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米6月ADP全国雇用者数、採用計画数も併せて鈍化

by • July 7, 2017 • Finance, Latest NewsComments Off617

 

Private Payrolls And Job Hiring Plans Slow In June.

米6月ADP全国雇用者数、米6月チャレンジャー人員削減予定数をおさらいしていきます。

米6月ADP全国雇用者数は前月比15.8万人増となり、市場予想の18.8万人増を下回った。前月の23.0万人増(25.3万人増から下方修正)にも届かず、年初来では4月に次ぐ低水準で2回目の20万人割れとなる。年初来の平均は、21.8万人だ。ADP全国雇用者数は、2010年2月以来の増加トレンドを保つ。

ADP全国雇用者数、年初来で2番目の低水準。
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(作成:My Big Apple NY)

セクター別では、サービスが15.8万人増とけん引した。雇用統計の就業者数の伸びランキングで上位常連での専門サービスが6.9万人増と力強さを示す。貿易・輸送・公益も3.0万人増、教育・健康も2.8万人増と引き続き雇用をサポート。娯楽・宿泊も1.1万人増と前月以下ながら増加し続けた。

財(製造業、建設、鉱業)は±0人。製造業が0.6万人増だったものの、建築が0.2万人減と減少に転じた。原油価格が50ドル割れで推移するなか、鉱業も0.4万人減と直近で久々に減少に転じている。なおADP全国雇用者数は民間のみであり、政府を含まない。

ADPとともに統計を担当するムーディーズ・アナリティクスのマーク・ザンディ主席エコノミストは、結果を受け「雇用の伸びは活発で、年初来から15万~20万人辺りで力強く推移している」と評価した。就労者数の増加ペースは「労働人口の伸びの倍以上であり、労働市場は益々逼迫するだろう」と楽観的に結んだ。

――労働人口の増加幅は年初来平均で前月比14.4万人ですから、ADP全国雇用者数の平均値21.8万人増を大幅に上回ります。ザンディ氏のコメントの倍近くという意味は不明ですが、確かに労働市場が逼迫する期待は大きい。ADP全国雇用者数で雇用増加が目立つ専門サービスはITエンジニアや弁護士など高賃金職が多いため、賃金上昇と併せて期待が膨らみます。しかし、蓋を開けてみれば専門サービスのうち雇用が伸びているのは事務職系で4.0万人増と同セクターの伸びの6割を占めていました。賃上げ効果をもたらすかは、未だ不透明と言えるでしょう。

▽米6月チャレンジャー人員削減予定数、5ヵ月ぶりに前年比で増加

米6月チャレンジャー人員削減予定数は、前年同月比19.3%減の31,105人となった。2016年11月以来で最低を示す。前月比では6%減で、労働市場の逼迫を裏打ちする結果となった。なお5月分はフォードの人員削減予定数を2万人として計算していたが実際は1,400人だったため、当初の51,692人から33,092人へ修正した。

発表元であるチャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスのジョン・チャレンジャー最高経営責任者(CEO)は、結果を受け「労働市場が逼迫するなか、企業は従業員数を維持しようと試みるものだ」と振り返る。また、企業は「トランプ政権の規制改革案を見極めたい」との見解も寄せた。

人員削減予定数、2016年11月以来で最低。

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(作成:My Big Apple NY)

人員削減予定数は、4~6月期で100,799人だった。1~3月期から20%減少、前年同期比では24%減となる。2017年の年初来6ヵ月間での人員削減予定数は、前年同期比で56.9%減の227,000人だった。

年初来で人員削減が多かったセクターのランキングは以下の通り。1〜5月と変わらず1位は小売で60,217人となり、金融危機直後にあたる2009年以来で最高を示す。2位と3位も前月と変わらない。なお5月は1位が小売、2位がヘルスケア、3位がサービス、4位が通信、5位が産業財だった。

1位 小売 60,217人(全体の26.5%)
2位 ヘルスケア 17,920人(全体の7.9%)
3位 サービス 15,415人(全体の6.8%)
4位 自動車 12,570人(全体の5.6%)
5位 通信 11,367人(全体の5.0%)

2017年の年初来6ヵ月での州別動向は、フォードの人員削減予定数の修正を受けてミシガンが圏外へ陥落した。代わりにニューヨーク州がランクインし結局前月と変わらない結果となる。5月は1位がIT企業のメッカであるカリフォルニア州、2位がテキサス州、3位がラストベルトと呼ばれる製造業が盛んだったオハイオ州、4位は日本車メーカーが多く進出しラストベルトの一角を成すインディアナ州、5位がニューヨーク州だった。

1位 カリフォルニア州 32,630人(前月は1位)
2位 テキサス州 21,005人(前月は2位)
3位 オハイオ州 20,814人(前月は3位)
4位 インディアナ州 17,038人(前月は4位)
5位 ニューヨーク州 13,777人(前月は5位)

6月の人員削減数ワースト5は、以下の通り。5月は1位が自動車、2位が小売、3位が保険、4位がサービス、5位がヘルスケアだった。

1位 小売 20,271人(全体の65.2%)
2位 食品 5,777人(全体の18.9%)
3位 ヘルスケア 4,212人(全体の13.5%)
4位 サービス 4,082人(全体の13.1%)
5位 ヘルスケア 3,054人(全体の9.8%)

リストラ実施の理由、6月のランキングは以下の通り。前月は1位がコスト削減、2位が閉鎖、3位がM&A、4位が契約切れで圏外から加わり、5位は前月4位の再編だった。前月に5位だった自主退職は、圏外へダウンした。

1位 コスト削減 17,524人(全体の56.3%)
2位 閉鎖 8,853人(全体の25.2%)
3位 M&A 2,245人(全体の7.2%)
4位 契約切れ 再編 1,095人(全体の5.4%)
5位 再編 自主退職 1,095人(全体の3.5%)

採用予定数は、前年同月比で3倍増の40,095人だった。前月比では48.3%減となる。1〜6月期では前年同期比で6倍近くの428,256人となる。今回は、小売りが31,329人と大幅増で前月の2位から浮上、逆に1位だった娯楽/宿泊は2位に転落した。なお5月は1位が娯楽/宿泊、2位が小売、3位がコンピューター、4位が産業財、5位が自動車だった。

1位 小売 31,329人
2位 娯楽/宿泊 3,035人
3位 輸送 1,370人
4位 航空 1,153人
5位 サービス 730人

――米6月チャレンジャー人員削減予定数は改善を続けたものの、採用件数は前月比ベースで減少しました。米6月ADP全国雇用者数の鈍化と合わせ、米6月雇用統計・非農業部門就労者数が予想以下となる可能性を示唆しています。ADP全国雇用者数と雇用統計・NFPの民間就労者数との乖離幅は2014年以降で0.9万人、年初来では6.9万人で、ADP全国雇用者数が上振れする傾向が高い。今回のNFP下振れすれば、長期債利回りの上昇に歯止めを掛けることができるのか注目です。

(カバー写真:Jeffrey Bary/Flickr)

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