答も増加
3)金利見通しは低下も上昇しないとの回答が背景で、自動車購入意欲と住宅購入意欲は低下
米2月ミシガン大消費者信頼感・確報値は前月から低下したものの、米株安にブレーキが掛かったほか米1月小売売上高や米新規失業保険申請件数の回復が意識されたのでしょう。世界景気減速への懸念や各連銀が発表する製造業景況指数が分岐点をたどるなかでも、比較的消費者のセンチメントは耐性を示した点は心強い。金融危機前のピークからの下げ幅を比較しても、足元の深刻な景気後への懸念は過剰と考えられます。
(カバー写真:EventPhotosNYC/Flickr)
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