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米7月消費者信頼感指数は前月とほぼ変わらず、見通しは小幅低下

by • July 27, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off1399

Consumer Confidence Holds The Line In July.

米7月消費者信頼感指数、米7月マークイット製造業PMI速報値をおさらいしていきます。

米7月消費者信頼感指数は97.3となり、市場予想の96を上回った。前月の97.4(98.0から下方修正)とほぼ変わらず。内訳をみると、見通し指数83.3と5ヵ月ぶりの高水準だった前月の84.6を下回った。現況指数は118.3と前月の116.6(修正値)を上回り、直近で最高となる。米6月雇用統計が予想外に2015年10月以来のレベルへ急増したほか、米6月小売売上高など順調な個人消費を確認し、センチメントは安定的に推移した格好だ。

しかしBREXIT問題や年内の利上げ観測の台頭もあり、見通しには慎重となっている。

発表元であるカンファレンス・ボードのリン・フランコ経済指標ディレクターは、結果に対し「労働市場とビジネスの現況指数がわずかながら改善しており、経済がゆるやかなペースで拡大する可能性を示唆している」と振り返った。逆に見通しは労働市場、ビジネス、所得環境そろってやや下向いており「短期的には成長に慎重な楽観姿勢を持つ」と結んだ。

消費者信頼感指数、リセッション前の平均値103.5はまだ遠い。

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(作成:カンファレンス・ボードよりMy Big Apple NY)

今回は現状の労働市場に対し「職が豊富」から「職探しが困難」を引いたDIは、0.7だった。前月のマイナス0.5から反転している。以下は、結果の詳細。

ビジネス環境については、「良い」と「悪い」が上昇
「良い」28.1%→前月の26.8%から上昇、前年同月は23.4%
「悪い」19.0%→前月の18.3%から上昇、前年同月は18.2%

労働市場については「豊富」が上昇し、「困難」が低下、DIは前月からプラス反転
「職が豊富」23.0%→前月の23.2%から低下、前年同月は19.9%
「あまり職が豊富ではない」54.7%→前月の53.1%から上昇、前年同月は52.7%
「職探しが困難」22.3%→前月の23.7%から低下、前年同月は27.4%

6ヵ月先のビジネス環境への見方は「良くなる」が低下し「悪化する」が上昇、ただ後者は1年前の水準を超えたままだ
「良くなる」15.9%→前月の16.6%から低下、前年同月は153%
「悪化する」12.3%→前月の11.2%から上昇、前年同月は10.3%

6ヵ月先の労働市場への見方は「増加」が上昇し「減少」が低下したが、「減少」が11ヵ月連続で「増加」を上回る
「雇用が増加する」14.0%→前月の13.9%から上昇、前年同月は13.7%
「雇用が減少する」17.0%→前月の17.7%から低下、前年同月は19.0%

6ヵ月先の所得への見方は「増加」と「減少」がそろって低下
「増加する」16.6%→前月の18.2%から低下、前年同月は17.0%
「減少する」10.8%→前月の11.3%から低下、前年同月は11.3%
「変わらない」72.6%→前月の70.5%から上昇、前年同月は71.7%

購入見通しは、低金利を背景に自動車を除いて上昇した。住宅は4.9%と前月の4.8%から改善。主要機器は48.3%と前月の4ヵ月ぶりの低水準から上向いている。ただし、自動車は10.8%と、前月の12.7%を下回り直近で最低だった。

▽米7月マークイット製造業PMI速報値、5ヵ月ぶりの分岐点割れを意識

米7月マークイット・サービス業PMI速報値は50.9となり、市場予想の52を下回った。前月の51.4にも届かず。2月(49.7、債務上限引き上げ及び暫定予算交渉の行き詰まりで政府機関が閉鎖された2013年以来の分岐点割れ)以来の低水準となる。総合PMIは51.5となり、前月の51.2を上回った。2013年10月以来の50割れを回避し続けている。

ISM非製造業景況指数は6月に大幅改善も、マークイットは7月に低下

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(作成:My Big Apple NY)

アンドリュー・ハーカー・シニアエコノミストは、結果を受けて「7~9月期の期初に低迷した水準を保ち新規ビジネスも抑制的で、米7月マークイット製造業PMIに反し失望を誘う」と振り返った。わずかな好材料としては「ビジネス信頼感」を指摘。米大統領選の行方が不透明ながら、現状のソフトパッチから脱皮する可能性があるという。

――米7月消費者信頼感指数はBREXITを経て、思いのほか堅調です。見通しが鈍化したとはいえ小幅にとどまり、米経済が大きく減速に傾く気配はみられず。英7月マークイット・サービス業PMIがBREXIT後に2009年以来の水準に下振れしたものの、米国のサービス業指数は5ヵ月ぶりの50割れをうかがう程度にとどまりました。今のところ米経済が目に見えて弱含む兆候は表れていないため、ハト派寄りのエコノミストが米連邦公開市場委員会(FOMC)声明文公表で利上げ示唆を挟み込との予想を修正させたのも頷けます。それでも筆者は、英経済のBREXIT効果が織り込まれていないため明確な利上げ示唆はなしと予想しますが、果たしてどうなるでしょうか?

ちなみに8月に相場が急変するリスクにも、注意が必要です。ファンドストラトのトム・リー氏によると、S&500の8月平均リターンは2009年以降でマイナス6%。S&P500が20日以降、ザラ場での最高値を更新できていないのも、そろそろガス抜きのタイミングと市場が見ているからでしょうか。

(カバー写真:Kent Kanouse/Flickr)

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