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米1月ISM製造業景況指数、トランプ政権発足で14年11月以来の水準へ勢いづく

by • February 2, 2017 • Finance, Latest NewsComments Off1936

Manufacturing Sentiment Surges As Trump’s Presidency Starts.

米1月ISM製造業景気指数、米1月マークイット製造業PMI確報値、米12月建設支出をおさらいしていきます。

米1月ISM製造業景況指数は56.0となり、市場予想の55.0を上回った。前月の54.7を超え、5ヵ月連続で分岐点に乗せただけでなく2014年 11月以来の水準をを達成している。内訳をみると新規受注や生産、雇用などが直近で最高をつけるなど、軒並み好調だった。詳細は、以下の通り。

・新規受注 60.4、2014年10月以来の高水準で5ヵ月連続にて分岐点乗せ>前月は60.3、6ヵ月平均は56.1
・生産 61.4、2014年11月以来の高水準で5ヵ月連続にて分岐点乗せ>前月は60.3、6ヵ月平均は54.8
・雇用 56.1、2014年8月以来の高水準で5ヵ月連続にて分岐点乗せ>前月は53.1、6ヵ月平均は49.3

・在庫 48.5、18ヵ月連続で分岐点割れ>前月は47、6ヵ月平均は49.5
・新規輸出受注 54.5<前月は56.0と直近で最高、6ヵ月平均は52.5
・仕入れ価格 69.0、2011年5月以来の高水準>前月は65.5、6ヵ月平均は55.0

・入荷時間 53.6>前月は53.0、6ヵ月平均は51.8
・受注残 49.5、6ヵ月連続で分岐点割れ>前月は49.0、6ヵ月平均は48.0

ISMの雇用に合わせ、米雇用統計・非農業部門就労者数(NFP)の製造業も改善か。

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(作成:My Big Apple NY)

ISMのブラッドリー・ホルコム会長は、結果に対し「18業種のうち12業種で拡大した」と説明、2016年11~12月の1業種から増えたと明かした。また「需要とビジネス環境に前向きなコメントが寄せられた」といい、ヘッドライン通り製造業活動に明るさが増したとの考えを示した。

▽米1月マークイットPMI・確報値、2015年3月以来の高水準

米1月マークイット製造業PMI確報値は55.0と、市場予想並びに速報値の55.1とほぼ変わらなかった。前月の54.3も超え、2015年3月以来の高水準を示す。今回は新規受注が2年4ヵ月ぶりの水準へ上振れしたほか、仕入れ価格も2014年9月以来のレベルへ上昇。生産も寄与したが、逆に雇用は2005年6月以来の水準へ上振れした前月から鈍化した。

クリス・ウィリアムソン主席エコノミストは、結果を受け「ドル高の影響で輸出受注は鈍化したものの、新規受注は約2年半ぶりの水準へ上向いた」と評価した。また「見通し指数は2016年3月以来の高いレベルに達し、明るさを増している」という。生産活動も需要の拡大に合わせ加速し、成長率を押し上げる見通しで「Fedはまもなく追加利上げを行う」と予想した。

ISMとマークイット、そろって強含み。

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(作成:My Big Apple NY)

――ISM製造業景況指数の雇用は2014年8月以来の高水準を示し、米1月雇用統計の製造業は前月比で減少を示した12月から改善する見通しです。米1月ADP全国雇用者数も7ヵ月ぶりの高水準を達成し、1月の米連邦公開市場委員会(FOMC)が様子見した割に経済指標は強含む公算。2月14~15日に予定するイエレンFRB議長による旧ハンフリー・ホーキンス証言でタカ派へにじり寄るか、注目です。

▽米11月建設支出、民間の住宅と公共がけん引し増加に反転

米11月建設支出は前月比0.2%減の年率1兆1,821億ドルとなり、市場予想の0.2%増に反する結果となった。前月の0.9%増から転じ、3ヵ月ぶりに減少。内訳をみると、住宅が0.4%増と3ヵ月連続で増加したものの、非住宅が0.7%減と減少に転じた。建設支出の前年比は4.2%増と、前月の4.1%増(速報値ベース)を含め増加トレドを保った。

民間は前月比0.2%増と、11月の1.0%増を含め3ヵ月連続で増加した。住宅が0.5%増と3ヵ月連続で増加したほか、非住宅は±0%と横ばいに転じている。非住宅の内訳をみると11項目中、4項目が増加し前月の8項目から減少。通信やオフィス、電力、娯楽、商業が増加した。一方で宗教が大幅な落ち込みを見せ、宿泊、輸送、製造業など7項目が弱含んだ。

公共は1.7%減と、前月の0.7%増を下回り5ヵ月ぶりに減少した。住宅が3.8%減と前月の7.0%減に続き増加したほか、非住宅も1.7%減と5ヵ月ぶりに増加に転じた。非住宅のうち12項目中、公共安全の1項目のみ増加し前月の8項目を下回った。

――米12月建設支出が予想外に弱かったものの、他指標が相殺しアトランタ地区連銀は1~3月期GDP予測値を1月30日時点の2.3%増から3.4%増へ大幅に上方修正しました。個人消費という牽引役に企業の設備投資の回復が加わり、2016年7~9月期に続き3%成長となる見通し。なお2016年10~12月期GDP速報値は、直前の同行の予測値2.9%増と1%ポイントも乖離してしまいました。

GDP予測値を算出する東の雄、NY連銀はというと2016年10~12月期GDP速報値の公表直前に出した予測値は2.1%増と、ニアピンでした。直近で1~3月期GDP予測値を2.7%増としていますが、アトランタ地区連銀と方向性は同じで力強い回復を見込んでいます。

(カバー写真:Michael Tapp/Flickr)

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