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米3月新車販売台数、インセンティブ奏功せず約2年ぶりの水準へ減速

by • April 4, 2017 • Latest News, NY TipsComments Off1185

U.S. Auto Sales Fall To 2-Year Low, Even With Big Incentives.

ワーズオートが発表した米3月新車販売台数は、年率換算1,653万台と市場予想の1,730万台を下回った春の到来に合わせ本来であれば販売台数の加速が期待されるところ、2月の1,747万台から大きく落ち込み2015年2月以来の低水準を示す。3月は米連邦公開市場委員会(FOMC)の出席者が直前に3月利上げの地均しを行い金利が上昇したほか、3月半ばには北東部を中心に豪雪に見舞われたため販売台数を押し下げたとみられるなお、ワーズオートの数字は米国内総生産(GDP)の算出に使用される。

オートデータが発表した米3月新車販売台数は、前年同月比1.6%減の155万5,859台だった。営業日数は、1~2月と同じく前年同月比較で変わっていない。年率では1,662万台と、前月の1,758万台を下回り少なくとも前年同月の1,667万台を下回った。

車種ではSUVやトラックが引き続き底堅い。販売奨励金(インセンティブ)効果が一因だが、セダンや小型車が煽りを受けた状況が続く。ガソリン価格は原油先物が2016年半ば以来の54ドル台を回復する過程で、一時2.341ドルと2015年秋ごろの水準で高止まりしていた。

新車販売台数、直近はインセンティブ頼みの状況。

newautosales

(作成:My Big Apple NY)

ケリー・ブルー・ブックによると、平均販売価格は前年同月比1.7%上昇の3万4,342万ドル(約380万円)と、前月の2.3%以下の伸びにとどまった。前月比では0.4%下落し、前月の0.9%の下落と合わせ3ヵ月連続でマイナスをたどり、自動車メーカーが値下げに踏み切った様子が伺える。メーカー別の平均価格を前月比でみると1月に続きホンダやスバルが上昇し、そのほかトヨタやゼネラル・モーターズが入った。一方で売れ行きが絶好調な日産、SUVの売れ行き不振が目立つフィアット・クライスラーの下落、そのほかフォード、フォルクスワーゲン、ヒュンダイ・キアなども値下がりをみせた。前年比ではGM、トヨタ、VWが下落した。

自動車メーカー別ではGMと日産の販売台数が前年比で増加し、日産のみ市場予想を上回った。その他は全て減少フォード、フィアット・クライスラー、トヨタ、ホンダはそろって市場予想に届かなかった。

以下、米国をはじめメーカー別動向。

【GM】
GMは前年同月比1.6%増の25万6,224台と、市場予想の7.0%増を下回りつつ2ヵ月連続で増加した。小売販売台数は5.0%増の20万3,3113台と、こちらも2ヵ月連続で増加している。全体の新車販売台数で4大ブランド別をみると、前月に続き2ブランドで増加した。小売販売台数でも2ブランドで増加し、キャデラックのみ落ち込んだ前月の3ブランドから減少している。年間の販売台数をめぐっては、特に言及せず。2月は3年連続で過去最高を更新するか過去最高近くに到達するとし、1月より若干強気な見通しを後退させた。

・ビュイック 15.1%増の2万957台、3ヵ月ぶりに増加
→主力のSUV「アンコール」が29.1%増の8,293台と4ヵ月連続で全体を支えたほか、新型「エンビジョン」が3,584台と堅調で、「エンクレーブ」の減少トレンドを抑えた。小売販売台数は22.1%増の1万9,257台と、2ヵ月連続で増加した。

・GMC 12.0%増の4万9,948台、5ヵ月連続で増加
→SUVの「アカディア」が84.0%増の1万1,432台と3」ヵ月連続で大幅増となり、主力SUV「シエラ」の14.3%減の1万8,460台や「キャニオン」の13.1%減の2,490台の減少を相殺した。小売販売台数は3.1%減の3万9,048台と減少に転じた。

・キャデラック 1.5%減の1万2,861台、3ヵ月連続で減少
→主力セダンの「XTS」が34.0%減の1,484台と弱含んだほか、その他も減少が続き軒並みマイナスだった。小売販売台数は3.6%減の1万1,103台と2ヵ月連続で減少した。

・シボレー 2.2%減の17万2,458台、減少に反転
→ガソリン価格の下げ渋りを一因に小型車「クルーズ」が88.3%増の1万8,607台と3ヵ月連続で支えた。他はまちまちでトラックの「タホー」が19.0%増の9,112台、SUVの「エキノックス」も5.5%増の2万2,671台と2ヵ月連続で増加した半面、主力のSUV「シルバラード」は11.6%減の4万2,410台と減少に転じた。小売販売台数は6.2%増の13万3,705台と前月から増加に転じた。

【フォード】
フォードは前年同月比7.2%減の23万6,250台となり、市場予想の5.9%減より下げ幅を広げ3ヵ月連続で減少した。2大ブランド別では、フォードが4ヵ月連続で減少し、リンカーンは7ヵ月ぶりに落ち込んだ。なお同社は2016年1月、日本とインド市場から撤退を決定した。詳細は、以下の通り。

・フォード 7.5%減の22万6,696台、4ヵ月連続で減少
→アルミ製ボディのトラック「Fシリーズ」が10.1%増の8万1,330台と、単月ベースでは2004以来で最高を記録した。SUVは弱く「エクスプローラー」が6.4%減の2万232台と4ヵ月ぶりに減少したほか、「エスケープ」も1.4%減の2万8,113台と減少に転じた。小型車は前月に続き振るわず「フォーカス」は22.5%減の1万4,437台と10ヵ月連続で減少、「フュージョン」も36.8%減の1万8,759台と8ヵ月連続で減少した。

・リンカーン 1.4%減の9,554台、7ヵ月ぶりに減少
→主力の「MKZ」は±0%の2,479台と横ばいに転じたところ他は減少が目立ち、「MKC」のみ16.8%増の2,284台と好調だった。

【フィアット・クライスラー】
フィアット・クライスラー・オートモビルは前年同月比5%減の19万254台となり、市場予想の0.4%増から転じマイナスに落ち込んだ。2016年9月に増加トレンドを78ヵ月で止めた後、7ヵ月連続で前年比マイナスとなる。5大ブランド別では2016年9月~2017年1月までラムの1ブランドだったが、今回はドッジに加わり2ブランドとなった。詳細は、以下の通り。

・ラム 6%増の5万1,749台、10ヵ月連続で増加
→主力の「ラム」が6%増の4万6,384台と7ヵ月連続で増加した程度で、前月減少した「プロマスター・バン」は24%増の4,048台と改善した。

・ドッジ 10%増の5万76台、7ヵ月ぶりに増加
→主力の「ジャーニー」が100%増の1万1,858台と4ヵ月連続で増加したが、「キャラバン」が19%増の1万5,602台と6ヵ月連続で減少した。ただ「チャージャー」は、6%減の8,236台と4ヵ月ぶりに減少した。

・ジープ 11%減の6万7,983台、7ヵ月連続で減少
→「チェロキー」が11%減の1万4,589台と減少トレンドを維持したほか、「ペイトリオット」も36%減の5,968台と5ヵ月連続で減少した。前月まで増加していた「ラングラー」も7%減の1万6,336台、「レネゲード」も9%減の8,065台と減少に反転。一方で「グランド・チェロキー」のみ、22%増の2万374台と4ヵ月連続で増加した。

・クライスラー 33%減の1万6,969台、14ヵ月連続で減少
→新型「パシフィカ」が9,340台だったものの、セダンの「200」が48%減の2,565台と減少トレンドをたどった。

・フィアット 5%減の2,922台、15ヵ月連続で減少
→「500」が12%増の1,671台だったが、「500X」や「500L」など引き続き2桁減で全体の重石となった。新型「スパイダー」は419台にとどまり、全体を牽引するほどの馬力をみせていない。

自動車メーカー別、米国市場シェアはGMが16.5%で首位を堅持。2位はフォードで15.1%、3位のトヨタは13.8%、4位はフィアット・クライスラーが12.2%に入り日産は11.6%へ低下した。

USA auto brand market share chart March 2017
(出所:Good Car Bad Car)

【トヨタ】
トヨタは2.1%減の21万5,224台と、市場予想の1.2%減から下げ幅を広げ3ヵ月連続で減少している。ブランド別ではトヨタが3ヵ月ぶりに減少に反転、レクサスは4ヵ月連続で減少した。詳細は、以下の通り。

・トヨタ 1.2%減の18万7,289台、2ヵ月連続で減少
→SUVやトラックが回復、販売・生産を打ち切ったSUV「RAV4」が10.3%増の3万2,027台と5ヵ月連続で増加し単月で過去最高を更新した。「ハイランダー」も20.8%増の1万8,058台と、7ヵ月連続で増加し単月で過去最高の記録を塗り替えている。さらに「4ランナー」まで25.5%増と1万2,045台と、力強い伸びを達成した。しかしセダンが足を引っ張り「カローラ」が6.1%減の3万2,707台と4ヵ月連続で減少、「カムリ」も3.6%減の3万5,648台と10ヵ月連続で減少した。

・レクサス 7.5%減の2万7,935台、5ヵ月連続で減少
→乗用車部門が弱く28.2%減の9,790台と、4ヵ月連続で落ち込み7車種中全て減少した。SUVやトラックが9.5%増の1万8,145台と3ヵ月ぶりに増加し、4車種中3種でプラスだった。

【ホンダ】
ホンダは前年同月比0.7%減の12万1,686台となり、市場予想の4.9%増に反し5ヵ月ぶりに減少した。2大ブランド別では、ホンダが1.8%増の12万5,531台と2ヵ月連続で増加した。特に「CR-V」が23.0%増の3万2,872台と、単月で過去最高を塗り替えている。もっとも、「シビック」が4.1%減の3万1,520台と2ヵ月連続で減少しホンダ全体の売上の伸びを抑えた。アキュラは21.2%減の1万1,696台と、前月に続き減少した。

【日産】
日産は3.2%増の16万8,832万台となり、市場予想の2.8%増を上回った。2大ブランドでは日産、インフィニティが1~2月に続きそろって増加した。詳細は、以下の通り。

・日産 0.5%増の15万2566台、5ヵ月連続で増加し単月で過去最高
→SUVで主力の「ローグ」が42.6%増の3万9,512台となり、映画公開が終わった後も「ローグ・ワン/スターウォーズ」限定版のフォースが働いた。「パスファインダー」も19.8%増の1万442台と、前月に続き2桁増を維持。一方で「ムラノ」は15.5%減の7,317台と、3ヵ月連続で2桁減だった。主力セダンでは「マキシマ」が5.7%増の6,961台と増加に転じたが、「アルティマ」は18.2%減の2万8,511台と5ヵ月連続で減少した。

・インフィニティ 32.6%増の1万8,266台、5ヵ月連続で増加
→セダンの「Q60」が10倍以上に増加し1,829台だったほか、「Q50」が32.0%減の3,800台と4ヵ月ぶりに減少した意外では増加が優勢。SUVでは「QX60」が2.2%減の3,821台と2ヵ月連続で減少したが、その他のQシリーズは増加した。

その他の海外メーカーは、以下の通り。

・フォルクスワーゲン(VW) 2.7%増の2万7,635台、5ヵ月連続で増加
→排ガス不正が発覚した2015年9月に続き同年11月にはガソリン車にも火種が及んだ影響からか以降は11ヵ月連続で減少しつつ、2016年11月から5ヵ月連続で増加した。アウディは1.7%増の1万8,705台と増加トレンドをたどる。グループ全体では2.6%増の4万6,695台と5ヵ月連続で増加した。

・テスラ(推計値)は45.9%増の4,050台、増加トレンドを維持
・ヒュンダイは8.0%減の6万9,265台
・キアは15.2%減の4万9,429台と3ヵ月連続で減少

自動車メーカーからディーラーへの1台当たりインセンティブは前年同月比13.4%増の3,511ドルとなり、2月の3,443ドル(13.5%増)を上回った。前年比で2桁増を示し、2016年10月~2017年2月に続き新車販売台数がインセンティブ拡大に支えられていることが分かる。前年比での伸び率はもともとインセンティブが非常に低かったスバルが58.6%の上昇と群を抜き、2位はホンダ(27.0%の上昇)、3位はGM(21.4%の上昇)だった。メーカー別のインセンティブ費用はGMが桁違いで断トツの1位、2位がフォード、3位がフィアット・クライスラーと米系が続き、4位に日産が入る。最低は1桁少ないスバルだった。

incentive

incentive1
(出所:Truecar)

高級車部門別ランキングは、以下の通り(%は全て前年比)。今回、高級車御三家のメルセデス・ベンツ、BMW、レクサスがトップ3を維持した。トップ3では年初から変わらずメルセデス・ベンツが1位、BMWが2位、レクサスが3位となる。そのほかキャデラックが7位に浮上し、アキュラが8位へ転落した。

1位 メルセデス・ベンツ 2.3%増の3万1,963台
→3月は3ヵ月連続で1位、年初来でも4.3%増の8万6,574台と首位。2016年は前年比0.4%増の37万4,541台で、2015年に続きトップの座に堅持した。なお2013年は1位だったが、2014年ではBMWに1位を明け渡していた。

2位 BMW 1.5%増の3万1,015台
→3月は3ヵ月連続で2位、年初来でも7万1,682台で2位。2016年は9.5%減の31万3,174台で3位、2015年は1.8%増の34万6023台で首位の座を宿敵メルセデス・ベンツに明け渡していた。2014年では1位、2013年は2位だった。

3位 レクサス 7.5%減の2万7,935台
→3月は3ヵ月連続で3位、年初来でも16.7%減の6万1,845台で3位。2016年は3.9%減の33万1,228台で2位に終わった。2015年は10.7%増の34万4601台で3位。2011年まで11年間連続で首位を飾ったが、東日本大震災後に順位を落とし2014年、2013年、2012年に続き3位にとどまる。

4位 ビュイック(GM)15.1%増の2万957台
→3月は2ヵ月連続で4位、年初来では7.5%減の5万205台で4位。2016年は2.9%増の22万9,631台、2015年も2.6%減の22万3055台で共に4位だった。

5位 アウディ(VW)1.7%増の1万8705台
→3月は2ヵ月連続で5位、年初来では8.8%増の4万5,647台と5位。2016年は4.0%増の21万213台、2015年は11.1%増の20万2202台で共に5位だった。

6位 インフィニティ 32.6%増の1万8,266台
→3月は3ヵ月連続で6位、年初来でも33.4%増の4万3,561台で6位。2016年は3.6%増の13万8,293台で8位だったが、順位を上げて2017年のスタートを切った。2015年は13.8%増の13万3498台で8位となる。

7位 キャデラック 1.5%減の1万2,861台
→3月は前月の8位から7位を奪回、年初来では4.6%減3万3,962台で7位。2016年は3.0%減の17万6台で6位だったが、「インフィニティ」に追い抜かれた。2015年は2.6%増の17万5,262台で、7位だった。

8位 アキュラ 21.2%減の1万1,766台
→3月は前月の7位から8位へ転落、年初来では16.1%減の3万1,762台で8位。2016年は8.9%減の16万1,360台で7位、2015年は5.6%増の17万7165台で6位に収まっていた。

新車販売台数:モデル別ランキング(%は前年同月比)で、日産「ローグ」が5位から4位へ浮上、代わりにホンダの「CRV」が5位から4位に転落した。他にはトヨタの「カローラ」が圏外に落ち込み、代わりに日産「アルティマ」がランクインした。

1位 Fシリーズ(フォード)10.1%増の8万1,330台、前月も1位
2位 ラム(フィアット・クライスラー)6.3%増の4万6384台 前月は3位
3位 シルバラード(GM)11.6%減の4万2,410台、前月は2位
4位 ローグ(日産)42.6%増の3万9,512台、前月も4位
5位 CR-V(ホンダ)23.0%増の3万2,872台、前月も5位

6位 Rav4(トヨタ)10.3%増の3万2,027台、前月は10位
7位 シビック(ホンダ)4.1%減の3万1,520台 前月は8位
8位 カローラ(トヨタ)6.1%減の3万584台 前月は圏外
9位 アルティマ(日産)18.2%減の2万8,511台、前月も9位
10位 Rav4(トヨタ)3.2%増の2万6,351台、前月は7位

SUV版:新車販売台数、ブランド別ランキング(%は前年同月比)は以下の通り。大きな変動はなく5位と6位が入れ替わったほか、10位にスバルの「アウトバック」が返り咲きジープの「チェロキー」が圏外に落ち込んだ。

1位 ローグ(日産)42.6%増の3万9,512台、前月も1位
2位 CR-V(ホンダ)23.0%増の3万2,872台、前月も2位
3位 Rav4(トヨタ)10.3%増の3万27台 前月も3位
4位 エスケープ(フォード)1.4%減の2万8,113台 前月も4位
5位 エクスプローラー(フォード)4.0%減の2万3,424台、前月は6位 エキノックス(GM、シボレー)13.3%増の2万2,464台、前月は6位

6位 エキノックス(GM、シボレー)5.5%増の2万2,671台、前月は5位
7位 ジープ・グランドチェロキー(フィアット・クライスラー)22.1%増の2万374台、前月も7位
8位 ハイランダー(トヨタ)20.8%増の1万8,058台、前月も8位
9位 ジープ・ラングラー(フィアット・クライスラー)7.1%減の1万6,336台、前月も9位
10位 アウトバック(スバル)12.7%増の1万5,909台、前月は圏外

(カバー写真:Ford

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