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米3月ミシガン大学消費者信頼感・速報値は低下、ガソリン価格を意識

by • March 22, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off1318

Michigan Consumer Sentiment Declines, Eyeing Gas Prices.

米3月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値は90.0と、市場予想の92.2を下回った。前月の91.7を下回り、5ヵ月ぶりの低水準に並んだ。内訳をみると、見通し指数が80.0と前月の81.9以下となり、6ヵ月ぶりの水準へ下振れ。現況指数も前月の106.8から105.6へ傾き、4ヵ月ぶりの水準へ低下した。ダウに続きS&P500が年初来リターンをプラスへ転換させる過程にあったものの、センチメントはガソリン価格の上昇を背景に鈍化している。エネルギー情報局によると、ガソリン価格は3月に一時2ドル台を回復。2009年1月以来の1.7ドル割れを視野に入れていたところから、切り返した。

原油先物が40ドル台を回復する流れを受け、インフレ見通しは1年先につき前月まで2ヵ月連続で2.5%を経て、4ヵ月ぶりに2.7%へ上昇した。5−10年先も前月の2.5%から2.7%へ上昇、1月の水準に並んだ。

ミシガン大学のエコノミスト、リチャード・カーティン氏は、今回の結果を受け「消費者センチメントは、経済見通しへの懸念に加えガソリン価格の上昇を背景に楽観度が後退した」と振り返る。また「2015年に低下した局面で下押ししたのは、見通し指数」と指摘。消費者は景気後退を予想しないものの「米国の成長率が今年、過去2年間にわたる2.4%を超えるとは想定していないようだ」と見込む。ただ消費者は、失業率が現状の低水準で推移すると判断しているため「個人消費は2016年に2.7%増加する」との予想を据え置いた。

3月速報値は、そろって下振れ。

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(作成:My Big Apple NY)

・1年先の家計見通し指数 126<前月は128、直近で最高
向上する 36<前月は37、直近で最高
変わらず 50=前月は50
悪化する 10>前月は9

・所得と物価の伸び率に対する1−2年先の家計指数 85>前月は81
所得の伸びが物価を上回る 23、4ヵ月連続=前月は23
所得の伸び率と物価が同じ 38>前月は34、4ヵ月ぶり低水準
所得の伸びが物価を下回る 38<前月は42、3ヵ月ぶり高水準

・所得が1年先に拡大するとの回答
今回 48.5%<前月は48.9%

・1年先のビジネス見通し指数 103<前月まで2ヵ月連続で104
向上する 23=前月は23
変わらず 53<前月は55
悪化する 20>前月は19

・1年先の失業率見通し指数 93=前月は93、1月は89と直近で最低
低下する 21>前月は19、1月は18と直近で最低
変わらず 51<前月は54、3ヵ月ぶり高水準
上昇する 28>前月は26、1月は29と直近で最高

・1年先の金利見通し指数 46<前月は53(低下を見込む場合に指数は上昇)
低下する 8、直近で最高を維持=前月は8
変わらず 28<前月は36、直近で最高
上昇する 62>前月は55、直近で最低

・1年先のガソリン価格指数 25.5、直近で最高>前月は20.1(値上がりを見込む場合に指数は上昇)
下落する 5、4ヵ月ぶり低水準<速報値は11
変わらず 38、直近で最低<前月は39
上昇する 56、直近で最高>前月は50

・自動車購入指数 144、3ヵ月ぶり低水準<前月は148
買い時 77=前月は77
分からない 1、6ヵ月ぶり低水準に並ぶ=前月は1
買い時ではない 22=前月は22

・住宅購入指数 155=前月は155
買い時 77=前月は77
分からない 3<前月は4
買い時ではない 40>前月は35、直近で最低

——米3月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値は、以下の興味深い点が浮き彫りとなりました。

1)1年先の家計見通しが低下、1年先に所得が拡大するとの回答も鈍化
2)所得の伸びが物価を下回るとの回答は、低下
3)ガソリン価格が上昇する見通しは、直近で最高
4)金利上昇を見込む予想、増加

米3月ミシガン大消費者信頼感・速報値は、家計見通しをめぐり楽観度が後退したものの所得の伸びが物価を下回るとの回答も低下しており、定まりません。もっとも、ガソリン価格の値上がりや金利上昇を想定し、住宅や自動車への購入見通しには慎重さを帯びてきた感が。米連邦公開市場委員会(FOMC)が利上げ示唆を年4回から年2回へ縮小したものの、足元のインフレ動向を背景に消費者の財布が固くなることを想定しておいた方が良さそうです。米2月小売売上高も、個人消費がそれほど強くない実態が現れましたし・・。

また、今年が暖冬だっただけに3月から4月にかけての反動増への期待も薄い。2008年4月以来の低水準にある失業率をよそに、個人消費が加速するかは微妙な情勢です。

(カバー写真:Franco Folini/Flickr)

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