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米10月耐久財受注、強気なQ4成長予想を後押し

by • November 29, 2016 • Finance, Latest NewsComments Off1213

Durable Goods Orders Support Strong Q4 Growth Outlook.

米10月耐久財受注、米10月貿易収支・速報値をおさらいしていきます。

米10月耐久財受注は前月比4.8%増となり、市場予想1.7%増を上回った。前月の0.4%増(0.3%減から上方修正)を含め、4ヵ月連続で増加しただけでなく1年ぶりの高い伸びとなる。

輸送用機器が12.0%増となり、前月の0.7%増(修正値)を含め4ヵ月連続で増加した。民間航空機が牽引しており、自動車は3ヵ月ぶりに減少している。防衛財は3.7%減と前月の8.1%減に続き減少、7~8月の2桁増から反動減が続く。

・民間航空機 94.1%増>前月は30.3%増、6ヵ月平均は18.0%増
・自動車 0.6%減<前月は0.8%増、6ヵ月平均は±0%

輸送用機器を除く場合は1.0%増となり、市場予想の0.2%増を上回った。前月の0.2%増(0.1%増から上方修正)も超え、過去6ヵ月間で3回目の増加となる。

コア資本財(企業の設備投資を示す航空機を除いた非防衛財)は0.4%増と、市場予想の0.3%増を超えた。前月の1.4%減(1.3%減から下方修正)を上回り、過去6ヵ月間で4回目の増加を示す。ただ内訳をみると、米10月鉱工業生産とは裏腹に、製造業を中心に全般に堅調だった。

(増加項目)
・電気機器 2.3%増>前月は0.2%増、6ヵ月平均は0.8%増
・組み立て金属 2.2%増>前月は0.5%減、6ヵ月平均は0.4%増
・コンピューター/電子機器 0.9%増>前月は1.5%減、6ヵ月平均は0.1%減
・機械 0.2%増>前月は1.1%増、6ヵ月平均は0.5%増

(減少項目)
・一次金属 0.1%減<前月は0.8%増、6ヵ月平均は0.1%減

耐久財出荷は前月比0.1%増となり、前月の0.8%増(修正値)を含め2ヵ月連続で増加した。過去6ヵ月間で3回目の増加となる。国内総生産(GDP)に反映されるコア資本財は0.2%増となり、市場予想の0.1%増を上回った。前月の0.4%増に続き、3ヵ月連続で増加している。

コア資本財、前年比では減少を継続。

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(作成:My Big Apple NY)

耐久財在庫は±0%となり、前月と変わらず。出荷の増加率が小幅だったため、在庫相当は前月に続き1.64ヵ月だった。

▽米10月貿易収支・速報値は赤字拡大、食品を中心に輸出が減少も輸出は増加

米10月貿易収支・速報値は619.99億ドルの赤字となり、市場予想の590億ドルを上回った。前月の565.40億ドル(561億ドルから修正)も超え、赤字が拡大。2015年8月以来の高水準だった6月の645.38億ドル(修正値)に近い水準へ戻した。輸出が前月比2.7%減の1220.68億ドルと、減少に反転。ブラジルの悪天候に伴う大豆の輸出急増が落ち着いたため食品のほか、自動車や資本財など幅広く減少している。輸入は同1.1%増の1840.58億ドル。消費財やその他が牽引した。

――アトランタ連銀は足元、米10~12月期GDPを3.6%増と予測し強気そのものです。NY連銀も11月25日に1.6%増から2.4%増へ上方修正し、追い風を感じさせます。トランプノミクスを手掛かりに、企業が投資へ振り向けるのか。仮に減税策を講じたとしても、株主還元策に向け社債発行など借入を進めている事情もあり返済に充てる可能性は否定できません。

(カバー写真:Futura Ind./Flickr)

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