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米8月NFIB中小企業楽観度指数、年初来で最高だった前月から低下

by • September 14, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off2675

NFIB Small Business Optimism Falls From The Highest This Year.

米8月NFIB中小企業楽観度指数は94.4 となり、市場予想の98.8を下回った。年初来で最高だった前月の94.6以下となり、上昇トレンドを4ヵ月で止めている。ただ、2006年10月以来の高水準でありリセッション前の平均値100を回復した2014年12月の100.4でピークアウトした状況が続く。なお同指数は、米連邦準備制度理事会(FRB)が公表する労働市場情勢指数(LMCI)に含まれる。

発表元である全米独立企業盟(NFIB)のウィリアム・ダンケルベルグ主席エコノミストは、「またしても、中小企業の楽観度は力強さを示せなかった」と振り返る。背景として「政治的な不透明感が経済の進展を抑制している」とまとめた。

楽観度指数、リセッション前の平均値を回復した後は伸び悩み。

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(作成:My Big Apple NY)

内訳をみると、13項目中プラス圏にのせた項目は8項目となり、6~7月の7項目から増加した。今回は「販売価格の上昇」がプラス圏を回復し、「在庫を増加させる」もゼロから1%へ切り返した。そのほか「求人件数」、「設備投資を拡大する」、「事業拡大に良いタイミング」が前月を上回った。一方で、「売上の拡大を予想」はマイナス圏へ下振れ。マイナス圏では「経済が良くなる」、「黒字トレンドにある」がそろって下げ幅を広げた。以下は、項目ごとの変化。

「求人件数」30%→ 前月の26%から上昇、6ヵ月平均は28%
「設備投資を拡大する」28%→前月の25%から上昇、6ヵ月平均は25%
「賃金」24%→前月の24%と変わらず、6ヵ月平均は24%
「賃上げ見通し」14%→前月の12%から低下、6ヵ月平均は15%
「雇用を増加させる」9%→ 前月の12%から低下、6ヵ月平均は11%
「事業拡大に良いタイミング」9%→ 前月の8%から上昇、6ヵ月平均は8%
「販売価格の上昇」3%→前月の−2%から上昇、6ヵ月平均は0%
「在庫を増加させる」1%→ 前月の0%から上昇、6ヵ月平均は−1%

「売上の拡大を予想」−1%→ 前月の1%から低下、6ヵ月平均は1%
「在庫満足度」−2%→ 前月まで3ヵ月連続で−4%、6ヵ月平均は−4%
「信用状況が緩和する」−5%→ 前月の−5%と変わらず、6ヵ月平均は−6%
「経済がより良くなる」−12%→ 前月の−5%からあっか、6ヵ月平均は−12%
「黒字トレンドにある」−23%→ 前月の−21%から悪化、6ヵ月平均は−21%

▽米8月財政赤字は小幅に予想以下、歳出と歳入がそろって増加

米8月財政収支は1071.12億ドルの赤字となり、市場予想の1080億ドルより赤字幅を縮小した。前年同月の644.12億ドルの赤字からは、66.3%増加。歳出が23.0%増の3284.38億ドルだったものの、歳入が9.7%増の2313.27億ドルだったため予想以下の赤字にとどまった。

年度初来(2015年10月~2016年7月)までの財政赤字は前年同期比17.1%増の6207.71億ドルと、6ヵ月連続で増加を示す。CBOの予想では、2016年度(2015年10月~2016年9月)の財政赤字は5440億ドル。2015年度の財政赤字は9%減の4390億ドルと2007年以来で最低だったが、7年ぶりに増加する見通しだ。2015年12月に企業向け優遇税制法案が通過したほか、2015年11月に合意した2017年度までの予算案で強制削減を上回る支出を承認し、裁量支出も2016年度に500億ドル、2017年度に300億ドル増額することを盛り込んだため、赤字拡大が見込まれている。

――米8月NFIB中小企業楽観度指数で、GDPの46%を占める中小企業は伸び悩みを続けています。今回、「雇用の増加」をはじめ「賃金」などの項目が軟調で、米8月雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)が鈍化した動きと整合的。米8月ISM製造業景況指数米8月ISM非製造業景況指数もそろって失速し始めており、足元の利上げ警戒と重なって企業のセンチメントを押し下げる懸念がくすぶります。

(カバー写真:Chris Goldberg/Flickr)

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