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米6月耐久財受注や米6月貿易収支・速報値、予想より鈍いQ2成長率を示唆

by • July 29, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off1748

Durable Goods Orders Suggest Moderate Q2 Growth.

米6月耐久財受注、米7月カンザスシティ連銀製造業景況指数、米6月貿易収支・速報値をおさらいしていきます。

米6月耐久財受注は前月比4.0%減となり、市場予想の1.4%減より下げ幅を広げた。2014年8月以来の減少率で、前月の2.8%増(2.3%減から下方修正)を含め2ヵ月連続で落ち込んでいる。過去6ヵ月間で3回目の減少となった。防衛財が20.7%減と前月の30.2%減を含め2ヵ月連続で減少。輸送機器もマイナスが続いた。

輸送用機器は10.5%減となり、前月の7.1%減(修正値)を下回った。2ヵ月連続で減少。民間航空機が押し下げており、自動車はプラス圏へ反転している。

・民間航空機 58.8%減<前月は5.5%減、6ヵ月平均は0.8%減
・自動車 2.6%増>前月は3.1%減、6ヵ月平均は0.3%減

輸送用機器を除く場合は0.5%減となり、市場予想の0.3%増に届かず。前月の0.4%減(0.3%減より下方修正)を含め2ヵ月連続で減少し、過去6ヵ月間で4回目の増加を示す。

コア資本財(企業の設備投資を示す航空機を除いた非防衛財)は0.2%増と、市場予想に並んだ。前月の0.5%減(0.4%減から下方修正)から転じ、過去6ヵ月間で3回目の増加となる。内訳をみると、米6月鉱工業生産が改善した割に、製造業や鉱業が弱い。

(増加項目)
・電気機器 0.8%増、6ヵ月ぶりに増加>前月は0.2%減、6ヵ月平均は0.7%減

(減少項目)
・コンピューター/電子機器 2.2%減、2ヵ月連続で減少<前月は1.0%減、6ヵ月平均は0.2%減
・一次金属 1.3%減、3ヵ月連続で減少=前月は1.3%減、6ヵ月平均は0.2%減
・組み立て金属 0.3%減<前月は3.6%増、6ヵ月平均は0.3%増
・機械 0.1%減<前月は0.8%増、6ヵ月平均は±0%

耐久財出荷は前月比0.4%増となり、前月の0.3%減(修正値)から転じた。過去6ヵ月間で3回目の増加となる。国内総生産(GDP)に反映されるコア資本財は0.4%減となり、市場予想の0.4%増のところ減少に反転。前月の0.5%減を含め、過去6ヵ月で4回目の減少を迎えた。

コア資本財は受注と出荷ともに弱く、引き続きGDPにネガティブ。

durablegoods
(作成:My Big Apple NY)

耐久財在庫は0.2%減となり、前月の0.4%減に続き年初来からの減少基調を維持した。2015年12月の1回のみ増加していない状況で変わらず。在庫が減少し出荷が増加したため、在庫相当は前月の1.65ヵ月から1.64ヵ月へ短縮した横ばいだった。

BNPパリバのブリックリン・ドワイヤー米エコノミストは、結果を受けて「コア資本財受注の3ヵ月比年率は6.6%減となり、同出荷も0.4%減」と振り返る。4~6月期GDPの機器投資でみれば「前期比年率1.7%減」を予想1~3月期から大きく下げ幅を縮小するが、3期連続でのマイナスとなる見通しだ。

▽米6月貿易赤字・速報版は、予想以上の赤字

米6月貿易収支・速報版は633.19億ドルの赤字となり、市場予想の610億ドルを上回った。前月の611億ドル(606億ドルから修正)も超え、2015年8月以来の高水準。過去2ヵ月分では、合わせて30億ドルの赤字拡大となる。輸出が前月比0.9%増(前年比4.5%減)の1202.05億ドルだった半面、輸入が同1.8%増(前年比3.7%減)の1835.24億ドルとなり、赤字が拡大した。輸入の増加は原油価格の上昇が一因であり、原油を含む産業財は5.7%増と突出して大きい。

▽米7月カンザスシティ連銀製造業景況指数、再び分岐点割れ

米7月カンザスシティ連銀製造業景況指数はマイナス6となり、市場予想の4を下回った。16ヵ月ぶりに分岐点を回復した前月の2に届かず、分岐点割れへ切り返した。なお3月には、2009年4月以来で最低となる前月のマイナス12を示していた。

製造業景況指数が一通り公表されたので、星取表を確認していきましょう。5地区連銀中、分岐点乗せはNY連銀とリッチモンド連銀の2行のみとなっています。

manufacturing
(作成:My Big Apple NY)

・NY連銀製造業景況指数
0.55<前月は6.01

・フィラデルフィア連銀製造業景況指数
マイナス2.9<前月は4.7、3ヵ月ぶりに分岐点乗せ

・ダラス連銀製造業景況指数
マイナス1.3>前月はマイナス18.3

・リッチモンド連銀製造業景況指数
10、3ヵ月ぶりに分岐点を回復>前月はマイナス10

・マークイット製造業PMI

52.9>前月は51.4

――米6月耐久財受注を含めて製造業景況指数を振り返ると、米7月ISM製造業景況指数が大幅に改善する公算は小さいでしょう。アトランタ地区連銀は1)米6月耐久財受注、2)米6月貿易収支・速報値を勘案した上で、4~6月期GDP予想を従来の2.3%増から1.7%増へ下方修正。一時は2.9%増に至った成長率は、引き続き緩やかなペースにとどまる見通しです。

(カバー写真:Lawrence Whittemore/Flickr)

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