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米6月ISM非製造業景況指数、マークイットとも予想外の上昇

by • July 7, 2017 • Finance, Latest NewsComments Off1333

ISM And Markit Shows Service Activity’s Rebound.

ISM非製造業景況指数、マークイットが発表した6月の景況感指数をおさらいしていきます。

米6月ISM非製造業景況指数は57.4となり、市場予想の56.5並びに前月の56.9を上回った。テクノロジー関連を中心に下落が目立ち、共和党上院が医療保険制度改革(オバマケア)代替案移行税制改革で合意できず、北朝鮮問題が再びクローズアップされるなかで2015年10月以来のレベルに近い水準へ戻した。

17業種別では6 業種が拡大を報告、縮小を報告したのは前月の教育からその他サービスへ移った。項目別動向では全体的に上向いたが、雇用が2015年7月以来の高水準を遂げた前月から低下した。詳細は、以下の通り。

・ビジネス活動 60.8>前月は60.7、6ヵ月平均は61.1
・新規受注 60.5>前月は57.7、6ヵ月平均は60.0
・雇用 55.8<前月は57.8と2015年7月以来の高水準、6ヵ月平均は53.9

・新規輸出受注 55.0>前月は54.5と4ヵ月ぶり低水準、6ヵ月平均は57.1
・在庫変化 57.5>前月は54.0、6ヵ月平均は52.1
・仕入れ価格 52.1>前月は49.2と2016年4月以来の分岐点割れ、6ヵ月平均は54.9

▽米6月マークイット非製造業PMI確報値、速報値から上方修正

米6月マークイット非製造業PMI確報値は54.2と、速報値並びに市場予想の53.0を下回った。前月の53.6を超え、5ヵ月ぶりの高水準。2016年9月以来の水準へ鈍化し米大統領選挙後の上昇を完全に打ち消した3月の52.8から、改善し続けた。内訳をみると、新規受注が5ヵ月ぶりの高水準だったほか、仕入れ価格は約2年ぶりの水準へ上向いた。雇用も上昇している。一方で製造業と合わせた総合指数は53.0と、前月の53.6から低下した。製造業PMIが足を引っ張った格好だ。

クリス・ウィリアムソン主席ビジネス・エコノミストは、サービス業のPMIを好感しながら「総合指数は4~6月期に1~3月期から小幅鈍化し、成長が抑制される可能性がある」と指摘した。米4~6月期成長率は「2%を小幅に上回る程度」との予想を維持している。

ISMとマークイット、6月は共に堅調も民間サービス業就労者数と反比例。

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(作成:My Big Apple NY)

――ISM非製造業景況指数とマークイット・サービス業PMIはそろって上向いたものの、雇用だけに限っていえばISMが鈍化しマークイットが上昇するなどまちまちです。足元で米雇用統計との相関性が薄れており、米6月雇用統計・非農業部門就労者数も精彩に欠ける数字にとどまりかねません。逆に米債利回り上昇局面ですから、強含んだ場合は利回りとドルの一段高が意識されます。果たして、どんな結果となるでしょうか?

(カバー写真:Chris Pople/Flickr)

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