Dallas Manufacture Index Falls More Than Forecast.
米4月ダラス連銀製造業景況指数はマイナス13.9となり、市場予想のマイナス10より下げ幅を拡大した。原油先物が40ドル台を回復したものの、前月のマイナス13.6から改善が進まず。1月に2009年4月以来で最低となる前月のマイナス34.6 まで沈んだ後、最悪期を脱するものの16ヵ月連続でマイナス圏をたどる。項目別では新規受注が5ヵ月ぶりに分岐点を回復したほか、生産をはじめ稼働率など主要項目が改善し全体的にはヘッドラインが示すほど悪くない。雇用や賃金も上向き、回復へ向かっていると言えそうだ。詳細は、以下の通り。
・生産 5.8.4ヵ月ぶり高水準となり2ヵ月連続で分岐点乗せ>前月は3.3、6ヵ月平均は1.3
・出荷 7.1、2014年12月以来で最高となり2ヵ月連続で分岐点乗せ>前月は0.3、6ヵ月平均は1.2
・稼働率 8.2、6ヵ月ぶりの高水準となり2ヵ月連続で分岐点乗せ>前月は3.3、6ヵ月平均は1.8
・新規受注 6.2。5ヵ月ぶりに分岐点を回復>マイナス4.8、6ヵ月平均はマイナス5.4
・受注伸び率 マイナス0.7、分岐点割れを継続>前月はマイナス11.7、6ヵ月平均はマイナス11.2
・設備投資 1.6、3ヵ月ぶりに分岐点を回復>前月はマイナス0.9、6ヵ月平均は1.1
・在庫 マイナス2.9>前月はマイナス7.2、6ヵ月平均はマイナス7.8
・雇用 マイナス3.7、4ヵ月連続で分岐点割れ>前月はマイナス10.3、6ヵ月平均はマイナス1.4
・平均労働時間 マイナス1.0>前月はマイナス5.6、6ヵ月平均はマイナス0.6
・賃金 16.7、4ヵ月ぶり高水準>前月は14.7、6ヵ月平均は16.0
・仕入れ価格 5.5.2015年6月以来の分岐点を回復>前月はマイナス0.2、6ヵ月平均はマイナス5.0
・販売価格 マイナス6.6、17か月連続で分岐点割れ>前月はマイナス8.2、6ヵ月平均はマイナス2.7
ダラス連銀製造業景況指数、分岐点回復は遠い。
6ヵ月見通しは0.4と、4ヵ月ぶりに分岐点を回復した前月の6.1を下回った。再び分岐点割れを視野に入れている。ただ項目別では、悪材料ばかりではない。新規受注をはじめ生産、稼働率、受注伸び率、平均労働時間、仕入れ価格、販売価格、仕入れ価格が前月を上回った。一方で雇用のほか賃金、設備投資、在庫などが前月より弱い。
――原油先物が40ドル台を回復しながら、米4月ダラス連銀製造業景況指数は米4月フィラデルフィア連銀製造業景況指数と同じく、前月を下回りました。項目別では悪くないものの、見通し指数で雇用や設備投資などが上向かなかった点は懸念材料。見通し指数では米4月フィリーと一線を画しダラス連銀は内訳がまちまちで、少なくともダラス連銀管轄エリアでは原油安が一服しただけで製造業全体の景況が大幅に好転しそうにありません。
(カバー写真:Steve Johnson/Flickr)
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