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米失業保険申請件数は順風満帆も、製造業景況指数は失望的

by • April 28, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off2969

Jobless Claims And Manufacturing Index, Two Side Of Story.

米新規失業保険申請件数と、米4月カンザスシティ連銀製造業景況指数をおさらいしていきます。

米新規失業保険申請件数は4月23日週に25.7万件と、市場予想の26.0万件に届かず改善トレンドを示した。1973年11月以来の低水準を更新した前週の24.7万件(24.8万件から修正)は、上回る。米労働省は特殊要因を指摘していないが、同省は30万件割れが60週連続で、同じく1973年以来で最長とのコメントを寄せた。4週平均は25万6000件で、前週の26万750件から減少。1973年以来で最低を示す。

4月16日週までの継続受給者数は213.0万人と、前週の213.5万人から減少した。2000年以来の低水準を記録している。被保険者に占める失業者の割合は10週連続で1.6%となり、1971年以来の水準をつけた。

州別で増加が目立ったのはマサチューセッツ州で1653人増、IT関連の職が押し上げた。そのほかコネチカット州は1105人増、カリフォルニア州は1089人増、プエルトリコは476人増だった。一方で減少が顕著だった州はテキサス州で2539人減、ニューヨーク州で2519人減となり、特に事務・サポート、排水処理、修繕サービス、建設、輸送・倉庫、製造業が優勢に。そのほかイリノイ州で1631人減、ミシガン州で1577人減だった。

▽米4月カンザスシティ連銀製造業景況指数、14ヵ月連続で低下

米4月カンザスシティ連銀製造業景況指数はマイナス4となり、前月のマイナス6から下げ幅を縮めた。2009年4月以来で最低となる前月のマイナス12で、いったんの底打ちを示す。とはいえ、分岐点割れは14ヵ月連続。項目別動向は、生産や出荷がマイナス幅をせばめたものの、新規受注は前月と横ばいでマイナス圏を維持。雇用はむしろ、マイナス幅を拡大させた。仕入れ価格と販売価格は、それぞれ改善した。見通し指数は10となり、6ヵ月ぶりに分岐点割れを迎えた前月のマイナス2から大幅に改善した。

――さて、各連銀の製造業景況指数が出揃ったところで、星取表を確認していきましょう。

manufacturing

(作成:My Big Apple NY)

NY連銀製造業景況指数
9.56、2015年1月以来の高水準>前月は0.62

フィラデルフィア連銀製造業景況指数
マイナス1.6<前月は12.4、7ヵ月ぶりに分岐点を回復

ダラス連銀製造業景況指数
マイナス13.9、14ヵ月連続で分岐点割れ<前月はマイナス13.6

リッチモンド連銀製造業景況指数
14<前月は22、2010年4月以来の高水準

NY連銀が2ヵ月連続で飛躍的に改善したため他地区連銀製造業景況指数も後に続くのかと期待したら、むしろフィリーのように分岐点割れへ押し返されるものまで出てきました。米1−3月期国内総生産(GDP)速報値の民間投資を思い出すと、米4月ISM製造業景況指数が力強い数字を叩き出すとは、想定しづらい。製造業活動に、春が訪れる気配は未だ感じられません。

(カバー写真:Bromford/Flickr)

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