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米1月製造業受注、在庫と耐久財が弱くQ1成長見通し引き下げ促す

by • March 4, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off1252

Economist Revised Down Q1 GDP Outlook After Factory Orders.

米1月製造業受注、および米10-12月期労働生産性・確報値をおさらいしていきます。

米1月製造業受注は前月比1.6%増となり、市場予想の2.1%増を下回った。前月の2.9%減からは、増加へ反転。3ヵ月ぶりに増加した。とはいえ民間航空機が押し上げた影響が色濃く、コア資本財(企業の設備投資を示す航空機を除いた非防衛財)は3.4%増と速報値の3.9%増から下方修正を迎えた。国内総生産(GDP)に反映されるコア資本財受注は0.4%減と、速報値と変わらず。前月の0.6%増(0.9%増から下方修正)からマイナスへ反転した。製造業在庫は0.4%減と、足元の流れを受け継ぎ減少した。在庫相当は在庫の減少を背景に1.36ヵ月となり、前月の1.37ヵ月から短縮した。

バークレイズのジェシー・ヒューウィッツ米エコノミストは、結果を受け「12月分のコア資本財の出荷がGDPに反映されるコア資本財の出荷は12月分が0.9%増から0.6%増に下方修正され、在庫も弱い」と指摘した。米10-12月期GDP確報値の予想を「従来の1.1%増から1.0%増」へ下方修正。1-3月期GDP見通しも「従来の2.4%増から2.2%増」へ引き下げた。在庫や耐久財受注が速報値より軟調だった点を挙げている。

▽米10-12月期労働生産性・確報値、労働生産性は約2年ぶり低水準

米10-12月期労働生産性・確報値は年率2.2%低下し、市場予想に並んだ。速報値の3.0%の低下から下げ幅を縮めつつ、前期の2.0%の上昇から反転。2014年1-3月期以来で最低を示す。内訳をみると、生産が1.0%上昇し速報値の0.1%から上方修正された。米10-12月期国内総生産(GDP)速報値と整合的である。労働時間は速報値の3.3%から3.2%へ下方修正しつつ、前期の0.3%の低下から大きく反発し1年ぶりの高水準だった。時間当たり賃金は1.1%上昇(速報値は1.3%上昇)、実質賃金も0.9%(速報値の1.1%)とそれぞれ下方修正。一定量を生産するために必要な労働経費を示す単位労働コストは3.3%の上昇にとどまり、速報値の4.5%および市場予想の4.3%を下回った。ただし、前期の1.9%(1.8%から上方修正)を超え、1年ぶりの水準へ上振れした。

労働生産性、リセッション後は低迷継続。

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(作成:My Big Apple NY)

10-12月期の労働生産性は前年同期比で0.5%上昇し、速報値の0.3%を超えながら1年ぶりの低水準だった。単位労働コストは2.1%上昇と、速報値の2.8%以下に。3期ぶりの低水準となる。引き続き労働生産性の弱さを確認しただけでなく、賃上げ圧力の鈍化が見て取れた。成長率が2010年以降の四半期ベース平均値である前期比年率2.1%増を超える可能性は、低そうだ。

――アトランタ地区連銀が発表する米1-3月期GDP試算値は従来の2.1%増から、3月1日時点で1.9%増へ引き下げられました。米1月製造業受注や米10-12月期労働生産性・確報値を経て、さらに引き下げられるのか。米連邦公開市場委員会(FOMC)参加者は3月15~16日開催のFOMCの追加利上げを見込んでいないようですが、以前から指摘させて頂いたように4月26~27日開催分、および6月14~15日開催のFOMCも微妙な情勢となってきました。

(カバー写真:jmarello/Flickr)

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