Jobless Claims 4-Week Average Stays Below 260K.
米新規失業保険申請件数、米3月マークイット・サービス業PMIをおさらいしていきます。
米新規失業保険申請件数は3月19日週に26.5万件と、市場予想の26.9万件を下回った。前週の25.9件(26.5万件から修正)を超えたものの、1973年11月24日以来の低水準に並んだ2015年10月24日週の25.6万件を視野に入れた水準を保つ。米労働省は特殊要因を指摘していないが、30万件割れが55週連続と1973年以来で最長とのコメントを寄せた。また、今回はデータ改定を行ったことも明かした。4週平均は25万9750件で、1973年12月以来で最低となった前週の25万79500件(改定値)とさほど変わらない水準にとどまり、2015年11月28日週以来の27万件割れをたどった。
3月12日週までの継続受給者数は217.9万人と、前週の221.8万人から減少した。2015年11月13日週以来の水準へ改善している。もっとも、2000年11月以来の低水準を記録した2015年10月24日週の214.6万件(修正値)を上回る水準を継続。被保険者に占める失業者の割合は5週連続で1.6%となり、1971年以来の水準をつけた。
米新規失業保険申請件数、労働市場の耐性を現す。
(作成:My Big Apple NY)
州別で増加が目立ったのは、カリフォルニア州で1359人増となり前週から増加に転じた。そのほか、ネブラスカ州で662人増、ワシントン州で503人増、オクラホマ州で318人増、バーモント州で285人増となる。減少が顕著だった州はニューヨーク州で1549人減となりヘルスケアや社会福祉のほか輸送、倉庫、建設で減少したと報告している。ニュージャージー州も1079人減で、事務職のほか廃棄物管理、小売、ヘルスケア、社会福祉、製造業で減少したと明かした。続いてオハイオ州は909人減、フロリダ州は852人減だった。
バークレイズのジェシー・ヒューウィッツ米エコノミストは、結果を受け「米3月雇用統計のサンプル週に継続受給者スは217.9万人と前月の当該週を下回った」と指摘し、失業率が改善する余地があるとの考えを示唆した。その上で、「労働市場は健全」と結ぶ。
▽米3月マークイット製造業PMI速報値、分岐点を回復も反発弱い
米3月マークイット・サービス業PMI確報値は51.0となり、市場予想の51.4を下回った。ただし債務上限引き上げ及び暫定予算交渉が行き詰まり、政府機関の閉鎖を余儀なくされて以来の分岐点割れを迎えた前月の49.7からは改善。内訳をみると雇用は前月を上回ったが、新規ビジネスの伸び率が50.8と統計開始以来で最低だった。総合PMIは51.1で前月の50.0から上昇し、2013年10月以来の50割れを回避した。
クリス・ウィリアムソン主席エコノミストは、結果を受けて「年初の2ヵ月間の弱含みに暖冬が挙がっていたため、サービス業が力強い反発を果たさなかったことは、失望を誘う」と振り返る。製造業PMIと合わせ「米1-3月期国内総生産(GDP)は前期比年率0.7%増にとどまり、2012年7-9月期以来の低水準となる見通し」だという。新規ビジネスの伸び率も「金融危機以来の弱さ」であるだけに、「最悪期はまだ先」とも指摘。唯一、明るい材料としては雇用が堅調だったため「米3月雇用統計は2月に続き、20万人超えのサインが点灯している」との見解を寄せた。
――米新規失業保険申請件数が低水準を続け、労働市場は健全そのものに見えます。米3月マークイット・サービス業PMIも良そうかとはいえ分岐点を回復していました。問題は賃金で、サービス業で伸びが顕著な食品サービスを含む娯楽・宿泊の2月平均時給が14.59ドルに対し製造業は25.58ドル、原油安で雇用の減少が著しい鉱業の26.51ドルと雲泥の差です。単に雇用増加だけで喜べない状況、と言えるでしょう。
(カバー写真:Pennsylvania National Guard/Flickr)
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